中学受験は、受験者数が増加傾向にあるなど、競争激化の渦中にあるもののひとつだ。そして高まる受験熱は、新たなトレンドを生んだ。2ケタ同士のかけ算で使える、暗算ドリルが続々登場しているのだ。そんな数ある暗算ドリルのなかで大きな話題を呼んでいるのが、小学生向けの暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』(小学館)である。
『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』は、現役スタンフォード生であり、累計発行部数66万部のベストセラーを誇る『岩波メソッド ゴースト暗算』の著者が新たに開発した最新メソッド「あゆみ算」を収録した暗算ドリルだ。AIの社会実装が当たり前になる時代はすぐそこまで近づいている。そんな新しい時代を生きる若い世代にとって、『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』はどういったメリットをもたらすのか? 岩波医師が新著に込めた想いを語る。
成功体験の積み重ねは算数嫌いの子どもの特効薬です
岩波邦明さん/医師・現役スタンフォード生。1987年生まれ。東京大学医学部卒。在学中に暗算法「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発。著書は66万部を超えるベストセラーに。
――先生は小学生向けの新たな暗算ドリル『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』を執筆しました。執筆の狙いを教えてください。
「あゆみ算」という2ケタ同士のかけ算を簡単に暗算できる画期的な計算方法を広めたかったというのはもちろんあります。それ以上に私は子供たちに〝算数の成功体験〞を感じてほしいのです。
大切なのは、わからないから〝つまらない〞ではなく、わからないから〝おもしろい〞と感じられるかどうか。そのカギとなるのが〝成功体験〞であると私は考えているのです。
――たしかに小学生に話を戻せば、2ケタ同士のかけ算を暗算で解ければ、クラスで人気者になれますよね。
おっしゃる通りです。同級生たちと比べて算数ができる子として扱ってもらえるし、褒めてもらえる。こういった体験を小さい頃にしてほしいのです。もちろん、大人になってから数学への苦手意識を払しょくすることはできます。2ケタ同士のかけ算と微分・積分は、一見直接の関連性がはっきり感じにくいかもしれません。でも、成功体験は違います。成功体験は、微分・積分がわからない時に精神的な支えにもなるのです。
AI 開発にとって、今や数学はなくてはならない知識です。ですから、AIの存在感がますます強くなるこれからの時代に、数学(算数)の重要性はさらに増します。つまり、数学(算数)に対する得意意識は、次世代のビジネスパーソンにとって不可欠なスキルのひとつになると言っても過言ではありません。
医療用の生成AIを開発したいと思っています。例えば、医療画像を生成するAIです。X線写真を学習させた画像生成AIがあれば診療、研究、教育など多分野で活用できるようになるでしょう。自閉症の人たちをサポートする対話型AIの開発も考えています。ジョブインタビュー(就職面接)の練習やアドバイスをしてくれるAIがあれば、自閉症の方々の生活を大きく助けることができるでしょうし、そういった医師という仕事に直結する生成AIの開発ができればと、精進しています。
2桁の暗算が誰でも解けるようになる!?カリスマ保育士のてぃ先生も驚いたスーパー暗算方法の秘密
『小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル』(小学館)では、2ケタ同士のかけ算全8100パターンに対応する新しい暗算法「あゆみ算」ほか、6つの暗算法「ラッキーあゆみ算」を収録している。