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ハリー・ポッターの魔術学校はコレだった!?日本でも注目されている「ボーディングスクール」の気になる中身

2024.10.30

 世界的な大ベストセラーとなり、映画も大ヒットした『ハリー・ポッター』シリーズの世界を全く知らない人は、そう多くないでしょう。ご存じのとおり、その舞台となっているのがホグワーツ魔法魔術学校で、ハリーやハーマイオニー、ロンら魔法使いや魔女の生徒たちが、ここで寝食を共にしながらさまざまな魔法や魔術について学んでいきます。

 このような全寮制の学校は英語でボーディングスクールと呼ばれ、数はそれほど多くないものの、欧米の各地にあります。その歴史は古く、イギリスで15~16世紀にかけて創設された寄宿学校が基になっているとされています。

 このボーディングスクール、その歴史的経緯からかつては欧米にしかありませんでしたが、今ではアジアを中心に世界各国にそれらの分校が進出しています。日本にも数校のボーディングスクールがあり、英語を公用語にするなど日本の一般的な学校とは違った教育を行っていることから、大きな注目を集めています。

 そこで今回は、このボーディングスクールの特徴やそこで学ぶ利点などについて説明するとともに、私が3歳から高校生までの日本人のお子様向けに留学のサポートをしている、世界各国の有能な子女が学ぶスイスのボーディングスクールについてご紹介していきます。

イギリス王室の子息たちも学生時代をここで過ごす

 一般的な学校では、生徒は両親とともに自宅で生活し、そこから学校に通って勉強します。一方でイギリス発祥のボーディングスクールは全寮制で、生徒全員が両親と離れて学校の寮に住み、生徒たちはそこで寝食を共にしながら、昼間は学校の授業でさまざまな教科を学んでいきます。

 親と離れて生活することで自立心が養われ、礼儀や儀式、規則に関しても厳しい学校が多いことから、自制心や協調性、マナーが自然と身につきます。また、勉学だけでなく普段の生活も同級生たちと一緒であることから、コミュニケーション能力や公共の精神も磨かれていきます。

 イギリスでは王室や貴族の子息だけでなく、富裕層の子息の多くがボーディングスクールで学んでいます。例えば、チャールズ国王は、スコットランドにあるゴードンストウンというボーディングスクールを卒業しました。

 一方、チャールズ国王の子息であるウィリアム皇太子とヘンリー王子の二人は、名門ボーディングスクールの一つであるイートン・カレッジを卒業しています。また、ウィリアム皇太子の長男であるジョージ王子も、13歳になったら同じ学校に入学するのではと言われています。

 ボーディングスクールの生徒たちは「ハウス」と呼ばれる寮に入り、家に帰ることができるのは、基本的には学期の合間の休暇期間中、または1学年が終了して次の学年は始まるまでの間だけです(毎週末に帰宅することができる学校や、家から通う生徒を受け入れる学校もあります)。

 また、卒業生の多くはオックスフォード大学やケンブリッジ大学といった名門大学進学しており、将来のエリートや政治家を育てる学校となっています。

そこで得た人脈は、将来の大きな財産に

 ボーディングスクールは、発祥の地であるイギリスには有名な学校が数多くありますが、アメリカやカナダ、オーストラリアといった英語圏の他に、フランスやドイツ、スイス、オーストリアといったヨーロッパ諸国にも広がっています。

 その中でもスイスのボーディングスクールは、国際色が豊かなことが特徴です。イギリスやアメリカのボーディングスクールは自国の生徒が大半で、留学生の割合は多くても25%ほどなのに比べて、スイスの場合は生徒のほぼ全員が留学生です。しかも、それぞれの学校には少なくとも20か国、多いところでは120か国からの生徒が在籍しています。そのため、せっかく留学したのにクラスの同級生は同じ国から来た生徒たちばかりということがありません。

 スイスのボーディングスクールの場合、サマースクールやウィンターキャンプといった短期の留学もありますが、1年間を通して学んだ場合、昨今の円安の影響もあり留学費用は年間2000万円~3000万円ほどかかります。

 この高額な教育費を「投資」できる富裕層の子息が集まっているのがスイスのボーディングスクールで、世界中の「特権階級」の子供たちと寝食を共にし、学ぶことができます。利害関係のない子供時代に築かれた友情は、将来大きな価値となり、卒業後に世界中に広がる人脈は何物にも変えられない財産になります。これも、経済的・社会的に成功している富裕層の人たちが子息をスイスのボーディングスクールに留学させる大きな理由の一つでもあります。

多言語環境の中で学べるスイスのボーディングスクール

 もう一つ、スイスのボーディングスクールには、他の国にはない大きな特徴があります。それが言語です。たとえば、イギリスやアメリカでは英語が授業のメイン言語となりますが、スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、そしてロマンシュ語と4つあり、それが各学校の言語環境にも大きな影響を与えています。

 スイスの多くのボーディングスクールでは、英語が校内のメイン言語となります。しかしそれ以外にも、スイスの多言語という環境を活かし、英語、フランス語またはドイツ語のバイリンガルの学校や、フランス語やドイツ語が主体となるコースが用意されている学校もあります。

 たとえ英語がメインの学校だとしても、学校のスタッフは当たり前のように他の言語も話せますし、学校から一歩外に出れば、そこは多言語の社会で、学校がある地域でメインに話されている言語のシャワーを浴びることになります。このように、日常的に英語以外の言語も習得できる環境は、スイス留学の大きな利点の一つです。

 そして教育環境としても、スイスの大自然を活用したダイナミックなアクティビティは、日本では体験ができないものです。例えば、週末を活用しての登山やラフティングをすることもあれば、冬学期には週に数回アルプス山脈を望みながらスキーができたりします。日々の授業では、裏山に出かけていって、そこで森の生態系について学んだり、小学生が拾ってきたどんぐりを使って算数の計算をしたりといったことをしているところもあります。

 そして最後に、お子様の留学に関して、親御様にとってもお子様にとっても最も重要なポイントは、留学先の国の治安ではないでしょうか。その点でいえば、スイスの治安は世界トップクラスです。政治も経済も安定しているスイスには3歳という低年齢の留学生を受け入れるボーディングスクールもあり、離れて暮らす親御様が安心してお子様を任せられる安全性は大きなカギとなります。

 スイスのボーディングスクールで『ハリー・ポッター』のホグワーツ魔法魔術学校のように魔法や魔術を学ぶことはできませんが、そこには、それに勝るとも劣らない豊かな教育環境があるのです。

文/田山 貴子(たやま・たかこ)
「日本の子どもたちに、スイスの教育環境を活用していただきたい」という想いのもと、日本の子どもたちが将来、国際社会の中で、充実した生活を送ることができる成人になるための最適な教育環境を提供すべく、日本とスイスの架け橋をするなど、留学サポート活動を行っている。
https://swiss-ryugaku.com/
https://swiss-ryugaku.com/about-us/ceo-message

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