何を隠そう、都内の賃貸マンションに住む筆者の在宅ワークスペースは狭い。横幅は70cmしかなく、ぴったり収まるデスクをなんとか見つけ出し、ギリギリ仕事ができる環境にしている。ヘッドフォンやキーボードといった周辺機器を収納する場所がなく、雑然としてしまうのが悩みだ。
本当は、ブログやYouTubeなどでデスクツアーをしている方々のように、かっこいいデスクと収納、周辺機器でおしゃれな空間を作りたい。
私の在宅ワークスペース。本当に“最低限”のコンパクトさである。ちなみに、外部ディスプレイは22インチと最小クラス。
開くのは画鋲サイズの穴だけ!賃貸住みの救世主となる留め具を発見
本記事では、こういった狭い環境を少しでも便利なスペースに変えるため、有孔ボードを設置する方法を解説する。しかし冒頭で述べたとおり、我が家は賃貸なので壁に大きな穴を開けることはできない。それもクリアする留め具を発見したので、合わせて紹介していこう。
有孔ボードとは、等間隔に穴が開いた板のこと。材質は木材、金属、樹脂などがあり、厚さや穴の大きさ、穴の間隔も様々な種類がある。別名として、パンチングボードやペグボードと呼ばれることもある。穴にフックや棚受けなどを引っ掛けて、壁面収納に利用したり、空間の間仕切りとして使ったりすることができ、DIY好きの間で人気が高いアイテムだ。
用意するのは、有孔ボードと留め具の2つだけ。本当は、グレーほかカラフルな有孔ボードを購入したかったのだが、持ち前のケチさを発揮して一般的なナチュラルカラーのものにした。楽天市場で1枚1800円程度で購入可能だ(参考)。
ナチュラルカラーの有孔ボード。もっと予算とセンスがあればカラーつきが欲しかった。
留め具は、同じく楽天市場で購入した500円前後の「パンチングボード用石膏ボード留め具セット」(参考)。これが今回の肝である。対荷重20kgとタフな仕様ながら、開ける穴は画鋲程度(1つの留め具で画鋲程度の穴を4つ開ける)。賃貸住みの強い味方だ。とはいえ、賃貸住宅によってその可否は異なるので、利用の際にはあらかじめ契約内容をご確認いただきたい。
留め具のセット。留め具本体と金属製の石膏釘(予備もたくさん入っていた)、有孔ボードと留め具を固定するネジとワッシャー、キャップが入っている。
留め具を固定するピン(石膏釘)はコインなどでも押し込めるが、壁の素材によってはハンマーがあると効率が段違いに上がる。特に最初のひと押しで大きな差が出た。できれば用意しよう。また、留め具と有孔ボードを固定する際に、ドライバーがあるといい。
1枚30分もかからず設置完了! DIY初心者でも簡単でした
まずは有孔ボードの取り付け位置を決めていく。ボードを壁に押し当て、留め具を装着する部分の穴から鉛筆などで壁に印をつけよう。強度を確保するためにも、基本的には四隅がいい。注意したいのは、有孔ボードの角に位置する穴を使うのは推奨されていないこと。もっとも端の穴で固定すると対荷重性能をフルに発揮できず、有孔ボードの破損や落下につながる恐れがあるからだ。
筆者は印をつけるのにシャープペンシルを使ったが、芯がポキポキ折れて大変だった。よく研いだ鉛筆のほうが簡単だと思う。使う穴は角から2番目を選んだ。
4箇所の印づけが終わったら、留め具を壁に打ち付けていく。留め具の中心にある穴を覗き込み、壁につけた印が中心にくるようにしよう。場所が決まったら、付属のピンを押し込んでいけばいい。前述のとおりコインでもできなくはないが、ハンマーを使ったほうが圧倒的に楽である。
留め具の中心にある穴と、壁にマークした印が重なるように配置する。
厳密には、コインを使わなかったわけではなく、まずはハンマーで差し込み、コインで押し込むという手順で作業した。
続いてボードの設置だ。壁側から、留め具→有孔ボード→ワッシャー→ネジの順になるように固定する。これも前述のとおりだが、しっかり固定するためにはドライバーがあったほうがいい。固定具の穴と有孔ボードの穴に多少のズレがあっても、力を込めてドライバーでネジを締めれば微調整が効く。
留め具と有孔ボードを固定する。ここも対荷重性能をフルに活かすため、しっかりネジをしめた。
というわけで1枚目の設置が完了(今回は2枚設置する予定)。ここまでの作業時間は、撮影込みで30分足らずだった。ちなみに、私はDIY初心者である。はっきりいって誰でもすぐに真似できる簡単さだ。
今回紹介した留め具を使うことで、有孔ボードと壁の間に隙間が生まれる。この隙間があることで、フックなどをひっかけられるのだ。
別売りの有孔ボード用のフックをひっかけてみた。ペンホルダーや台座など、さまざまな有孔ボード用のアクセサリが販売されている。
いい仕事環境はいい仕事につながる。その分、散財も捗るかも…!
同じ手順で2枚目も設置完了。慣れてきたのかよりスピーディに作業できたので、2枚トータルで50分もかからず作業を終えられたと思う。
置き場所が定まらず彷徨っていたヘッドフォンも、フックに引っ掛ければなんとなくおしゃれな感じ(?)。スペアのキーボードも飾るように置いてみた。
また、整理が進むと欲が湧くもので。机を圧迫しているスタンドライトを排除して、有孔ボードにひっかけるライトを探し始めている。それから、外部ディスプレイを壁掛けスタイルにして…などと、より快適な仕事環境の妄想も膨らんできた。
狭い在宅ワークで戦うビジネスマンの同志、また有孔ボードに興味があるから賃貸だから…と躊躇している方々の参考になれば幸いだ。
文/関口大起