お心遣いの言い換え表現
ビジネスパーソンは、相手や状況に応じた適切な表現を使う必要があります。類語やほかの表現方法を知ることで、コミュニケーションがより円滑になるでしょう。ここでは、『ご高配』『ご厚情』『ご厚意』という三つの表現を紹介します。
■ご高配
ご高配は、相手からの配慮に対して、敬意を表す非常に丁寧な表現です。お心遣いよりも格式高く、取引先や顧客との公式なやりとりで使用されます。自分と近しい上司や同僚に使うと、違和感を与える点に注意が必要です。
例えば、取引先への年賀状には、『旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました』というフレーズが用いられます。ビジネス文書やメールのあいさつ文では、『平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます』の定型句が使われます。
相手の心遣いを最大限に尊重する表現として、重要な場面で活用しましょう。なお、ご高配は書き言葉であり、日常会話の中ではほぼ使用しません。
■ご厚情
ご厚情は、相手からの厚い情けを表す言葉です。お心遣いよりも、さらにかしこまったニュアンスがあり、日常会話ではほとんど使われません。
『今後も変わらずご厚情賜りますよう、よろしくお願い申し上げます』や『貴社のご厚情に深く感謝申し上げます』のように、取引先に感謝を伝える際や式典のスピーチで用いられるケースが多いでしょう。
ご厚情は受け身の形でのみ使用し、『ご厚情してください』『ご厚情願います』といった表現は不適切です。『深いご厚情』のように、意味が重複する表現も避ける必要があります。
■ご厚意
『ご厚意』は、相手からの思いやりや親切を表す言葉です。お心遣いと同様に、相手から金品を受け取ったときにも使えます。
謝意を伝える際には『ご厚意痛み入ります』や『ご厚意に甘えて、ありがたく頂戴いたします』といった表現が適切です。
相手に断りを伝える場合は、『せっかくのご厚意ですが、今回はお断りいたします』と伝えましょう。相手の気持ちに配慮しながら、より丁寧に断れます。
決意表明の際は、『ご厚意に報いるべく、より一層励んでまいります』といった形で使います。感謝の気持ちと共に、前向きな姿勢を示せるでしょう。
お心遣いの意味と活用シーンを理解しよう
お心遣いは、ビジネスシーンをはじめとするさまざまな場面で使われます。お気遣いと混同されやすいですが、ニュアンスが微妙に異なります。
相手や場面に応じて適切に使い分けることで、コミュニケーションがより円滑になり、良好な人間関係が築けるでしょう。
代表的な言い換え表現には、ご高配やご厚情などがあります。それぞれの言葉の意味や違いを確認するだけでなく、例文やフレーズを覚えておくことも大切です。ビジネスパーソンとして、語彙力を高めていきましょう。
構成/編集部