2009年9月から現在に至るまで、約15年もの間、毎日のようにX(旧Twitter)で「あるある」ネタを投稿し続けているつぶやきシロー氏。フォロワーは増え続け、約100万に到達するほどの人気となっている。Xに投稿された「つぶやき」の中から、本人が自信作をセレクトし、1冊にまとめた書籍『リモコンの電池を換えてて、ちょっとでもテレビに気を取られると、あれ?新しい電池どっちだっけってなるね。』が話題となっている。
『リモコンの電池を換えてて、ちょっとでもテレビに気を取られると、あれ?新しい電池どっちだっけってなるね。』
選りすぐりの傑作つぶやきを厳選
日常の中で見つけた、ちょっとした「あるある」を切り取るつぶやき氏の、独特の視点が多くの人々の共感を集めているが、本著では、「あるある」の中にある、ちょっと哲学的(?)な、165の作品をまとめて収録。さらに、Xに投稿した作品に加え、本書では「追いつぶやき」と称し、ひと言、追記しており、こちらもひと言ひと言が見逃せない内容となっている。
つぶやきシロー
1971年、栃木県出身。1994年、ピン芸人としてデビュー。栃木訛りで繰り出す「あるある」ネタが受けブレークする。小説『イカと醤油』(宝島社)、『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館)は、2022年に映画化もされた。ほか、『こんな人いるよねぇ~』(自由国民社)、『3月生まれあるある』(さくら舎)、絵本『つぶやき隊』(TOブックス)など出版している。本書のもととなっているXでのPOSTは、2009年9月から投稿。フォロワーは100万人ぎみ。
デザインはブックデザイナーの祖父江慎氏が担当
今回、つぶやきシロー氏独自の世界観を表右するため、ブックデザイナーの祖父江 慎氏を起用。常識の枠にとらわれない、編集担当も困惑したという、特殊な文字組みもこの本の魅力となっている。
1959年、愛知県生まれ。コズフィッシュ代表。多摩美術大学グラフィックデザイン科を中退後、グラフィックデザイナー、アート・ディレクターとして活躍。印刷されたものに並はずれた「うっとり力」をブックデザインに注いでいる。スヌーピーミュージアム東京、ミッフィー展ほかの展覧会グラフィック、グッズデザインでも力を発揮する。
何気ない日常の“あるある”を絶妙、かつ端的に表現しているつぶやきシローさんのPOSTは、なぜか読んでいるだけで気持ちがほっこりする。何度も、何回でも、読み返したくなる、不思議な一冊。手に取ると、思わず笑ってしまう面白さがある。