上級乗用車並みの車内の静粛性を実現
それにも増して素晴らしいのが乗り心地だ。上質な快適感が路面を問わず支配し、かなり大人っぽい(ミニとして)乗り味を示してくれるのだ。街中でもオートブレーキホールド機能による、信号待ちなどでブレーキを踏み続けなくていいラクチンさも大歓迎だろう。そして車内の静かさも一級だ。電気自動車だからエンジンノイズがなく、当たり前だろうと決めつけるかもしれないが、その分、ロードノイズが目立ち、電気自動車の鬼門となるのである。しかしこの新型ミニクーパー3ドアSEは、多少荒れた路面でも、ロードノイズの遮断は見事。上級乗用車並みの車内の静粛性を実現しているから驚きだ(ドライブモードのゴーカートモードを除く)。
まずはノーマルのコアモードで走り出したのだが、加速性能は十二分。トルキーで、ミニらしからぬ電気自動車ならではのシームレスな加速力に感動である。航続距離を稼ぐため、エコモードとなるグリーンモードにセットしても、街中なら不足ない加速力を発揮してくれることも確認できた。そして”お楽しみ”のゴーカートモードだが、セットする「ひゃっほー」という叫び声!?の派手な音声演出とともにメーターはアナログ表示となり、メーターの指針もレッドに変化。加速力、レスポンスは一気に強まり、しかも、アクセルペダルに相応して、レーシングエンジン的なサウンドまで聴かせてくれるのだからゴキゲンだ。
もっとも、同じく電気自動車のアバルト500eのように、豪快なサウンドを車外にも聴かせることはなく(500eはオフにもできる)、豪快なサウンドで気持ちがアガるのは車内だけとなっている。そのように、ミニの世界を一変させてくれた新型ミニのBEV=電気自動車に大いに興味があるけれど、ファミリーユースとして3ドアはちょっと・・・というなら、ミニクーパー3ドアの4シーターから5シーターになる、SUVテイストあるエースマンを検討すればいい。こちらにもミニクーパー3ドアと同様のスペックを持つEとSEがあり、価格はそれぞれ491万円と556万円となる。
文・写真/青山尚暉