13〜25歳に向けたLINEを使った進路・就職・生活相談サービス、「ユキサキチャット」を運営する認定NPO法人D×P(ディーピー)は、ユキサキチャット登録者の13〜25歳を対象に「若者のお金の使い道についてのアンケート」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
なお、D×Pはクラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、全国の若者への食糧支援を提供するために「年末年始に孤立する若者からのSOS|緊急食糧支援2024 冬」を2024年12月20日まで展開している。
https://readyfor.jp/projects/dxp-sos-nogasanai2024
借金経験のある18歳以上の7人に1人が1か月の収入は「0円」と回答
1か月の収入に関する回答(n=147)
ユキサキチャットには不登校や貧困など、それぞれの事情を抱えた若者が登録している。
その中でも、親を頼れず自分のアルバイトだけで生計を立てている若者も多くいる。本調査でも借金経験のある18歳以上の25.5%は学
生・予備校生であるものの、他の方は社員・バイト・無職等の状態だ。
国の家計調査によると1人暮らしの生活費は昨今の物価高の影響もあり、月平均で16万7620円(※1)とされているが、本調査の結果では月の収入が10万円未満の人が60.5%にものぼっていることから、厳しい家計状況に置かれていることが考えられる。
※1 政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査家計収支編世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1カ月間の収入と支出(2023年)」(総務省統計局)
■3人に1人が借金経験ありと回答。18歳以上でみると半数が借金の経験
本アンケートの回答者は13〜25歳と若者世代だが、有効回答数のうち約4割が借金をしたことがあると回答。また18歳以上の回答で見てみると、およそ半数以上が借金の経験があることがわかった。
借りたお金の使い道の1位は生活費の補填(家賃や光熱費、食費)
借りたお金の使い道として最も多かったのは「生活費の補填」で、およそ8割が回答している。食料や日用品など、生きていくための当たり前の生活用品を購入できない状況にある様子が推察できる。
また若者の生活に欠かせない携帯電話やWi-Fiなどの通信費に使用したと回答した人が3割、また病気を抱えている人もおり、医療費への支払いに使用している状況も見られた。
■5割が「自身の収入減少を背景に借金をすることになった」と回答
お金を借りた背景や周囲の状況については「自身の収入が減少していた」と回答した人が約5割となった。
厚生労働省の調査(※2)では「児童のいる世帯収入」を100としたときに「母子世帯年収」は49.2、「父子世帯年収」は74.5という結果で、ひとり親家庭の生活が苦しい状況が見えてくる。
※2「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」と「令和3年国民生活基礎調査」より
本調査でも、ひとり親家庭であることを背景にお金を借りている方が35.3%に達している。
また、D×Pには病気で働けなくなり収入がなくなった若者の声も頻繁に届いているというが、本調査では「自身の病気・通院」を背景にお金を借りた人が33.3%いた。
また2人に1人が複数回答をしており、借金をする背景は1つではなく家庭環境や自身の病気、収入減少などあらゆる困難が複雑に重なっている状態だと言える。
■返済への不安を感じた人が7割以上、借金では若者の生活は改善されない状況
「お金を借りて困ったこと」に対する回答(n=156)
借金をして実際に感じたこととして最も多かったのが「返済できるか不安」という回答だった。
また「アルバイトや仕事を更に増やさなければならなくなった」や「生活がより苦しくなった」という回答も5割以上あり、借金は
若者の生活状況の根本的な改善方法にはならないことがわかる結果となっている。
調査概要
調査エリア/全国
調査対象者/13~25歳の男女
回答方法/アンケート回答フォームへの入力
回答者数/420名
関連情報
https://readyfor.jp/projects/dxp-sos-nogasanai2024
構成/清水眞希