ボジョレーヌーボーの歴代キャッチコピーや、2024年の解禁日、豆知識を解説! 今年のボジョレーヌーボーを待ち望んでいる方はぜひチェックしてほしい。
目次
毎年秋ごろに話題となるボジョレーヌーボーには、キャッチコピーが存在するのをご存知だろうか。ボジョレーヌーボーはフランスのボジョレー地区で生産されるワインで、その年に収穫したブドウを使って醸造した新酒ワインを指す言葉だ。毎年発表されるユニークなキャッチコピーが面白いと評判を呼び、ボジョレーヌーボーの話題を大いに盛り上げている。
そこで今回は、ボジョレーヌーボーの歴代キャッチコピーを紹介する。2024年のボジョレーヌーボー解禁日や、ボジョレーヌーボーに関する豆知識にも触れているので、今年のボジョレーヌーボーを待ち望んでいる方はぜひチェックしてほしい。
ボジョレーヌーボーとは
ボジョレーヌーボーという言葉を耳にしたことはあっても、説明を求められると難しく感じる方も少なくないだろう。まずはボジョレーヌーボーの概要について説明する。
■ボジョレーヌーボーの基礎知識
ボジョレーヌーボーは、フランス南東部のブルゴーニュ地方の南に位置するボジョレー地区で収穫された、「ガメイ」というブドウから造られた新酒ワインを指す言葉だ。「ボジョレーの帝王」と称されるジョルジュ・デュブッフ氏によって各国に広まった。
地名の「ボジョレー」に続く「ヌーボー」は、フランス語の「Nouveau」で「新しい」を意味する言葉。ヌーボーはワイン業界において、その年に収穫されたブドウから造られたワインを指す言葉として使用されている。
ボジョレーヌーボーは「ボージョレ」「ヌーヴォー」「ヌヴォー」といった微妙に異なる表記がされることもあるが、これは発音の違いであり、基本的な意味は変わらない。
■2024年のボジョレーヌーボー解禁日
日本でボジョレーヌーボーが解禁されるのは、毎年11月の第3木曜日。2024年のボジョレーヌーボー解禁日は11月21日(木)だ。
解禁日の前後はワイン売り場で特設コーナーを展開する販売店も多いため、今年の出来が気になる方は、解禁のしばらく前からチェックするのも良いだろう。キャッチコピーもワイン解禁の少し前に発表されることが多いため、ぜひチェックしてほしい。
ボジョレーヌーボーはキャッチコピーにも注目
ボジョレーヌーボーの独特なキャッチコピーは、毎年多くの人の注目を集めている。ここでは、ボジョレーヌーボーのキャッチコピーの特徴を解説しよう。
■ユーモアのある言い回しが特徴
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーでは、その年のワインの特徴をユーモアのある言い回しで伝えているのが特徴だ。その言い回しがネット上でも話題を呼び、人気を博している。
とにかくべた褒めすることが最大の特徴で、「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」のように、過去の傑作を引き合いに出しつつほめちぎるのだ。
■キャッチコピーには2種類ある
実はボジョレーヌーボーのキャッチコピーは2種類存在する。
一つ目はボジョレーワイン委員会公式のキャッチコピー。現地フランスのボジョレーワイン委員会がその年のブドウを評価し、それをもとにフランス食品振興会(SOPEXA)がキャッチコピーを発表している。「並外れて素晴らしい年」「エレガントで味わい深く、とてもバランスが良い」のように、ワインの評価を冷静に下している特徴がある。
二つ目は公式のキャッチコピーを和訳したものを参考に、日本の販売業者が作成するキャッチコピーだ。日本人の関心をより強く惹けるように、独特の言い回しで表現している。
「我がワイン人生最良のヌーヴォー」「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」のように、あらゆる視点から賞賛の言葉を贈るのが特徴。また、「フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい」のように、味わいや香りを独特の言い回しで表現しつつ、比喩表現を織り交ぜてイメージを膨らませてくれる。
【一覧】ボジョレーヌーボーの歴代キャッチコピー
ここで、ボジョレーヌーボーの歴代キャッチコピーをまとめて紹介しよう。ボジョレーワイン委員会のキャッチコピーと販売業者のキャッチコピー、それぞれを対比しつつ両者の違いを存分に楽しんでほしい。
なお、今回は2002年から2022年までのキャッチコピーを取り上げている。
■ボジョレーワイン委員会のキャッチコピー
- 2002年 色付きが良く、しっかりとしたボディ
- 2003年 並外れて素晴らしい年
- 2004年 生産者の実力が表れる年
- 2005年 59年や64年、76年のように偉大な年の1つ
- 2006年 とてもうまくいった年
- 2007年 果実味豊かでエレガント
- 2008年 フルーツ、フルーツ、フルーツ
- 2009年 数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年
- 2010年 果実味豊かで、なめらかでバランスの取れた
- 2011年 3年連続で、偉大な品質となった
- 2012年 心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた
