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黒装束は必要なし、女性の運転も解禁、女性記者が見たサウジアラビア社会の変貌

2024.10.21

ジェッダ発祥のファーストフード「AL BAIK」にもトライ

 試合翌日に移動便まで少し時間があったため、紅海に面したコルニシュ(海岸通り)まで出かけてみたが、夕日を眺めながら団らんのひと時を過ごす家族連れの姿が目立った。現地女性たちはやはりアバヤ着用なのだが、子供たちは色とりどりのTシャツや短パン姿で実に開放的だった。「この子たちが大人になる20~30年後はアバヤやトーブ(男性の白装束)を着ないのが一般的になるかもしれない」と感じたが、果たして実際はどうなっているのだろうか…。

紅海に沈む夕日は美しかった(筆者撮影)

 紅海に近い巨大ショッピングモール「レッド・シー・モール」にも出かけてみたが、11日が金曜日でイスラム教の休日ということもあって、フードコートは人・人・人でごった返していた。もちろんマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなど世界中に出店しているお店もあったが、せっかくだから現地のファーストフードを食べてみたい…。そう考えて、「AL BAIK(アルバイク)」というハンバーガーチェーンへ行ってみると、大人気なのか、行列ができていた。

 アルバイクはジェッダに本社を置くチェーン店で、さまざまなソースを沿えたローストチキンやフライドチキンを販売している。あらゆるショッピングモールやコルニシュ、キング・ファハド空港にもお店があり、かなりポピュラーだということが分かる。

 試しにチキンバーガーを食べてみたが、我々日本人にはマクドナルドの方が合うかなというのが正直なところ。それでも中東ではかなり好まれているようで、帰国時に使ったエジプト航空の機内には大量のアルバイクの商品便を持ち込む人々が後を絶たなかった。 近隣諸国だとUAEとバーレーンには展開しているようだが、遠い日本にはまだ入ってきていない。いつか日本でこのショップの商品が手に入る時が来ればいいのだが…。

アルバイクの店前に並ぶ人たち(筆者撮影)

ジェッダの人気店・アルバイクのチキンバーガー(筆者撮影)

サウジの禁酒はいつ解けるのか?

 もちろんこういったお店ではアルコール類は売っていない。同じモスリム国のUAEやカタールは特定の高級ホテルなどではビールやワインを飲めるのだが、サウジは今もそれを許していない。

 サウジが厳格な禁酒を貫く背景には、1951年にアブドゥルアジズ国王(当時)の息子の1人が酒に酔ってイギリス外交官を射殺した事件がある。翌52年から飲酒や酒類の売買が法律で禁じられ、現在に至っているのだ。

 それでも2024年には首都・リヤドで一部外交官のみ種類を購入できるようになり、将来的には解禁されるのではないかと見られているが、まだいつになるかは分からない。

 筆者も日本では基本的、毎日晩酌をしている人間なので、サウジ行きは恐怖だったのだが、人間、案外、なくてもいられるもの。1週間、ビールも飲まずに普通に生活できた。が、次にジェッダを訪れる時には、美しい夕日を見ながらビールを飲んでみたい。

 いずれにしても、過去2回のジェッダ訪問時は練習場とスタジアムの往復が基本で、広範囲をアクティブに動くことはできなかったが、アバヤ規制撤廃のおかげで自由にあちこちに行くことができた。町は美しく整備され、観光地としての価値も高かった。日本からは遠いため、足を運ぶチャンスはないかもしれないが、世界の石油産業を支配する中東最大の国は一見の価値がある。ぜひ身近に感じてほしいものである。

このビーチは一見の価値がある(筆者撮影)

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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