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FIREするために資産運用を始める人が失敗しがちな3つのポイント

2024.10.26

大人世代の資産運用増加を背景に、FIREを目指す際の注意点を紹介。専門家によると、知識不足のまま退職したり、生活費を見誤ったり、FIRE自体が目的化してしまうことが失敗例として挙げられる。対策としては、資産運用の基礎を学び、ライフプランニングを行い、FIRE後の目的を明確にすることが重要となる。

資産運用を始める大人世代が増えている。

将来に備えるのはもちろんのこと、FIRE(早期退職)のために資産を増やす一手段として取り組むのも良いのではないだろうか。ただし、FIREのために資産運用を進める際には、注意点がある。そこで今回は、FIREを目指す人向けに、専門家のアドバイスを紹介する。

4割以上が「今年から資産運用を始めた」と回答

金融教育サービスを行う株式会社Challengerが、2024年上半期(1月31日~6月30日)に、現在、資産運用や投資を行っている全国のミドルシニア世代の男女300名を対象に資産運用に関する実態調査を実施した。

その結果、2024年1月から6月までの期間で、初めて資産運用を始めた人の割合は43.3%にものぼった。新NISA制度が始まり、メディアでも話題となったこともあり、投資意欲が高まった人が多くいるようだ。政府が打ち出す「貯蓄から投資へ」の浸透も背景にある。

現在実施している資産運用を尋ねたところ、「株式投資(62.3%)」次いで、「NISA(54.7%)」「投資信託(44.7%)」となった。

自身の資産運用に関してどう変化があったかについては、下図の通り「資産運用に充てる金額を増やした(30.3%)」が最も多い結果となった。その他、「情報収集する量を増やした(21.7%)」や「NISA制度を始めた(19.3%)」も上位となった。

また、自身の資産運用に影響を及ぼしたものについて聞いたところ、「為替の動向(46%)」が最も多い結果となり、そのほか、「日本株価の上昇(39.7%)」「物価の上昇(36.3%)」も上位となった。世の中の動向から見ても、今年は資産運用を後押しする空気が高まっていることが分かる。

FIREのために資産運用をはじめる人必見! 失敗しがちなポイントを押さえよう

資産運用によってFIREを目指すためのポイントについて、ファイナンシャルプランナーから証券外務員、生命保険・損害保険募集人、投資家まで多数の肩書きを持つ株式会社 Challenger代表取締役の鳥海翔氏にアドバイスしてもらった。

鳥海 翔氏
株式会社 Challenger 代表取締役
ファイナンシャルプランナー、証券外務員、生命保険・損害保険募集人、投資家。
2つの会社を経営。初心者でも学びながら無理なく実践できる金融・家計改善プログラム「Private Bank College」を運営するほか、企業での金融教育の講師などをつとめる。
2024年7月現在YouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」は登録者数16万人を越える。

YouTubeチャンネル:「鳥海翔の騙されない金融学」

FIREのための資産運用で失敗しがちな3つのポイント

鳥海氏に、まずは資産運用によってFIREを目指すときの失敗しがちなことを3つ挙げてもらった。

失敗1.資産運用に関する知識がないまま退職してしまう

「資産運用をした結果、資産が増えるか増えないかは、少なからず『運』の要素があります。特に短期での運用の場合、運よく資産が急増し、もしかしたら自分は資産運用の才能があるのかもと勘違いをしてしまうことがあります。

知識不足、経験不足でもたまたま資産が急増することはありますが、一時的なものであり、勝ち続けることはできません。大きく負けてしまったときの損失はなかなか取り戻せません。退職するまでに、資産運用の知識と経験を積んでおくことが大切です」

失敗2.十分な見通しが立っていないのに仕事を退職してしまう

「思った以上に人生は長いことに加えて、いま物価上昇が続いています。自分では十分な資産があるつもりでも、世の中の物価水準が上がり続けたとしたら、足りなくなってしまう、ということは大いに考えられます。

もし退職後、すぐに『今のままでは資金不足になる』とわかったとしても、一度会社を退職してしまうと、思うような再就職ができるとは限りません。年齢とともに好条件の企業で働くことはむずかしくなってきます。退職のタイミングは慎重に決めることを、おすすめします」

失敗3. FIREすること自体が目的になってしまう

「FIREの目的が、仕事が嫌だから、働くことが嫌だからといった理由だと、仮にFIREすることができたとしても、ただのつまらない人生になってしまう可能性が高いです。FIREすること自体が目的にならないよう、注意が必要です」

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