- 2013年 繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ
- 2014年 エレガントで味わい深く、とてもバランスが良い
- 2015年 記憶に残る素晴らしい出来栄え
- 2016年 エレガントで、魅惑的なワイン
- 2017年 豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい
- 2018年 17年、15年、09年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう
- 2019年 天候などの条件は厳しかったが、有望で生産者のテクニックが重要な年
- 2020年 非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり
- 2021年 挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー
- 2022年 太陽に恵まれたヴィンテージ 果実味とストラクチュアの完璧なバランス
【参照】NISHIHARA ONLINE STORE|ボジョレー・ヌーヴォー解禁! ワインとおつまみで乾杯しよう
■販売業者のキャッチコピー
- 2002年 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来
- 2003年 110年ぶりの当たり年
- 2004年 香りが強く、なかなかの出来栄え
- 2005年 ここ数年で最高
- 2006年 今も語り継がれる76年や05年に近い出来
- 2007年 柔らかく果実味豊かで上質な味わい
- 2008年 豊かな果実味とほどよい酸味が調和した味
- 2009年 50年に1度の出来
- 2010年 50年以降最高の出来と言われた09年と同等の出来
- 2011年 100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え
- 2012年 史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか
- 2013年 みずみずしさが感じられる素晴らしい品質
- 2014年 近年の当たり年である09年と肩を並べるクオリティ
- 2015年 我がワイン人生最良のヌーヴォー
- 2016年 エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい
- 2017年 フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい
- 2018年 理想的な条件のもと、すばらしいヴィンテージへの期待高まる
- 2019年 バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン
- 2020年 極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ)
- 2021年 採れたてのいちごにかじりついたような味わい
- 2022年 濃い色調と豊かな香りを備えた、傑出したヴィンテージ
【参照】NISHIHARA ONLINE STORE|ボジョレー・ヌーヴォー解禁! ワインとおつまみで乾杯しよう
ボジョレーヌーボーに関する豆知識
ここからは、ボジョレーヌーボーをより深く楽しんでもらえるよう、ボジョレーヌーボーに関する豆知識を紹介する。
■ボジョレーヌーボーの歴史
ボジョレーヌーボーを現地ボジョレーの住民が楽しみ始めたのは、1800年代とされている。その後、1951年にフランス政府によって公式に販売が認められ、1960年代にフランス国内で広がっていった。
世界的にボジョレーヌーボーが広まったのは1970年代。その後、日本ではバブルによる好景気の影響も相まって人気が増していき、現在でもボジョレーヌーボー最大の輸出国となっている。
■ボジョレーヌーボーの解禁日が決められた理由
ボジョレーヌーボーの解禁日が決められたのは、ワイン販売業者がボジョレーヌーボーの早期販売を試みたことが背景となっている。業者が早期販売をしようとした結果、十分なクオリティが担保できていないワインが市場に出回るようになり、ボジョレーヌーボーの評判を下げることが懸念されるようになった。
この問題を解決するため、1967年にフランス政府主導でボジョレーヌーボーの解禁日が11月15日に設定された。その後1985年にはフランスにおける安息日を避けるため、11月の第3木曜日がボジョレーヌーボーの解禁日となり、現在に至っている。
解禁日の設定によって、ワイン生産者が公平な条件でボジョレーヌーボーを売り出す環境が整備された。
■ボジョレーヌーボーが日本で人気になった理由
日本でボジョレーヌーボーが人気になった理由には、ボジョレーヌーボーの解禁時間が関係している。日本はボジョレーヌーボーが世界最速で解禁される国の一つで、時差の関係もあり、フランスよりも約8時間早くボジョレーヌーボーを解禁可能だ。
数時間の差ではあるが「本場のフランスよりも早く、世界最速でボジョレーヌーボーが飲める」というキャッチコピーは、日本のボジョレーヌーボー人気に大きく貢献している。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部