首都圏の中古マンション価格は、前月比および前年同月比でどれくらい増減しているのだろうか?
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、首都圏における「中古マンションの価格動向(2024年9月)」を公開した。
本調査は、同社の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボに調査・分析を委託したものだ。
首都圏8エリアの平均価格(前年同月比・指数の推移)
首都圏の1戸あたり平均価格は、前月比が+2.0%、前年同月比が+3.1%といずれも2カ月連続で上昇した。
エリア別の前年同月比は、東京都、神奈川県の4エリアが上昇した一方、埼玉県、千葉県の4エリアは下落した。中でも埼玉県他は13カ月連続、千葉県他は72カ月ぶりの下落となっている。
なお、東京23区、横浜市・川崎市の2エリアは2017年1月以降最高額を更新した。特に東京23区の上昇が目立ち、前年同月比は全8エリア最高の12.8%で、前年差額は635万円となっている。
■東京都(23区/都下)
23区の1戸あたり平均価格は5,615万円で前月比+3.2%と2カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を2カ月連続で更新した。また、前年同月比は+12.8%と上昇したが、これは築30年以内の全ての面積帯において平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
都下の1戸あたり平均価格は3,201万円で前月比+0.2%と上昇した。また、前年同月比は+0.1%と上昇し3カ月連続の前年同月超えとなっている。
■神奈川県(横浜市・川崎市/他)
横浜市・川崎市の1戸あたり平均価格は3,437万円で前月比+1.3%と2カ月連続で上昇し、2017年1月以降最高額を更新した。また、前年同月比は+0.9%と2カ月連続で上昇したが、これは築10年以内および築10~20年のシングル向きを除く築30年以内の物件において、平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
神奈川県他の1戸あたり平均価格は2,625万円で前月比+0.2%と2カ月連続で上昇した。また、前年同月比は+0.3%と3カ月ぶりに前年同月を上回った。
■埼玉県(さいたま市/他)
さいたま市の1戸あたり平均価格は3,295万円で前月比+1.0%と3カ月ぶりに上昇した。一方、前年同月比は-5.8%と9カ月連続で下落したが、これは築20~30年および築40年超のファミリー向きや、築20~30年の大型ファミリー向きなど、物件数割合の高い面積・築年帯において平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
埼玉県他の1戸あたり平均価格は2,449万円で前月比0.1%と3カ月ぶりに上昇した。一方、前年同月比は-3.6%と下落し13カ月連続の前年同月割れとなっている
■千葉県(西部/他)
西部の1戸あたり平均価格は2,800万円で前月比+0.4%と2カ月連続で上昇した。一方、前年同月比は-4.9%と11カ月連続で下落したが、これは物件数割合の高いファミリー向き・大型ファミリー向きにおいて、築30~40年および築40年超の築年が古い物件の平均価格が前年同月を下回ったことが一因となっている。
千葉県他の1戸あたり平均価格は2,048万円で前月比-1.3%と下落した。また、前年同月比は-0.9%と72カ月ぶりに前年同月を下回った。
首都圏外8エリアの平均価格(前年同期比・指数の推移)
<名古屋市>
平均価格は2,354万円で前期比は横ばいとなった。なお、前年同期比は-0.8%と4期連続で前年同期を下回った。
<大阪市>
平均価格は3,094万円で前期比+2.5%と4期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を3期連続で更新した。また、前年同期比は+4.9%と3期連続で前年同期を上回った。
<京都市>
平均価格は3,051万円で前期比+1.1%と2期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を2期連続で更新した。また、前年同期比は+3.9%と11期連続で前年同期を上回った。
<神戸市>
平均価格は2,246万円で前期比-1.2%と2期連続で下落した。なお、前年同期比は横ばいとなった。
<札幌市>
平均価格は1,943万円で前期比+0.6%と4期連続で上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を3期連続で更新した。また、前年同期比は+2.5%と4期連続で前年同期を回った。
<仙台市>
平均価格は2,103万円で前期比は横ばいとなった。なお、前年同期比は-1.5%と5期連続で前年同期を下回った。
<広島市>
平均価格は2,312万円で前期比-3.2%と2期連続で下落した。また、前年同期比は-4.0%と2期連続で前年同期を下回った。
<福岡市>
平均価格は2,255万円で前期比+1.5%と上昇し、2017年Ⅰ期以降最高額を更新した。また、前年同期比は+7.3%と27期連続で前年同期を上回った。
<調査概要>
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区代表取締役社長:鶴森康史)の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボ株式会社(東京都千代田区代表取締役社長:大武義隆)に調査・分析を委託し、アットホームが公表するもの。
◆対象エリア
【毎月公表】東京都(23区/都下)、神奈川県(横浜市・川崎市/他)、埼玉県(さいたま市/他)、千葉県(西部※/他)※千葉県西部:柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市
【四半期公表】札幌市、仙台市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市
※Ⅰ:1~3月期Ⅱ:4~6月期Ⅲ:7~9月期Ⅳ:10~12月期
◆対象データ
不動産情報サイトアットホームで消費者向けに登録・公開された中古マンション(重複物件はユニーク化)
◆定義
・本調査では、上記対象データの「1戸あたり登録価格(売り希望価格)」を「価格」と表記している。
・コメントでは、30m²以下を「シングル向き」、30m²~50m²以下を「カップル向き」、50m²~70m²以下を「ファミリー向き」、70m²超を「大型ファミリー向き」としている。
出典元:アットホーム調べ
構成/こじへい