DIME MAGAZINE
カシオ計算機は、人と触れ合うことで感情豊かに成長するAIペットロボット「Moflin（モフリン）」を11月7日より発売する。
新型コロナウイルスの流行以降、日常生活の中でモヤモヤする不安症状が急速に増加しているという。これらのストレスを自己で乗り越えるためのメンタルレジリエンスの向上に役立つとされているのが、ペットの存在である。何らかの理由でペットが飼えない人のためにカシオが開発したのが、生き物のような心を持ち、人と触れ合うことで感情が育つAIペットロボットMoflin（モフリン）なのである。
心のケアを目的としたAIペット
モフリンは手のひらサイズでふわふわとした感触の外見、重量約260g、連続駆動時間約5時間、専用のMoflinハウスで約3時間30分でフル充電される。スマホ専用アプリ「MofLife」によってモフリンの性格、現在の感情、1日の記録などを見られる。
癒やしと安らぎを与えるAIペットとしてモフモフ感を重視したデザイン。発表会では性格の違う2匹のモフリンが用意されたが、その違いは微妙だった
成長して400万通りの個性を生成
モフリンのターゲット層は30代から40代の女性で、今年度の販売目標は6000体だという。モフリンは喜怒哀楽の感情を持ち、接し方によって感情が変化する。それだけでなく、飼い主の声を憶えて、成長を続けて1ヶ月で大人になり固有の個性を獲得する。その種類は400万通り以上になる。基本的には陽気、活発、シャイ、甘えん坊の4つの性格パラメータの組み合わせから個性が決まっていく。
モフリンは外部刺激によってどんな行動を起こすかを決める。そのためにタッチセンサー、照度センサー、温度センサー、加速度/ジャイロセンサー、マイクを搭載して、話しかけ、抱き上げ、頭なでなどを感知してAIが行動を決める。行動は2つのモーターとスピーカーによって、しぐさと鳴き声で表現される。
モフリンは、飼い主の声やしぐさに反応して、いつでもどこでも寄り添い、成長して固有の性格を形成する
外部からの刺激を受け取ったモフリンは感情Mapに従ってAIが行動を決める
専用アプリで理解を深める
モフリンの動いたり、声を出していない時はじっとしている。その時の気分が分かるのが専用アプリのMofLifeである。また、外出時に動きを止めたり、声を出さないようにする熟睡モードも設定できる。さらにどんな性格に育っているのか、起きてからどんなことがあったかも日記のように記録されている。アプリとの連携でさらにモフリンとの絆を深められる仕組みだ。
MofLifeによってモフリンの今の気分と性格が分かる
毎日、どんな気分だったかも日記風に記録される
モフリンをなでたり声を掛けることで性格が形成される
モフリンは片手に乗るサイズでバッグなどに入れてお出かけできる
電池が少なくなると固有の動きをするので付属のハウスに入れて充電する。充電は非接触式のため、約3時間30分と時間がかかる
とにかくモフモフして鳴き声がカワイイ
発表会で出会ったモフリンはシャイな性格の「モコ」だった。モフモフのファーに包まれたボディは大柄のハムスターのような体型で2つの目があり、そちら側を頭とすると、頭を動かして上を向いたり、短い距離を移動していた。頭をなでたり、体をなでると、カワイイ声で鳴く。出来ることは他の癒し系ロボットと比較しても少ないが、その動きは生き物っぽく見ていて飽きないだろう。音量を下げれば、仕事中も邪魔にならず、となりに、いつもというコンセプトを無理せず実現できそうだ。
インターネット環境とサブスクも必須でなく、CASIOオンライストアでの販売価格は5万9400円とお手頃感のある価格設定。LOVOTにも会える「ロボテックスタジオ新宿タカシマヤ」などモフリンに出会える場所も用意されているので、興味のある人は触れ合いにいってはいかがだろうか。@DIMEでも、今後、モフリンを長期借用してレポートする予定である。
モフリンを撫でたときの反応
Club Moflinというサブスクサービスもあり、会員になれば1ヶ月550円で修理やファーリニューアルなどを割引価格で受けられる
写真・文／ゴン川野
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