偶然から始まった自由研究で大きな学びを得た二人
――改めて、今回の研究を振り返ってみてどうですか?
木村さん:事業の収益プランに関してはどんぶり勘定だったな~って(笑)。もっと改善の余地があると思います。
西田さん:最近、友達がフードデリバリーサービスを使っているのを横から見てたんですけど、選択肢が多すぎて選べない!って思ったので、『EAT SELECT』の機能だけでも、Uber Eatsや出前館に導入されたら良いなって思います。
――お二人は将来、起業家を目指しているんですか?
西田さん:いえ、全然そんなことはないです。私はプロダクトデザイナーを目指しているんですけど、今回の研究を通してAIをプロダクトに導入した製品の研究・開発に携わりたいなって思うようになりました。
木村さん:私は大学では臨床心理を勉強したいなって考えています。特に、こころの病気や精神疾患について興味があるので、大学では研究者の道も視野に入れています。
――お二人の研究は起業家顔負けのビジネスモデルだったので意外です。ところで、「自由すぎる研究EXPO2024」の他の応募者の作品はいかがでしたか?
西田さん:岡山の高校生の方が考えていた『なっとうを片手で食べたい~自助具のデザインと開発~』は、プロダクトデザイナーを目指す私としては完全に負けたな~って思いました。ちょっと悔しいです。
木村さん:しかも一人で考えていて、製品自体もコンパクトにまとめていたのがすごかったよね。
――では最後に、今回の研究を通して得た学びなどがあれば教えてください。
木村さん:今回の受賞のきっかけになった「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に私たちが応募したのは学校にあったチラシを見たからなんです。誰かに勧められたわけでもなく、本当に偶然、一枚のチラシをきっかけに始まりました。
二人だけで研究を進めていくのはめちゃくちゃ楽しかったし、めちゃくちゃ難しかったです。本当に色々な学びがあって、貴重な体験ができたと思うので、私たちみたいな‶偶然〟じゃなく、学校教育の仕組みの中で‶必然〟的にみんな経験できる仕組みがあればなって思いました。
西田さん:それも自主的にできるような仕組みだったらいいよね。
「自由すぎる研究EXPO2024」は、応募者がみんな自分たちが面白いと思うテーマを、自分で考えて応募しています。どの応募作品も熱意やこだわりがあって、見ているだけでも楽しかったですし、刺激になりました。私たちももっと頑張らないとな~って思います(笑)。
――いえ、私から見るとお二人の研究は、私たち大人にとっても新しい発見がたくさんあり、とても刺激になりました。改めて、今回は金賞(DIME賞)受賞、おめでとうございました。
取材・文/峯亮佑