ビジネスシーンにおいて、メールは欠かせないコミュニケーションツールです。円滑に業務を進めるには、適切な返信が欠かせません。メール返信の基本ルールや引用の使い方、状況別の返信のポイントなどを紹介するので、実際の業務に生かしましょう。
ビジネスメール返信の基本ルール
ビジネスメール返信には、守るべき基本的なルールがあります。ルールを理解し適切に実践することで、プロフェッショナルな印象を与え、円滑なコミュニケーションを図れます。

ここでは、メール返信の仕方における重要な三つのポイントを見ていきましょう。
24時間以内に返信する
ビジネスメールの返信は、24時間以内に行うことが重要です。社内外問わず、迅速な対応は相手への敬意を示し、良好な関係を築くことにつながるためです。例えば、問い合わせに素早く返信することで、信頼関係を築き、ビジネスの機会を得られることもあるでしょう。
しかし、すぐに詳細な回答ができない場合もあります。そのようなときは、まず受信確認のメールを送り、具体的な返信期日を伝えることが大切です。相手に安心感や誠実な印象を与えられます。
なお、24時間以内というルールは、休日や深夜を除いた営業時間内での対応を意味します。ただし、緊急性の高い案件では、できる限り早い返信が求められるため、状況に併せて対応することが大切です。
宛先を使い分ける
適切な宛先の設定は、円滑なコミュニケーションと情報管理の基本です。『TO』『CC』『BCC』の役割を理解し、適切に活用する必要があります。
TOは返信を期待する相手に使用し、CCは関係者など情報共有をしたい人に使用します。BCCは他の受信者に知られずに送信したい場合に使います。
例えば、プロジェクトの進捗報告では、担当者をTO、上司をCCに設定することが多いでしょう。また、多数の顧客に送る際は、個人情報保護のためにBCCを使用します。
宛先の設定ミスは情報漏えいなどのリスクがあるため、送信前の確認が不可欠です。特にBCCとCCの間違いには注意しましょう。
件名は変更しない
メール返信時の件名は、原則として『Re:』を含め変更しないのがマナーです。件名を変更しないことで、受信者が一目でメールの内容を把握でき、業務の効率化につながります。過去のメール検索が容易になり、情報整理や管理がしやすいというメリットもあります。
ただし、やりとりが長期化すると、『Re:』が何度も重なり読みにくくなるため、3回程度を残し削除するとよいでしょう。また、途中で話題が大きく変わった際は、新しい件名を付けると、業務の効率化につながります。
引用返信の方法と注意点
メール返信において、引用は重要な役割を果たします。適切な引用方法を身につけることで、コミュニケーションの質が向上し、誤解を防ぐことが可能です。引用の使い分け方や注意点を詳しく解説します。
部分引用と全文引用を使い分ける
メール返信の引用には、『部分引用』と『全文引用』があり、それらを適切に使い分けることで、コミュニケーションの質が向上します。
部分引用は、特定の質問や論点に焦点を当てたい場合に効果的です。例えば、複数の質問が含まれるメールに返信する際、各質問に対する回答を明確にできるのがメリットです。
全文引用は、過去のやりとりを確認する頻度が高い場合や、複数人でメールを共有する際に役立ちます。プロジェクトの進捗報告や、CCに入っている関係者への情報共有に適しています。
それぞれの特徴とメリットを理解し、状況に合わせて使い分けましょう。
引用返信する際の注意点
部分引用する際は、誤解を生まないためにも、引用部分を明確に区別することが重要です。『>』や色分けを使用し、オリジナルのメッセージと自分の返信を視覚的に分けましょう。
引用部分を必要最小限に留め、引用と自分の返信部分を一行あけると、より読みやすくなります。また、元のメッセージの意図を正確に伝えるために、引用部分の文章や書式を変えないのがルールです。
引用部分に個人情報や機密情報が含まれていないか、確認することも重要です。不要な情報は削除し、セキュリティに配慮しましょう。
CCメールの返信と注意点
CCメールは主に情報共有や関係者への報告に活用され、ビジネスシーンでは欠かせない機能です。しかし、どのように対応したらよいのか、よく分からない人もいるのではないでしょうか?
そこで、CCメール返信の必要性や返信する際の注意点など、実践的な知識を解説します。
CCメールの基本的な扱い方
CCで受信したメールへの返信は、基本的に不要です。ただし、返信が必要かどうかは、内容によって判断する必要があります。単なる情報共有の場合は返信不要ですが、意見や確認を求められている場合は返信が必要です。
CCメールに返信する際は、元のCCリストをそのまま維持するのが一般的です。これにより、全関係者に情報が行き渡ります。ただし、返信内容によっては、CCリストの調整が必要なケースもあるため、臨機応変な対応が求められます。
CCメール返信する際の注意点
CCメールに返信する際は、確認漏れを防ぐことが大切です。また、CCでメールを受信した人は、優先事項ではないと判断し、読まない可能性もあります。重要事項などは、必要に応じて直接声を掛けるなど、フォローをしましょう。
また、確認漏れを防ぐためには、メールの冒頭にTOとCCを明記するのも効果的です。例えば、「TO:営業部 山田様、CC:総務部 鈴木様」のように記載します。これにより、誰が確認すべきなのかが明確になります。
状況別の適切な返信のポイント

