米Appleは現地時間の2024年10月28日、iPhone、iPad、Macのユーザー向けのApple Intelligence(英語版)の初期機能の提供をiOS 18.1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15.1の無料ソフトウェアアップデートにより開始した。日本語対応は2025年4月以降となる予定。
Apple Intelligenceの利用が可能なモデルはAiPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPad、M1以降を搭載したMacとなっている。
Apple IntelligenceはiPhone、iPad、Macに驚くような新機能をもたらす。
システム全体で使える作文ツール
iOS、iPadOS、macOSにわたって緊密に統合されている作文ツールにより、ユーザーはメール、メッセージ、メモ、Pages、他社製アプリなど、ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約を行なうことが可能になる。
例えば「書き直し」を使うと、Apple Intelligenceによってユーザーは自分が書いた文章の様々なバージョンから選ぶことができ、読者や作業中のタスクに合わせて、表現方法を「プロフェッショナル」「簡潔」「フレンドリー」に調整できる。
「校正」は、文法、言葉づかい、構文をチェックするほか、編集の候補をその説明とともに提案するので、ユーザーは確認したり、すばやく承認することが可能。また、ユーザーはテキストを選択して、それを読みやすい段落、箇条書き、表、リストなどの形で要約できる。
作文ツールを使えば、ほとんどすべての文章を作成する場面で書き直し、校正、要約を行なうことが可能になる。
■より自然で会話ができるSiri
iPhone、iPad、CarPlayで作動している時は、画面の縁を囲うようにエレガントに光り輝く、まったく新しいデザインを採用。Macでは、デスクトップの好きな場所にSiriを置いて、作業中に簡単にアクセスできるようになった。
より豊かな言語理解の能力を備えたSiriは、ユーザーが言葉につまづいても話についていきながら、1つのリクエストから次のリクエストへと文脈を保ってくれる。Apple製品の機能や設定に関する何千もの質問に答えてくれるという。
■さらに賢くなった写真アプリ
写真アプリも新機能を搭載。自然な言葉づかいで検索ができ、ユーザーは「Maya skateboarding in a tie-dye shirt」など、探しているものを説明するだけで、ほぼどのようなものでも検索が可能になった。
ビデオでも検索ができるため、ユーザーはビデオの特定の部分で起きたことを検索して、すぐにシーンを表示できる。検索では、ユーザーがすばやく検索を完了できるように、賢い入力補助の候補も提供される。
写真アプリで、ユーザーは探しているものを説明するだけで、ほぼどのようなものでも検索できる。
不要な対象物や人物が写真のフレームの中に写り込んでしまった場合は、クリーンアップツールを使って、撮影の瞬間の意図を忠実に保ちながら、不要な要素を削除できる。
Apple Intelligenceによって実現した新しいクリーンアップツールにより、ユーザーは撮影の瞬間の意図を忠実に保ちながら、写真から不要なものを削除できる。
そしてメモリー機能により、ユーザーは説明を入力するだけで、見たいムービーを作成できるようになった。言語と画像を理解する能力を活用して、Apple Intelligenceは、ユーザーの説明にもとづいて最高の写真とビデオを選び、写真から特定されたテーマにもとづいてチャプターに分かれたストーリーラインを作成。独自の流れのある物語のムービーに仕上げていく。
ユーザーの説明にもとづいて、Apple Intelligenceは写真とビデオを選択して組み合わせ、独自の流れのあるムービーに仕上げることができる。
優先順位を付けて集中する新しい方法
優先メッセージにより、メールアプリの受信ボックスの先頭に表示されるこの新しいセクションは、当日のランチの招待や搭乗券など、最も緊急性の高いEメールを表示。
ユーザーの受信ボックス全体で、メッセージを開くことなく要約を確認できるほか、長いスレッドの場合は、「要約」をタップまたはクリックするだけで関連する詳細を表示できる。
さらに、スマートリプライは、すばやく返信するための提案を提供するほか、Eメール内の質問を特定して、すべてに確実に回答できるようにする。
Apple Intelligenceが備えた優先メッセージやメッセージの要約機能により、これまでにない方法で受信ボックスを管理できる。
Apple Intelligenceは、通知の要約によって、ユーザーが優先順位を付けて集中できるよう手助けもしてくれる。通知の要約で、長い通知や積み重なった通知をすばやく確認でき、グループチャットでのやり取りが特に頻繁になった時などに、ロック画面に重要な詳細情報が表示される。新しい集中モードの「さまたげ低減」は、すぐに確認する必要がある通知のみを表示する機能だ。
メモアプリと電話アプリでは、ユーザーは音声の録音、文字起こし、要約ができる。電話アプリで通話中に録音が開始されると、参加者に自動的に通知が届き、通話が終了すると、重要なポイントを思い出せるようにApple Intelligenceが要約を生成する。
ユーザーは、電話アプリとメモアプリで音声の録音や文字起こしができ、Apple Intelligenceが文字起こしを要約する。
■今後もさらに多くの機能が登場予定
新しいApple Intelligenceの機能は12月に、さらに多くの機能が今後数か月の間に提供開始される。
Apple Intelligenceは、ユーザーが自分らしさを視覚的に表現する新しい方法をもたらす。絵文字は新しいレベルに引き上げられ、説明を入力するだけでオリジナルのジェン文字を作成することが可能になる。
また、友人や家族の写真を使って絵文字をパーソナライズすることもできる。画像マジックワンドは、ラフスケッチを美しい画像に作り変えて、メモを視覚的に一段と魅力的なものにしていく。
さらに、何もない空白部分に円を描くと、周囲のコンテクストを使用して画像を作成することも可能だ。
Image Playgroundを使うと、ユーザーは瞬時に楽しい画像を作成できる。
12月には、作文ツールが一段とパワフルになり、ディナーパーティの招待状をより印象的な文体にしたり、履歴書により快活な動詞を追加するなど、ユーザーが文章に適用したい具体的な変更を説明できる機能が加わる。
また、12月には、新しいビジュアルインテリジェンス体験がApple Intelligenceを基盤として実現。iPhone 16のラインアップの新しいカメラコントロールにより、ユーザーは対象物や場所について瞬時に学べるようになる。
構成/清水眞希
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