キユーピーはグループ会社のキユーピータマゴとともに、「いいたまごの日(※1)」(11月5日)を迎えるにあたり、キユーピータマゴ公式サイト内で「たまご白書 2024」を公表した。
※1 卵という食材の素晴らしさを再認識するために、2010年に一般社団法人日本養鶏協会が制定
この「たまご白書」は、卵に対する意識や食べ方、トレンドを分析した調査報告で、2017年に1回目の調査結果を公表してから、今年で8回目になる。
本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。
消費量は減少しても日本人の卵への好意度は依然として高い
国際鶏卵委員会(IEC)の発表によると、日本人1人当たりの年間鶏卵消費量は2023年で320個となり、前年の339個から19個減少、世界2位から4位に順位を落とす結果となった。これは、鳥インフルエンザの発生による鶏卵価格の高騰などが影響していると考えられる。
しかし、「たまご白書 2024」の調査結果では、日本人の86.1%が「卵が好き」と回答。前年よりも好意度が0.5ポイント増加していることがわかった。これにより、日本人の卵への好意度は依然として高いことが確認されたと言えるだろう。
■好きな卵料理の1位は6年連続「目玉焼き」、好きなスイーツ1位は「プリン」
「好きな卵料理」について聞いたところ(複数回答可)、「目玉焼き」が65.8%と最も多く、6年連続で1位となった。2位は「オムライス」で63.5%、3位は63.2%で「ゆで卵」が入った。
「オムライス」は2021年以降3位だったが、今年は僅差で2位にランクイン(資料1)。「目玉焼き」は「好きな卵料理」だけでなく、「よく食べる卵料理」、「1年以内に作った卵料理」でも6年連続1位となっている。
また、好きなスイーツについて聞いた設問(複数回答可)では、1位は「プリン」で62.4%、2位は「シュークリーム」で58.5%、3位は「チーズケーキ」で55.3%と前年同様の結果となった。
■卵が好きな理由の変化と中食・外食の影響
「卵が好きな理由」について聞いたところ(複数回答可)、「おいしい」が65.0%で最も多く、次いで「様々な料理に使えて便利」が45.7%となった。
前年は鳥インフルエンザによる価格高騰などの影響で「価格が安い」が17.1%に減少したが、今年は26.1%と9ポイント増加しており、価格の回復が影響を与えたと考えられる(資料2)。
卵の価格に対する支払意欲と卵の魅力
「日常的に使う卵(10個パック)のためにいくらまで支払えますか」という設問(単一回答)に対し、全体の61.3%が「300円まで支払える」と回答しており、前年より5.5ポイント増加している(資料3)。
さらに卵(10個パック)の価格許容度別に「卵の機能認知」と「卵を好きな理由」を分析した結果、400円以上でも許容できる人は、300円までの人に比べて「卵のタンパク質が良質である」「卵を食べる頻度と血中コレステロール濃度には密接な関係がない」などの機能を認知している割合が高いことが判明。
また、好きな理由として「調理の見栄えがよくなる」「健康に良い」など、卵の具体的な機能以外にも魅力を感じている人が多いことも確認できた。
■男性はスーパーマーケット以外での購入が増加
「卵の購入場所」について聞いたところ(複数回答可)、例年通り「スーパーマーケット」が88.2%と最も高い結果ではあったが、その割合は2021年以降、減少傾向にある。
一方、男性全体では「ドラッグストア」で卵を購入する人が22.1%で前年(17.1%)に比べて5ポイント増加している。特に20代男性は「ディスカウントストア」で卵を購入する割合が全体平均より14.6ポイント高く、「コンビニエンスストア」でも7.5ポイント高いことがわかった。
世代ごとに卵の購入頻度や個数に違いがあり、ライフスタイルに応じて購入場所を選んでいると考えられる(資料4)。
調査結果まとめ
「たまご白書 2024」の調査結果によると、日本人の86.1%が「卵が好き」と回答しており、卵が依然として日本人に愛され続ける食材であることがわかった。
長年、卵は「物価の優等生」として安価に提供されており、価格に加え、その栄養価や使い勝手の良さも高く評価されている。特に、300円まで支払う意欲を示す人の割合が61.3%に達し、前年より5.5ポイント増加していることから、卵の価値が改めて認識されていると考えられる。
目玉焼きは、「好きな卵料理」「よく食べる卵料理」「1年以内に作った卵料理」のすべての設問で6年連続1位を獲得している。これは、日本人が「目玉焼き」を好む傾向を示しており、近年、外食産業で定着している「月見メニュー」の普及とも通じる部分があると推察する。目玉焼きを使ったメニューは親しみやすく、広く受け入れられていると言えそうだ。
卵の購入場所については、ライフスタイルの変化により、スーパーマーケット以外のドラッグストアやディスカウントストアなどに多様化。ゆで卵など、手軽な卵商品がコンビニで購入される機会も増えている。
今後も卵を使った商品は、卵好きな日本人にとって欠かせない存在であり続けると考えられる。
構成/清水眞希