「埼玉モデル」は全国に波及するか?
ここで一度、話を整理しよう。
運転免許証更新手数料のキャッシュレス対応に踏み切った都道府県は、以下の3パターンに分かれているようだ。
1.完全キャッシュレス化、窓口での現金決済には対応せず
2.収入証紙を廃止、現金対応窓口を設ける
3.キャッシュレス決済対応を行いつつ、収入証紙販売を継続
こうして箇条書きしてみると、1を選んだ埼玉県は極めて先鋭的な選択をしたことが理解できる。だが、その一方で埼玉県のキャッシュレス決済対応には市民から不満を持たれていた点もあった。窓口で利用できるクレジットカードブランドが、VisaとMastercardしかなかったのだ。
しかし、9月3日の大野元裕埼玉県知事の記者会見で、新たにJCB、American Express、Diners Clubの利用が可能になることが明かされた。遅ればせながら、5大国際ブランドがようやく出揃ったのだ。
ただし、埼玉県の先鋭的な取り組みが今後の日本のスタンダードになるかといえば、それは厳しいだろう。日本の自治体は本質的にユニバーサルサービスを標榜する組織で、実態はどうあれ「誰一人取り残さない」ことを強く意識する。
その考え方に立てば、現金決済に対応できる手段もしくは窓口は用意しておくべき……という結論になっていくはずだ。
【参考】
手数料のお支払いは、原則キャッシュレス決済となります-埼玉県警察
警察手数料の納付方法の変更について-京都府警察
【静岡県民に朗報】キャッシュレス決済ができる施設が増えました!-ふじのくにメディアチャンネル
知事記者会見 令和6年9月3日-埼玉県
文/澤田真一
支払いがスピーディでポイントが貯まるなどのメリットがあり、利用者が増加しているキャッシュレス決済。一方で、現金派も根強く残っている。 そんな中、モデル百貨はこの...