EPEIOSのハイエンド家電「FoElemシリーズ」のスマートコーヒーメーカー「Mocca」は、FoElemのコンセプトを踏まえてデザインされた、スタイリッシュなフォルムが特徴。
美しさを演出するためにタンク部分にガラスを採用。通常は本体の後ろにあるウォータータンクを上部に設置しスマートで置き場所を取らず、美しい造形や機能を追求している。
あえてハンドドリップを再現しない最適な抽出方法を追求
本体全体の技術的部分に関しては、アジア人初のワールドバリスタチャンピオンに輝いた井崎英典氏が監修。コーヒーの味と香りを最大限に引き出すことにこだわり、あえて「ハンドドリップを再現しない」コーヒーメーカーに仕上げた。
Moccaは最大720ml(カップで4~5杯)の大量のコーヒーを作ることができるが、この量をハンドドリップで再現しようとすると、コーヒーの成分が抽出されにくいという問題に井崎氏は着目した。
ハンドドリップを再現しないMoccaに合わせた最適な抽出方法を追求することで、コーヒーの味と香りを最大限に引き出す独自の抽出法を開発。シャワーヘッドから出るお湯の流量や速度、シャワーヘッドの穴の大きさや位置などを計算し何度も改良を重ねて、コーヒーの抽出効率を向上させた。
Moccaの使い心地を検証!Moccaで淹れたコーヒーの味わいは?
Moccaは、コーヒー粉の粒度の均一性や使用後のお手入れ、コーヒーメーカーのサイズ感、粉砕する際の音の大きさなど、さまざまな使用シーンを考慮してコーヒーミル機能を取り外しているため、使用できるのはコーヒー粉のみ。構成は、本体と水タンク+フタ、ドリッパー+ロート、コーヒーサーバー+フタ、ドリッパースタンドで、計量スプーンも付属。
都城のコーヒーメーカーは大きさがあるため置き場所に苦労するが、Moccaのサイズは奥行き19.6cm 幅18.5cm 高さ41.3cmと、タンクを上部に設置したことでスリムになり場所を選ばないのもポイント。テーブルやキッチンの上に設置しても邪魔にならないサイズ感と美しい佇まい。
ドリッパーにロートを組み合わせフィルターとコーヒー粉を入れて本体にセット。必要な量の水を注いだ水タンクもセットする。
ドリッパーは本体に取り付ける前にコーヒー粉を入れなければいけないが、ドリッパーの内側にあるロートの先端に突起がついており不安定なため、粉を入れる時は転倒しないように付属のドリッパースタンドにセットすることを忘れずに。
本体下部にあるボタンで3つのモード(後述)、カップ数を選択してスタートボタンを押せば抽出がスタートする。抽出時間はモードやカップ数で異なるが、おおよそ3~7分。
抽出が終わったらコーヒーサーバーを取り出し、コーヒーの濃度を均等にするためにコーヒーサーバーを軽く揺らしてからカップに注ぐ。本体に保温モードがあるので、余ったコーヒーはサーバーを本体に戻しておけば保温が可能。
「Brew like a pro」はプロのように抽出できる一番品質に特化したモードで、蒸らしが一番長いのが特徴。
「Daily Brew」は蒸らしの時間をproよりも1分ほど短くして、手軽においしいコーヒーを楽しめるモード。
「Iced REIKO」は氷で割るアイスコーヒーのモード。コーヒーサーバーに氷を入れることで、抽出後はそのままアイスコーヒーが楽しめる。氷を入れずホットで抽出して、牛乳や豆乳、アーモンドミルクなどでカフェオレにすることもできる。
コーヒー粉の目安は、proとDaily は1杯分(コーヒー粉約11g・以下同)が注湯量(以下同)約180ml、2杯分(約22g)約360ml、3杯分(約32g)約540ml、4杯分(約43g)720ml。
Iced REIKOは、2杯分(約22g)約180ml、3杯分(約32g)約270ml、4杯分(約43g)約360ml。氷はそれぞれの注湯量と同等のグラム数を目安にして入れる。
コーヒーの味わいや香りをより楽しむならおすすめはpro。ただし抽出時間が長めなので、4杯分で8分近くかかった。朝食時など時間がないときや、何杯か飲みたいというときはDailyがおすすめ。Iced REIKOは濃いめに抽出されるので、深煎りのコーヒーを使ってホットで抽出すれば、牛乳や植物性ミルクなどと割ってラテとして楽しめる。
筆者宅ではエスプレッソマシンを使っておりラテで飲むことが多いが、ハンドドリップが飲みたくなることもある。ハンドドリップで淹れるにはやはりコツが必要で、プロ並みに上手に淹れられる人なら良いが、あまり自信がないという人には、プロの味わいがボタンひとつでできるMoccaはとても便利。さまざまな種類のコーヒーを試したくなる。
専用アプリ「EPEIOS Life」を使えば、湯の温度を2℃単位、湯量を10ml単位と細かく設定することができるので、コーヒー粉の種類によって抽出方法をより綿密に設定することが可能。また、マイレシピを登録すると、次回から登録したレシピを本体に送信することができるので便利だが、アプリの設定が少し複雑なので最初は手間取ってしまうかも。
そこまでこだわりがなければ、アプリを使わなくてもあらかじめ本体にセットされている設定で十分においしいコーヒーが味わえると思う。
ドリッパーや水タンクを本体を取り付ける時はやや注意が必要。ドリッパーはマークがあってそれに合わせて時計回りに回してロックするのだが、うまくセットできないとドリッパーが落ちて粉が散乱することになるので気をつけたい。
また、一番上に設置する水タンクもきちんとはめるのが慣れないうちは難しく、水を入れた状態でセットすると傾いてしまい水がこぼれるなどアクシデントも。ガラスなので落ちないように慣れないうちはタンクを空の状態で本体にセットしてから水を注いだ方がいいだろう。
ロートやドリッパー、水タンク、コーヒーサーバー、シャワーヘッドは取り外して洗浄できるので清潔さを保つことができるのはメリットだが、今回シャワーヘッドはかたくてなかなか取り外しができなかった。コツをつかむまでは注意した方がいいだろう。
操作音は静かで快適だが、抽出が終わると、メロディーが流れて完了を知らせてくれる(終了すると自動的に10分間は保温されているので冷めることはないが)。
本体へのセットも毎日使っていれば要領がわかるので、最初のうちだけは注意すればOK。ボタン操作で抽出ができるので、お湯を沸かして丁寧に湯を注ぐハンドドリップよりも手軽にコーヒーが楽しめるのがうれしい。1日に何杯もたしなむコーヒー好きや、家族や来客が飲む場合など大容量でコーヒーを淹れる際におすすめのコーヒーメーカーだ。
「スマートコーヒーメーカー Mocca(EPCM503)」価格:36,300円
サイズ:長さ19.6cm 幅18.5cm 高さ41.3cm(電源コードを含まず)電源コード1.2m、製品重量:2.34kg(水タンク、ドリッパー、コーヒーサーバー、電源コードを含む)、最大容量:水タンク:約850ml、コーヒーサーバー:約860ml、電源:AC100V、50-60Hz(日本規格)、消費電力:1050W、抽出時間:約3~7分(モード、カップ数、温度によって異なる)、抽出方法:ドリップ式抽出
EPEIOS直営ECストア、百貨店、家電量販店などで取扱い。
取材・文/阿部純子