ホンダは、電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」、「EV Urban Concept(イーヴィー アーバン コンセプト)」の2モデルをイタリア・ミラノで開催されるEICMA 2024(ミラノショー、プレスデー:2024年11月5~6日、一般公開:11月7~10日)で初公開した。
電動二輪車のグローバル展開元年
ホンダは、2050年に「ホンダの関わるすべての製品と企業活動全体を通じてカーボンニュートラルを実現する」ことを目指し、2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラル達成を目標にしている。この目標に向けて、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでいる。
そしてホンダは、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪車市場への参入を本格化している。2026年までを市場参入期、2026年以降を事業拡大期と位置付け、戦略的に電動二輪車の市場投入を推進する。
今回発表したEV Fun Conceptは、2023年11月29日に開催した「2023 Honda電動二輪事業説明会」において発信した、FUN用途を想定したモーターサイクル型電動モデルとなる。ホンダ二輪車初の固定式バッテリーを搭載した中型排気量帯相当のネイキッドタイプのスポーツモデルで、2025年に投入を予定している。
一方、EV Urban Conceptは、ホンダが考える都市型電動モビリティを、機能を研ぎ澄ましたデザインやコネクテッド技術、自社開発のバッテリーパックを搭載することで具現化した電動モデルとなる。
新たなスポーツモデルEV Fun Conceptと都市型電動モビリティEV Urban Conceptが加わることで、「2030年までに、グローバルで電動モデルを30機種投入」する計画に対して、確実に歩みを進めていく。
ホンダは今後、多様化するユーザーのニーズに応えられるように、電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させ、多彩なバリエーション展開を進めていく。これによりグローバルでのシェア拡大を図り、電動二輪車においてもリーディングカンパニーを目指していくとしている。
モーターサイクル型電動モデル「EV Fun Concept」
EV Fun Conceptは、次世代の電動モーターサイクルとして、静かに走り抜ける新しい感覚と、電動ならではのエモーショナルなライディングフィールの実現を目指し開発を進めているモデルで、ホンダ初のスポーツモデルの電動二輪車となる。
ホンダの長年にわたる二輪車開発の技術が実現する高次元の「走る・曲がる・止まる」の性能に加えて、電動ならではの静かで振動のない新しい乗り味や、固定式バッテリーが実現するスリムで扱いやすい車体パッケージによって、ガソリン車とは全く異なる新しいエモーショナルな体験を実現し、ユーザーのモーターサイクルライフを拡張する。
ホンダの四輪車とパワープロダクツで培ったノウハウと技術を応用し、EV Fun Conceptのシステムおよび充電機能を構築。バッテリーは四輪車と同じ規格の急速充電器CCS2に対応し、軽さとのバランスを最適化して、急速充電に対応するとともに、街中での使い勝手に必要十分な航続距離100km以上を想定して開発している。
都市型電動モビリティ「EV Urban Concept」
EV Urban Conceptは、ホンダが考える都市型電動モビリティとして、ありたい姿をゼロから再構築したコンセプトモデルとなる。機能を研ぎ澄ますことで生まれる、本質的かつ精緻なスタイリングデザインや直感的なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、ソフトとハードの融合が生み出す新しい体験によって、人や社会と協調・共鳴していく近未来のモビリティの姿を具現化した。そしてより多くのユーザーへ移動の自由を開放するとともに、ユーザー1人ひとりのモビリティライフの可能性を拡張することを目指す。
構成/土屋嘉久