ついにホンダから、軽商用車のN-VAN e:が登場し、街に走り出した。
配送業を中心とする企業、法人向けを基本とした1人乗り、タンデムの2人乗りのe:G、e:L2(ホンダの法人営業部、およびホンダのオンラインストアのリース契約のみ)、そして個人事業主、一般ユーザーの乗用ユースにも対応する4人乗りのスタンダードモデルe:L4、および仕事にもレジャーユースにも向くe:FUN(ホンダの法人営業部のリース契約/売り切り、およびホンダのオンラインストアのリース契約)の各グレードを用意している。
N-VAN e:はN VANをただ電気自動車化しただけではない
ベースは日本で一番売れているクルマ、ホンダN BOXの基本部分を用いた軽商用車のN VAN=ガソリンモデル。しかし、このN-VAN e:はN VANをただ電気自動車化しただけではない新装備やパッケージを備えた魅力溢れる、働き、楽しめる1台だ。なお、最大積載量は300kg。段ボール最大71個の積載も可能というから驚くべき大容量を備えている。
電気自動車で最初に気になるバッテリー容量は29.6kWh。いち充電航続距離はなんと245km。国内での電気自動車の普及に一役買った軽EVの日産サクラが、同20kWh、180kmだから、その差は歴然。ホンダのエコモードであるECONはここでは航続距離を伸ばすモードとして設定され、働く電気自動車として設定されるe:L4には外部給電機能付きの普通充電ポートがフロントに備わり、レジャーユースをも想定したe:FUNには普通充電ポートと急速充電の2ポートが用意されている。
室内、とくにインパネ回りはN-VAN e:専用だ。メインスイッチはプッシュボタン式となり、メーターもフルデジタル仕様となる。パワーウインドーのスイッチの配置も独自で、より手の届きやすい場所に移されている。シフトセレクターもレバー式から先進感あるプッシュボタン式(レジェンドとNSXから採用)に改められているのだから、軽商用車にして先進感もたっぷりだ。残念ながら、パーキングブレーキは足踏み式のままだったが(プッシュボタン式シフトセレクターとの組み合わせで違和感あり!?)・・・。
車内のスクエアな大空間は、働くクルマとして定評あるN VANとまったく同じ。スライドドア部分の開口寸法は、助手席側開口部高1230mm、フロントドアを開けたときの開口幅1580mm。テールゲート側はフロア地上高540mm、開口高1300mm、幅1390mm(4名乗車時)、2名乗車時助手席側フロア奥行き1585mm、最大フロア奥行き2645mm、天井高1370mm・・・と、とにかく広い、積める、である。サイドパネルをコンテナ型縦リブデザインとし、幅方向にさらなる余裕を持たせ、タフさも万全。ここではレジャーユース、アウトドアカーとしても活躍必至のN-VAN e: FUNにフォーカスを当てるが、N VAN同様にレジャーやアウトドアの荷物をたっぷり積めることは言うまでもなく、もちろん、車中泊にも対応する。
付け加えれば、シートアレンジ時に外すヘッドレストの収納にもぬかりなし。細部にまでアイデアが溢れている!!