コミュニケーション能力にたけた人にはいくつかの共通点がある。それをまねするだけで、あなたも好印象を持たれる「感じがいい人」になれるかもしれない。「能力は同じくらいなのに、感じがいいことで得をしている」あなたのまわりにそんな人はいないだろうか。延べ5万人以上にコミュニケーションの指導をしてきた産業カウンセラーで、著書『言いかえ図鑑』シリーズがベストセラーとなっている大野萌子さんによると、「感じがいい人」は、絶妙なコミュニケーション術を無意識のうちに、あるいは意識的に身につけているという。その5つのポイントを紹介しよう。
[1]〝察してくれる〟と思わず、言葉ではっきり伝えられる
相手の気持ちを「察する」文化を持つ日本人は、相手にも「察して」もらいたがる傾向が強い。しかし実際のところ、自分が思っていることと、相手が思っていることが全く同じというのはあり得ない。だからこそ言葉で伝えて、自分と相手の考えをすり合わせることができる人は、誤解を招くことなく、スムーズな人間関係を築くことができる。
[2]明るい挨拶と笑顔を欠かさない
何か事件があった時のインタビューで「あまり話したことはないけれど、いつも挨拶をしてくれる感じのいい人でしたよ」という答えをよく耳にする。このように、誰であれ、日頃から声に出して挨拶していると、相手は良い印象を覚えるもの。毎日顔を合わす会社の上司や仕事相手でも同じこと。明るい笑顔と声出し挨拶、それだけで十分好印象。自分も気持ちよくいられる。
[3]常に「聞く7割・話す3割」が意識できる聞き上手
どんなに話すのが苦手な人でも、自分の好きなことであれば饒舌になる人は多い。このように、人は自分の話をするのが好きな傾向にある。逆を言えば、自分とは関係ない相手の話を聞き続けるのは苦痛ということ。「聞く7割・話す3割」の、話すより聞くことに重きを置いた会話で、相手に多く話をさせることができれば、心の距離も縮められる。
[4]肯定表現が多い
謙遜する態度を尊ぶ日本では、褒められた時でさえ「自分なんてまだまだ」と否定的に答える人が多い。だが、否定的な表現をすることは、自分だけでなく一緒にいる相手にとっても気持ちがいいものではない。だからこそ、常に相手の気持ちを気遣い、どんな時でも肯定的な言葉や表現で話してくれる人は、それだけで好印象になる。何よりその人と一緒にいる時間が心地いいと感じてもらえるはずだ。
[5]返事や相づちのバリエーションが豊富
会話は、一方が話し続けて成り立つものではない。話のキャッチボールがあってこそ心地いい会話ができるというもの。そのためにも、返事や相づちは重要なアクション。同じ返事や、相手の言葉をオウム返ししてばかりでは、聞く気がないと誤解される場合もある。返事や相づちを考えることは、相手がどう感じるのかを気遣うことなのだ。
感じがいい人の65のコミュニケーション事例「『感じがいい人』の行動図鑑」
『仕事も人間関係も驚くほどうまくいく!「感じがいい人」の行動図鑑』
著/大野萌子
いつもの行動や話し方、言葉遣いにちょっと工夫をするだけで、相手に好印象を与えるように生まれ変わる。ビジネスパーソンのために実践的ですぐに役立つコミュニケーション術を解説した行動指南書。これを読めば、きっと仕事も人間関係も、驚くほどうまくいくようになるはずだ!