2001年に登場した、クラシックミニを引き継ぐBMWミニの3ドアモデルは、2024年、第四世代となり、全車、ミニクーパーを名乗ることになった。
今回、そんなミニクーパーの3ドアに加わった、ミニ史上初の量産電気自動車=BEVとなるSEモデルに試乗した(ミニクーパーの5ドアには電気自動車は存在せず。5ドアの電気自動車のエースマンがあるため)。ボディサイズは全長3860×全幅1755×全高1460mm、ホイールベース2525mm。最高出力160Kw、最大トルク330Nmのスペックを持つ。3気筒1.5Lガソリンエンジンモデルの「C」と「S」が全長3875×全幅1745×全高1455mm。ホイールベース2495mmだから、こちらは電気自動車専用のサイジングになるということだ(取り回し性においてはまったく変わらないが)。
従来のガソリンモデルとは別物の走り
なお、ミニクーパー3ドアの電気自動車にはバッテリー容量40.7kWh、欧州WLTPモード航続距離305kmの「E」、463万円と、今回試乗したバッテリー容量54.2kWh、欧州WLTPモード航続距離402kmの「SE」、531万円の2グレードがあり、その差額は68万円。しかし、電気自動車には補助金が出るため、例えば396~465万円のガソリンモデルとの差額は一気に縮まることになる。
スピードメーターや各種インフォメーションが直径240mmの円形タッチスクリーンに表示されるのは、もはやミニで見慣れた風景だが、シフトレバーはタッチスクリーン下にレイアウトされたトグルスイッチに改められ(ガソリン車も)、これまたトグルスイッチで操作するドライブモードはグリーン(エコモード)、コア(ノーマルモード)、ゴーカート(スポーツモード)を用意している。もちろん、タッチスクリーンにはナビ画面を始め、様々な設定が集約されている。
さて、そんな新型ミニクーパー3ドアSEを走らせれば、即座に従来のガソリンモデルとは別物の走りの世界に没入できること実感させられる。低全高・低重心を生かした運転感覚はなるほどミニそのものながら、とにかくスムーズに、静かに加速し、速度を上げていく。ステアリングフィールは往年のミニと比べ穏やかな味付けで、ゴーカート的クィックさは影を潜めている。しかし、レーンチェンジやS時カーブでのフットワークには、依然としてスイスイと身をこなす水平感覚かつウルトラスムーズな挙動、楽しさがある。