各国の2024年8月の消費者物価指数(前年同月比)は、日本2.8%、フランス2.2%、スペイン2.3%と一時期に比べ落ち着きを見せている。しかし日本では依然として、賃金の伸びが物価上昇に追いつかない状況が続いている。そのため、節約を目的として生活費を切り詰めている人も多いのではないだろうか?
そんな中、エデンレッドジャパンは、エデンレッドグループが日本を含む世界22か国49,990人のビジネスパーソンを対象に物価上昇とビジネスパーソンのランチの傾向について調べたグローバル調査「FOOD Barometer 2024」の結果を発表した。
世界で最も食料品の節約意識が高い国は、日本
日本が節約を意識していると回答した割合が1番多かった費目が、「食料品」。世界平均の約2倍となる81%ものビジネスパーソンが食料品の節約を意識しており、世界で最も食料品の節約意識が高い国となった(昨年は2位)。
一方、他国は昨年から引き続き、衣料品(84%)、旅行・レジャー(83%)とおしゃれや娯楽に対する節約意識が高く、食料品(43%)、光熱費(50%)はさほど高くない傾向に。日本、世界ともに食料品の物価上昇は落ち着きを見せていることから、日本は特に、生活が苦しくなると食や光熱費など生活に直結する費目から抑える傾向にあることがうかがえる。
日本のビジネスパーソンの約8割が、今後「食料品」が値上がりすると強く感じており、世界平均の約1.4倍と高い数値に
今後値上がりすると思う費目について聞いたところ、日本で1番多かったのは、「食料品」で75%。昨年から引き続き、他国と比較しても高い数値となった。日本の調査が行われた9月は、秋の値上げラッシュが始まったタイミングであり、10月には食料品の値上げも控えていたことから、高い数値につながったと推察される。さらに日本は、食料品だけでなく、光熱費、交通、衣料品といったほとんどの費目で世界平均を超えており、節約志向が高い国だと言えそうだ。
ランチ選びの基準、日本は世界各国と比較し、料理の質や健康面を重視する人が顕著に少ない傾向
日本人がランチを選ぶ際に重視していると回答した割合が多かった項目は、「立地(44%)」、「食事の価格(44%)」という結果になった。昨年から引き続き、「料理の質(25%)」、「健康的なメニューの提供(17%)」の割合は、他国と比較しても顕著に低い結果であり、ビジネスパーソンの食への健康意識が課題となっている。
物価上昇が続き、ランチの質低下が長期化すれば、健康への悪影響も懸念され、結果的に組織・企業のパフォーマンス低下につながる恐れもある。このような時だからこそ、企業による食をはじめとする従業員への生活支援が重要となってくるのではないだろうか。
日本でフードロスに対し強い関心を持っている人はわずか4割
昨年から引き続き、今回の調査でも年々意識が高まるフードロスについて調査した。フードロスに関心があるか聞いたところ、「はい」と回答した日本人はおよそ4割(41%)。一方、他国では、「はい」との回答が8割以上にのぼる国も多く、世界平均は7割以上(72%)となった。
10月は「食品ロス削減月間」。現在、外食の際の食べ残しを衛生的に持ち帰るためのガイドライン作成に向けた検討会が厚生労働省で開かれるなど、日本でもフードロス削減に向けた取り組みは活発化している。しかし世界と比較すると、日本でフードロスに関心を持つ人はまだまだ少なく、節約志向の高まりがフードロスへの関心を持つ余裕の無さに、さらに拍車をかけている可能性も考えられる。
■株式会社エデンレッドジャパン 代表取締役 天野総太郎氏のコメント
今年に入り、物価上昇率は落ち着きを見せているものの、日本では3%近くの水準で高止まりしています。今回の調査結果では、各国と比較しても日本人の「食料品」への節約意識の高まりが色濃く見受けられ、ビジネスパーソンの食への影響が懸念される結果となりました。
今後の食料品の値上げりに関しても懸念する日本人が未だ多い状況。物価高の影響により、食事も質ではなく価格を重視せざるを得ない状況下にあり、栄養面が二の次となっています。昨年から同様の傾向が続いており、長期化することによる健康への影響が心配されます。
そのような中、従業員のサポートとして生活支援系(食事補助/住宅手当など)の福利厚生のニーズが、急拡大しています。弊社の食事補助サービス「チケットレストラン」の新規導入企業数も2021年比で646%まで増加。企業は今、持続的な成長を果たすためにも、「人への投資」の考えのもと従業員が健康で長く働き続けられる環境の整備が求められているのではないでしょうか。
<調査概要>
調査名 : FOOD Barometer 2024
調査主体: 株式会社エデンレッドジャパン含むエデンレッドグループ
調査方法: WEBアンケート方式
調査期間: 2024年9月
調査対象:世界22か国49,990人のチケットレストラン導入企業の従業員及び1,491人のレストラン経営者
※対象国は日本、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ベルギー、ポルトガル、スウェーデン、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロバキア、フィンランド、ブルガリア、ポーランド、トルコ、ギリシャ、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルー、ウルグアイ
出典:エデンレッドジャパン調べ
構成/こじへい