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脳トレにおすすめ!99×99までの2ケタかけ算を暗算できるようになる話題のメソッド「あゆみ算」

2024.11.07

 中学受験は、受験者数が増加傾向にあるなど、競争激化の渦中にあるもののひとつ。そして高まる受験熱が、新たなトレンドを生んでいる。2ケタ同士のかけ算で使える、暗算ドリルが続々登場している。そんな数ある暗算ドリルのなかで大きな話題を呼んでいるのが、小学生向けの暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』(小学館)だ。『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』では、この本で初出となる「あゆみ算」を扱っている。「あゆみ算」とは、最先端のAIを学ぶ現役スタンフォード生でもある岩波邦明医師が独自に考案した画期的な暗算法のこと。東京大学医学部在学中に開発・出版し、累計発行部数66万部のベストセラーを誇る『岩波メソッド ゴースト暗算』から、およそ12年の歳月を経て開発した最新メソッドだ。

『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』
岩波邦明・著 

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 最新メソッド「あゆみ算」では、脳のワーキングメモリに着目している。計算する際に頭の中で扱う数字の数を減らすことで、2ケタ×2ケタの暗算を簡便化。筆算よりも速くかつ正確に2ケタ同士のかけ算が暗算できるだけでなく、「最短の工程で暗算できるから、誰でも簡単にマスターできる」「問題を解くたびに情報処理能力(プログラミング脳)がグングン育つ」など、さまざまなメリットがあるという。どうして岩波医師は新たな暗算メソッドを開発したのか? そのきっかけは、スタンフォード大の大学院コースで最先端のAIを学ぶ中で「AI開発に数学が不可欠」という確信を得たことにあると話す。

スタンフォード大学で医療用AIの開発に挑む

岩波邦明さん/医師・現役スタンフォード生。1987年生まれ。東京大学医学部卒。在学中に暗算法「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発。著書は66万部を超えるベストセラーに。

――岩波先生は現在、スタンフォード大学でAIの勉強をしています。医師でありながらAIを学ぶ理由をお聞かせください。

 2022年11月、オープンAI社が生成AIのChatGPTを公開し、世界中に衝撃を与えました。私も衝撃を受けたひとりで、大きな衝撃を受けたと同時に、生成AIの世界に興味が湧いたのです。
 翌年2月頃からプログラム言語やAIの勉強を始め、現在はスタンフォード生として大学院コースを受講しています。

――最新のAIについて勉強するなかで、気づきがあったそうですね。

 はい。生成AIは100%数学でできていると言っても過言ではない。そんな確信を得ました。高校数学の分野でいうと、微分や確率、ベクトルですね。数学が生成AI開発の根幹部を支えているのです。「数学を勉強しても将来、何の役にも立たない」という言葉をよく聞きますが、数学は世界の最前線を切り開くために必須な知識だと改めて気づきました。

――「生成AIが数学でできている」とはどういうことでしょうか?

 例えば、ChatGPTはどうやって回答を導き出すのでしょうか。「今日の天気は?」という質問に、天気に対応する言葉群から答えを選んでいると考える人は多いと思いますが、実際は違います。確かに昔はそのようなプログラムだったこともあります。しかし現在の生成AIは、数式によって確率的に最も正しい〝らしい〞ものを選んでいるのです。開発のステージでは、この回答の精度を向上させるために、微分を用いて数十億、多いときには数千億ものパラメーターを調整しているのです。この調整によって、いわゆるAIの賢さが決まります。

――数式で導き出すということは生成AIに学習させる段階で、数字で学習させるのでしょうか?

 そのとおりです。生成AIのひとつであるChatGPTは〝言語〞ではなく言語を〝数字〞に置き換えてデータを蓄積します。そのおかげで生成AIは、それぞれの言語モデルを習得させる必要がなくなります。ChatGPTが英語だけでなく日本語やほかの言語でも高い性能を発揮できるのは、それが理由のひとつだと考えられます。

――先生はAIを勉強した先に、どのようなビジョンを思い描いているのでしょうか?

 

 医療用の生成AIを開発したいと思っています。例えば、医療画像を生成するAIです。X線写真を学習させた画像生成AIがあれば診療、研究、教育など多分野で活用できるようになるでしょう。自閉症の人たちをサポートする対話型AIの開発も考えています。ジョブインタビュー(就職面接)の練習やアドバイスをしてくれるAIがあれば、自閉症の方々の生活を大きく助けることができるでしょうし、そういった医師という仕事に直結する生成AIの開発ができればと、精進しています。

──先生は学生時代から数学(算数)が得意だったのでしょうか?

 得意というか好きでした。好きの結果、得意になったという表現が正しいかもしれません。4~5歳頃でしょうか。たし算やひき算を教えてもらった時期に、どうやら「かけ算」というものがあると何かの本で読んだのです(笑)。

 かけ算のやり方がわからなかった私は、ひとりで公園の地面に数字を書いて考えていたことを今でも覚えています。

 結局、かけ算の方法を自分で見つけ出すことはできませんでしたが、「数字(算数)っておもしろいな」という体験ができました。これが数学(算数)を好きになったきっかけのひとつですね。

〝難しい〟よりも先に〝楽しい〟という体験ができたことが良かったのでしょう。新しいことを学んでも常におもしろさを見つけることができました。

AI開発で頻出する数学の公式

AI開発で頻出する数学の公式上は複数の変数が相互に関連していると仮定し、それらが共同で形成する正規確率分布を示す、多変量正規分布の公式。生成AIにおけるランダムなノイズの生成など、幅広い形で用いられるという。

算数嫌いの特効薬は成功体験の積み重ね

──先生は2023年12月に、小学生向けの新たな暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』を執筆しました。執筆の狙いを教えてください。

「あゆみ算」という2ケタ同士のかけ算を簡単に暗算できる画期的な計算方法を広めたかったというのはもちろんあります。それ以上に私は子供たちに〝算数の成功体験〟を感じてほしいのです。

 数学に苦手意識を持っている人は、数学(算数)でつまずいてしまったからだと思います。それがかけ算なのか分数なのか、XやYといった代数を使った方程式なのか、人それぞれだと思いますが、安心して下さい。数学が得意な人であっても、新しいことを習った時に一度で理解できているわけではない。まずはこのことを知ってほしいのです。大切なのは、わからないから〝つまらない〟ではなく、わからないから〝おもしろい〟と感じられるかどうか。そのカギとなるのが〝成功体験〟であると私は考えているのです。

──小学生で2ケタ同士のかけ算を暗算で解ければ、クラスで人気者になれますよね。

 そうなんです。同級生たちと比べて算数ができる子として扱ってもらえるし、褒めてもらえる。こういった体験を小さい頃にしてほしいのです。2ケタ同士のかけ算と微分・積分は、一見すると直接の関連性がはっきり感じにくいかもしれません。でも、成功体験は違います。成功体験は、微分・積分がわからない時に精神的な支えにもなるのです。

 AIの存在感がますます強くなるこれからの時代に、数学(算数)の重要性はさらに増します。つまり、数学(算数)に対する得意意識は次世代のビジネスパーソンにとって不可欠なスキルになると言っても過言ではないでしょう。

 

『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』(小学館)では、2ケタ同士のかけ算全8100パターンに対応する新しい暗算法「あゆみ算」ほか、6つの暗算法「ラッキーあゆみ算」を収録している。

 

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