メッシュを活⽤したアイデア製品を開発するtantore(タントレー)株式会社は、世界初となる、⾆の筋⾁を鍛えるシート状グミ「タントレシート」の本格的な発売を2024年10⽉21⽇より開始した。
価格は100枚⼊り9990円(税込)から。tantore WEB サイト(https://www.amimesh.net/SHOP/368263/list.html)にて販売される。
開発の背景
近年、国内患者数 900万⼈(世界9億6 千万⼈)といわれる無呼吸症候群(SAS…SleepApnea Syndrome)や、特に後期⾼齢者の死亡原因上位となっている誤嚥性肺炎等、⾆の筋⼒低下が要因の⼀つ⾔われる病気がクローズアップされている。
そこで同社では「無呼吸症候群や誤嚥性肺炎は⾆の筋⼒低下が⼤きく影響しており、⼀⽅で ⾆の筋⼒トレーニングには継続性のある商品がない」と⾔う医師の意⾒をヒントとして、⼤学とも連携しながら(※1)⾆の筋⼒を継続的に鍛える商品開発に着⼿。
ガムや飴タイプ等100 以上の試作品を経て、⾆を動かしてもなかなか溶けないシート状のグミ「タントレシート」の完成に至ったという。
■⼝蓋に貼り、⾆先で舐め溶かすだけで5分程度のトレーニングが可能
この「タントレシート」とは植物性ゼラチンのシート状グミで、これを⼝蓋に貼り、⾆先で舐め溶かすだけで5分程度のトレーニングが可能。
ブドウのフレーバー(今後、様々な味を追加予定)で「おいしさ」という価値をトレーニングに取り⼊れ、しかも「かんたん」な使⽤⽅法で「いつでも」使えるため、⾼い継続性を維持することができる、と同社では説明している。
実際、2022年9⽉のプレ発売では3⽇間で⻭科医院等より10万枚の発注を受けたほか、2024年2⽉には、愛知県が主催する、”先進的なサービスを提供している事業者を対象に優秀な成功事例を選考・表彰する”「あいちサービス⼤賞」知事賞(最⾼賞)を受賞する等、社外からも⾼い評価を得ている。
そして今回、商品⽣産体制が整ったことにより、本格的な販売が開始されることになった。
■聖隷クリストファー⼤学 有薗信⼀教授 コメント
⾼齢者⼈⼝の増加に伴う諸問題の⼀つとして、加齢によって⼝腔機能が低下するオーラルフレイルや、嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎が問題視されています。また、⾆⾻上筋群などの嚥下機能に関連する嚥下筋のサルコペニアが指摘され、嚥下筋に対する運動療法の必要性が⾼まっています。tantore 社開発のシート状グミはこれまでにない新たな嚥下筋のトレーニング⽅法です。
我々の研究で、健常者において最⼤⾆圧、嚥下機能、滑⾆の向上に有効であることが⽰唆されました。また、シート状グミを⽤いたトレーニングは⾼い実施率であり、有害事象もなく、適度な負荷で⼿軽に楽しみながら継続できるトレーニング⽅法であることが実証できました。
我々の研究室では今後もtantore 社との共同研究を継続し、⾼齢者などを対象にした研究や顔⾯の表情筋などへの美容効果に関する研究を実施していきます。
「タントレシート」の商品概要
商品名/tantore sheet(タントレシート)
商品特徴/⾆を継続的にトレーニングするためのシート状グミ。「⾆をトレーニングするため、上あごにシート状グミを貼り付け⾆を動かして溶かす」というビジネスモデル特許を取得。
※特許:特願 2020-506633 公開番号 WO2019/177071 商標:2020-76470、76471 PCT/JP2019/10429
成分/ゼラチン、プルラン、クリスパタス菌(乳酸菌)キシリトール、天然⽢味料
味/ブドウ味(モモ、イチゴ、ヨーグルト、ジャスミンティーの各味が追加される予定)
使⽤⽅法/上あごの出来るだけ奥の⽅に貼付けるだけ。フィルムの中にあるシート 状グミを⾆を(できるだけ早く)動かして溶かす。
※シート状⾷品が積層されているため、溶けにくく、溶かし切るまでに5 分程度必要
摂⾷⽬安/1⽇2枚(⼝内細菌を減らす効果のある成分が含まれているため、⾷後の摂取を推奨)
仕様/⼝腔内⽤溶解シート(厚さ:約150μm)
サイズ/20×30mm アルミ個包装
賞味期限/製造より2年間
(※1)⼤学との共同研究によるエビデンス取得
同社は、無呼吸症候群は東京医科⻭科⼤学と、誤嚥性肺炎は川崎医科⼤学と共同研究を進め、⾆を動かすだけで⾆筋が鍛えられるエビデンスを取得致した。
※共同研究期間︓2週間(2回/⽇)。また、嚥下障害に関して、川崎医科⼤学との共同研究により、⾆の筋⼒が鍛えられれる効果が実証され(訓練期間︓1⽇3回、4週間)、⾆圧に関しても、浜松市の聖隷クリストファー病院との共同研究により、⾆圧向上も確認されている。
構成/清水眞希