食卓にあるとうれしい、しょうゆやみりん、みそなどの基本調味料を使用した和風の料理。そんな和風料理の中で、もっとも多くの家庭で作られている「野菜の煮物」のメニューとはいったい何か?
日本能率協会総合研究所はこのほど、全国の30~79歳の既婚女性2,800名を対象として「味の地域差に関する調査2024《料理編》」を実施し、調査結果の一部抜粋を公開した。
40代女性の2割近くが「基本調味料のおいしい配分がよくわからない」
和風料理の味付け意識について、既婚女性40代の2割近くが「しょうゆ・みりん・みそ等、和風の基本調味料だけでは、おいしい配分がわからない」と回答した。なお、30代も2割弱とやや高くなった。
地域別の特徴をみると「しょうみ・みりん・みそ等、和風の基本調味料は地元や郷土のものを使っている」は九州が最も高く約2割。「めんつゆ・だししょうゆ・ぽん酢しょうゆ等市販の和風万能調味料をよく利用する」は東北・首都圏が6割半と高い。他方で「しょうゆ・みりん・みそ等和風基本調味料だけで味付けをする」は九州が7割弱と最も高くなった。
Q. あなたの和風の料理の味付けについて、あてはまるものは?(複数回答)
和風の野菜の煮物を作る頻度は減少傾向。最も頻度の低いエリアは北海道
自宅で和風の野菜の煮物を作る頻度は「週に2~3回程度」が26.0%、「週に1回程度」が25.6%で、合わせると「週に1~3回程度」で半数を占める。
時系列でみると煮物を作る頻度は低下している。2018年当時は週あたりの平均回数が「1.9回」だったが、2024年調査では「1.5回」へと減少した。
エリア別でみると関西と四国が「1.7回」と高く、北海道が「1.1回」と低かった。
Q. お宅では和風の野菜の煮物をどのくらいの頻度で作りますか。(単一回答)
※ここでは、野菜や乾物等が主役の煮物で、魚や肉が主役の煮魚や角煮等は除きます
よく作られる和風煮物メニューは「肉じゃが」、伸長した「小松菜やナス等の煮びたし」
自宅でよく作る煮物メニューは「肉じゃが」が最も高く7割強で、最もよく作る和風の煮物メニューとしても3割強と高かった。次いでよく作るメニューでは「かぼちゃの煮物」「大根の煮物」「きんぴらごぼう」が半数以上で続く。最もよく作るメニューでは「肉じゃが」が3割強、次いで「かぼちゃの煮物」「大根の煮物」が1割強で続く。
時系列で最もよく作るメニューをみると2021年調査で「肉じゃが」は5ポイント以上増加していたが、2024年調査では5ポイント近く減少。「小松菜やナス等の煮びたし」は2021年調査で5ポイント以上減少していたが、2024年調査では10ポイント近く増加した。
Q. お宅で作る野菜等の和風の煮物は、どのようなメニューが多いですか。(複数回答)
Q. お宅で作る野菜等の和風煮物のうち、あなたが最もよく作る煮物を1つお答えください。(単一回答)
煮物の味付けは基本調味料が高いものの、時系列でみると「めんつゆ」「白だし」が増加傾向
煮物の味付けに使う調味料をみると「しょうゆ」「みりん」「酒」「砂糖」といった基本調味料が高い。ただ、だしの部分を担う調味料に着目すると、いわゆる「かつお節・削り節」「昆布」「干ししいたけ」といった素材類は低く、「かつお風味の和風だしの素」が4割を超える。また2018年と比較して「つゆの素・めんつゆ」が微増、「白だし」は5ポイント以上増加しており、いずれも増加傾向のみられる数少ない調味料だ。
Q. あなたが最もよく作る煮物は、どのような調味料で味付けをしますか(複数回答)