一昔前から打って変わって、10月の代表的なイベントとして知られるようになったハロウィン。10月31日に渋谷に若者が集まる様子が報道されることも増えたが、コロナ禍以降そのような報道は減り、ハロウィンの楽しみ方が変化したことを感じている方も多いのではないだろうか。
TimeTree未来総合研究所はこのほど、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」ユーザーの予定動向をまとめた「未来データレポート」の10月版を発表し、ハロウィンのトレンドの変化を明らかにした。
コロナ禍で激減したハロウィンの予定は回復基調。2024年は2019年に比べ10代の予定数が激減する一方30代は約1.7倍に
はじめに、2019年から2024年の各年9月30日時点で登録されている「ハロウィン」を含む予定の数が、毎年どのように変化したのかを調べた。その結果、ハロウィンの予定数はコロナ禍を機に激減した後、2022年以降は回復基調となり、今年は2019年に迫る勢いになっていることがわかった。
一方で、より詳細に世代別で登録予定1万件あたりの「ハロウィン」を含む予定の出現数の推移を見ると、2019年には40代に続いて2番目に多かった10代の予定出現数が2021年以降は激減し、反対に30代の予定出現数は大きく伸びていることがわかった。
また、10月31日に入っている予定のランキングTOP10を世代別で見てみると、2019年と2024年では大きな変化が見えた。
2019年と2024年を比べると、10代のハロウィン関連の予定保有割合は総じて減少した一方で、30代ではハロウィン関連の予定の予定保有割合は増加する結果となった。
さらに、2024年の予定について、「〇〇ハロウィン」や「ハロウィン〇〇」など「ハロウィン」を含む予定の件数ランキングを調査したところ、「英語」や「保育園」「学童」といった子供に関連する単語が含まれるものが多く上位に来る結果に。
これらの結果から、主に10代の若者が楽しむイベントだったハロウィンはコロナ禍以降、小さな子供とその親が楽しむイベントに変わりつつあるという兆しが見えてきた。
海外と比べたハロウィン事情。日本の「ハロウィン」予定数は米英の1/3未満に留まる
最後にハロウィンの本場である欧米圏と日本を含むアジアでは、予定登録数がどの程度違うのかを、TimeTreeのユーザー数が多い6つの地域(日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・台湾・韓国)の2024年の予定データを比較することで検証した。
その結果、日本はアジアの中では予定登録数が多いものの、アメリカ・イギリス・ドイツでは日本を大きく上回る数の予定登録があり、文化の輸入元である欧米圏と日本を含むアジア圏とでは大きな開きがあることがわかった。
■TimeTree未来総研所長 深川泰斗氏コメント
ハロウィンの起源は、2000年以上前に古代ケルト人がケルトにおける1年の終わりである10月31日に行っていた収穫祭「サウィン祭」であると言われています。
ケルト文化はその後キリスト教文化に吸収されていきますが、お祭りの実態はそのままに11月1日にある祝日「諸聖人の日(All Hallow’s Day)」の前夜(All Hallows’ Evening)を略した言葉である「Halloween」として欧米を中心に多くの国に定着していったそうです。
日本では1970年代に原宿の雑貨店がハロウィンを取り扱ったことをきっかけに文化が流入し始め、その後大手テーマパークでもハロウィンをテーマにしたイベントを実施し始めたことで定着したと言われていますが、文化が定着し始めてからの年月の違いが、今回の調査結果で出た国ごとの予定数の違いを生んでいると考えられます。
一方で今回の調査結果からは、ハロウィンの予定数がコロナ禍以降上り調子に増えていることや、ハロウィンが小さな子供とその親が楽しむイベントに変わりつつある兆しが読み取れました。今後今ハロウィンを楽しんでいる子供達が大きくなり、親の世代になる頃には日本におけるハロウィンも今以上に世の中に普及しているかもしれません。
出典元:株式会社TimeTree
構成/こじへい