ビジネスシーンでは、さまざまな状況に応じた適切なメール返信が求められます。お礼・謝罪・日程調整という三つの代表的なケースについて、それぞれの返信のポイントを紹介します。
お礼のメール返信
お礼のメール返信は、相手の気持ちに寄り添い、適切に感謝の意を伝えることが大切です。例えば、「ご丁寧なメールをいただき、誠にありがとうございます」という書き出しから始め、具体的に感謝の内容を述べるとよいでしょう。
また、お礼のメールには再返信が不要な場合が多いため、「本メールへの返信は不要です」といった一文を添えると親切です。ただし、相手との関係性によっては、冷たく感じられる場合もあるため、注意が必要です。
最後は、「今後ともよろしくお願いいたします」など、丁寧な締めくくりの言葉を使うとよいでしょう。
謝罪のメール返信
謝罪の内容にもよりますが、誠実で丁寧な対応が求められます。相手のミスで迷惑を掛けられたとしても、「次から気を付けてください」などと返信してしまうと、今後のビジネスに影響がでる恐れがあります。
特に今後も良好な関係を続けたい場合は、相手の気持ちや立場を考えて返信することが大切です。例えば、「ご丁寧にメールをいただき、ありがとうございます。今回の件は理解しておりますので、どうぞお気遣いなさらないでください」と、相手を思いやる文章にするとよいでしょう。
日程調整のメール返信
日程調整メールにできるだけ早く対応することは、信頼関係の構築や業務の効率化につながります。特に複数の関係者がいる場合は、返信の遅れが全体のスケジュールに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
相手から提示された候補日に問題がない場合でも、返信メールに日付と時間を再度明記することで、誤解や認識のズレを防げます。別日に調整してもらう必要があるときは、複数の候補日を提示すると、相手の選択肢が増え再調整もスムーズになります。
不明な点がある場合は、遠慮せずにしっかり確認しましょう。具体的な質問を通じて疑問点を解消することで、誤解を防げます。
メール返信はマナーを守り適切に行うことが大切
ビジネスメールの返信には、迅速な返信や件名を変えないなどの基本的なルールを守り、状況に応じた適切な対応が求められます。
また、引用返信を活用することで、より効率的なコミュニケーションが可能です。CCメールの場合は基本的に返信不要ですが、状況に応じて判断する必要があります。
お礼や謝罪、日程調整など状況別のメール返信のポイントを把握し、ビジネススキルの向上に役立てましょう。
構成/DIME編集部







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