DIME MAGAZINE
HPは、米国で開催した年次イベント「HP Imagine」において、印刷の方法を変革する業界初のインテリジェントな印刷体験「HP Print AI」を発表した（※1）。
※1 2024年9月時点で人工知能の基準を満たし、印刷プラットフォームを持ち、家庭、オフィス、大判印刷の領域をカバーするインテリジェント・ソリューションに関するHPの社内分析に基づく。
「HP Print AI」は、プリンターの設定からサポートまでの一般的な課題を解消し、スムーズな印刷を実現する。「HP Print AI」初の機能となる「Perfect Output」は、印刷を毎回完璧な仕上がりにするものであり、一部の顧客に限定的なベータプログラムとして提供が開始される。
「HP Print AI」の機能は、創造性、生産性、コラボレーションの新たな可能性を引き出すことで、自宅や職場でのプリンティング体験を向上させる効果もあるという。
Perfect Output提供の背景とその特徴
印刷ジョブの過半数が、オンライン記事や、旅行書類、レシピ、ハウツーガイドなど、ウェブブラウザから実行（※2）されている。しかし、これまでウェブからの印刷では、無駄な余白や画像サイズの問題、不要なウェブ広告の挿入が生じていた。ウェブブラウザから印刷を行なうユーザーの多くが、この体験について「大いに不満」と評価している（※3）。
※2 Microsoftの印刷テレメトリデータ
※3 ネットプロモータースコアは–62
「Perfect Output」は、画面の表示内容と印刷したい内容との差を縮め、フォーマット調整とコンテンツの再編成をすることで、最初からページ内に確実に収まるようにしている。「Perfect Output」は、広告やウェブテキストなどの不要なコンテンツを検出し、必要なテキストと画像のみを印刷することで、時間、紙、インクの節約も可能にしている。
「HP Print AI」使用前：乱雑で見にくいウェブブラウザの印刷レイアウト
「HP Print AI」使用後：印刷オプションですっきりと見やすいレイアウトに
印刷頻度の高いスプレッドシートも、ユーザーの半数以上が文書を正確に印刷するのに苦労しているとの報告が寄せられている（※4）。「Perfect Output」は、表やグラフがページをまたいで印刷されないように、印刷用スプレッドシートを生成する。
※4：HPによる調査：Excel AI Print Add-In（2024年7月）。
「HP Print AI」使用前：Excelスプレッドシートが複数のページに分割されて印刷
「HP Print AI」使用後：スプレッドシートとグラフがきれいにフォーマットされる
■サポートのカスタマイズ
「HP Print AI」は、個々のユーザーに対するサポートの簡素化とカスタマイズにも対応する。プリンターの電源を入れた瞬間から、インテリジェントテクノロジーがユーザーのニーズを予測し、セットアップの手順を案内する。
「HP Print AI」は自然言語とコンテクスチュアル・アウェアネスを利用してユーザーの好みや過去の質問を記憶することで、ユーザーのは必要な時に、素早くカスタマイズされたサポートを受けられる。
■体験のパーソナライズ
「HP Print AI」を活用することで、写真がクリエイティブな作品へと手軽に早変わりする。シンプルな会話プロンプトを使用して、独自のレイアウト、カスタムスタイル、フォントをシームレスに統合し、様々なシーンに応じたパーソナライズグリーティングカードを作ることが可能だ。
また「HP Print AI」は、画像を自動で拡大し、不要なオブジェクトを取り除くことで、よくある印刷エラーを防ぐことができる。
デザインが完成したら、自分で印刷を行なうか、HPのパートナーリストからユニークな写真プリントやカードへのギフト券印刷などの多くのサービスを検討することができる。
■提供時期
「HP Print AI」は、一部のユーザー向けに「Perfect Output」機能を限定的なベータプログラムとして提供が開始される。
2025年、HPは「HP Print AI」機能を継続的にリリースしていく予定だ。国内での提供は未定。
構成／清水眞希
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