自民党の新総裁に石破茂氏が就任し、結婚や出産の支援にも重点を置く姿勢を見せ、経済と少子化の関係性についても見解を述べている。このように少子化対策に対する国民の注目度が上がっている状況で、実際にはたらく社会人は経済と少子化に対してどのような考えを持っているのだろうか。
パーソルキャリアが運営する調査機関「Job総研」はこのほど、社会人男女292名を対象に「2024年 日本経済の意識調査~少子化編~」を実施し、その結果を発表した。
65.4%が「将来子どもを考えている」
回答者全体の292人に「将来子どもを持とうと思っているか」と尋ねたところ、「とても考えている」が16.8%、「考えている」が24.7%、「どちらかといえば考えている」が23.9%となり、合わせて65.4%が将来子どもを持つことを考えているとわかった。
将来子どもを持とうと考えている人を年収別でみると、800万円以上が80.4%で最多となり、次いで600万円~800万円未満が80.0%、400~600万円未満が69.3%、200万円~400万円未満が52.4%、200万円未満が44.8%という結果になった。
56.9%が現収入で「出産・子育てを考えられる」
回答者全体の292人に「現収入で出産・子育てを考えられるか」と尋ねたところ、「とても考えられる」が9.9%、「考えられる」が19.9%、「どちらかといえば考えられる」が27.1%となり、合わせて56.9%が「現収入で出産・子育てを考えられる」と考えているとわかった。
現収入で出産・子育てを考えられる人を年収別でみると、800万円以上が91.1%で最多となり、次いで600万円~800万円未満が76.0%、400~600万円未満が57.3%、200万円~400万円未満が37.7%、200万円未満が22.5%という結果になった。
子を持つ場合の経済不安、「学費・教育費」「家族の生活費」が上位に
回答者全体の292人に子を持つ場合の経済不安の有無を聞くと、「とても不安がある」が35.6%、「不安がある」が25.0%、「どちらかといえば不安がある」が25.0%となり、85.6%が子を持つ場合に経済的不安を抱えているとわかった。
同回答者に不安に関係している項目を聞くと、「学費・教育費」が84.6%で最多となり、以下「家族の生活費」が58.9%、「物価の変動」が52.1%と続いた。
子1人育てるための最低限の収入額は平均831.7万円
回答者全体の292人に現収入で学費・教育費を払える自信の有無を聞くと、「全く自信はない」が27.1%、「自信はない」が16.1%、「どちらかといえば自信はない」が20.9%となり、64.1%が現収入で学費・教育費を払える自信がないとわかった。
同回答者に1人あたりの子育てに必要だと思う最低限の収入額を聞くと、平均が831.7万円、中央値が525万円、最頻値が525万円となった。
95.9%が経済・景気は「少子化に影響」
回答者全体の292人に経済・景気は少子化へ影響しているかと尋ねたところ、「とても影響していると思う」が52.1%、「影響していると思う」が31.8%、「どちらかといえば影響していると思う」が12.0%となり、95.9%が経済・景気は少子化へ影響していると考えているとわかった。
同回答者に影響の背景を聞くと、「収入が上がらないこと」が52.7%で最多となり、以下「消費税や所得税増税」が50.0%、「十分な学費・教育費の確保」が48.6%と続いた。
少子化対策には「学費の補助」「賃上げ」が必要
回答者全体の292人に今後少子化はどのようなことに影響していくかを聞くと、「労働力・人材不足」が81.1%で最多となり、次いで「年金制度の維持」が71.9%、「経済成長の停滞」が64.9%となった。同回答者に少子化対策に必要だと思う支援を聞くと、「学費の補助」が60.0%で最多となり、次いで「現役世代の賃上げ」が57.3%、「子育て世帯向けの減税」が54.1%という結果になった。
<調査概要>
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2024年9月4日~9月9日
有効回答人数:292人
調査方法 :インターネット調査
出典元:Job総研(パーソルキャリア)
構成/こじへい