【株主優待】ラーメン好きなら欲しい「ラーメン銘柄」!買う際の注意点は?
テレビで放送すると「視聴率が取れてバズる」と言われるラーメンは、男性も女性も大人も子どもも大好きなはずです。このラーメンを株主優待で食べられる銘柄もあり、外食での費用を抑えられるなら、物価高の現在、家計も助かるに違いありません。「ラーメン銘柄」7つと、株を買おうと思った時に確認しておきたい注意点も紹介します。
※株価は2024年10月16日時点
「株主優待」とは?
私たちが株を買うと「株主」になれます。そして、企業はこの株主に対して、割引券や優待券などをプレゼントすることがあり、これが「株主優待」で、日本特有の制度と言われています。
この株主優待をもらうためには、「権利付最終日」までに株を買っておく必要があり、例えば、3月が権利月ならば、2025年3月の権利付最終日3月27日までに買っておけば「株主優待」がもらえます。
ラーメンがもらえる「株主優待」は?
「株主優待」では、お米やお肉、フルーツ、カタログギフトなどあらゆるものがもらえますが、中には自社商品券を使ってラーメンを食べられる「株主優待」もあります。
■ギフトホールディングス(9279)(株価3,335円、最低投資額33万3,500円)
横浜家系ラーメンの「町田商店」を展開するギフトホールディングスの株主優待は、「1杯好きなものを注文できる電子チケット」としても使え、100株では1年未満1枚、1年以上2枚がもらえます。権利は4月と10月にあり、年2回あるため、100株を1年以上保有すれば年間4杯のラーメンが「無料に」なります。
そして、この電子チケットは、「ラーメン豚山」でも使えるため、価格が高い「汁なし、大ぶたダブル(1,600円)」を注文する時にも使えます。
■王将フードサービス(9936)(株価3,025円、最低投資額30万2,500円)
王将フードサービスでは、株主優待が2つあり、100株では、(1)2,000円分の食事券(年間4,000円)と、(2)3月末に会計時5%オフ券がもらえます。
食事券だけでなく、会計時5%オフ券がもらえるので何度もお店を利用する人はありがたいと感じられそうです。
王将フードサービスでは、2024年9月末に株式分割を行い、分割後100株でも株主優待の特典が受けられるようになった実質「優待拡充」企業です。株式分割により、およそ1/3の額で5%オフ券がもらえるようになりました。
■物語コーポレーション(3097)(株価3,785円、最低投資額37万8,500円)
ラーメン店「丸源ラーメン」だけでなく、「焼肉きんぐ」、「お好み焼本舗」を出店する物語コーポレーションの株主優待は、100株保有で3,500円分の株主優待券で、一部店舗を除く直営店・フランチャイズ店で利用でき、「丸源ラーメン」でも使えます。6月、12月の年2回に権利があるため、100株保有で年間では7,000円分がもらえます。
物語コーポレーションでは、2023年2月末で株式分割を行い、配当利回りは低いものの累進配当企業です。
■浜木綿(7682)(株価3,995円、最低投資額39万9,500円)
東海地方を中心に中華料理専門店を展開する浜木綿(はまゆう)の株主優待は店舗で使える株主優待券で、100株は1年未満4,000円、1年以上5,000円。200株では1年未満8,000円、1年以上1万円と増えていきます。権利確定月は7月で、株主優待の数が少ない月の貴重な優待銘柄でもあります。
近くに店舗がないなら、ハーブティーやフカヒレ姿入り上海蟹味噌スープなどの代替品を送ってくれます(※2023年7月実績)。
■魁力屋(5891)(株価1,823円、最低投資額18万2,300円)
背脂醤油ラーメンが看板商品の魁力屋では、2024年8月に株主優待制度を新設すると発表。100株で1,000円相当の優待券(電子チケット)がもらえます。権利月は6月と12月の年2回なので合計2,000円分がもらえます。
■トリドールホールディングス(3397)(株価3,885円、最低投資額38万8,500円)
「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングスですが、ラーメン店「ラー麺ずんどう屋」でも株主優待券が使えます。トリドールホールディングスではカード型の優待券を採用していて、100株であれば3,000円相当が年2回、合計6,000円分がチャージされます。
「丸亀製麺」では釜揚げうどんの並が340円と低価格なので、「ラー麺ずんどう屋」に行くと割高に感じてしまうかもしれませんが、博多とんこつラーメンをベースにしたおいしいラーメンが株主優待で食べられます。
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)(株価1,159円、最低投資額11万5,900円)
飲食店経営のクリエイト・レストランツ・ホールディングスでは株主優待券が保有株数に応じてもらえ、100株であれば2,000円(年4,000円)、200株であれば4,000円(年8,000円)、400株は6,000円(年1万2,000円)ですが、400株1年以上の継続保有で追加2,000円がもらえるため、年1万6,000円。権利月は2月と8月の年2回です。
居酒屋の磯丸水産をはじめ、パン屋のサンジェルマンなどでも使えるのですが、ラーメン店である「つけめんTETSU」で使え、2024年11月からは「えびそば一幻」でも使えることを発表しました。
「ラーメン銘柄」で見ておきたいポイント
ラーメン好きなら思わず目の色が変わり、すぐにでも買いたくなる「ラーメン優待」かもしれませんが、これらの銘柄で注意しておきたいポイントもあり、大きく3つあります。
まず、1点目として、どんなに魅力的な「ラーメン優待」でも近くにお店があるかどうかは確認しておきたいところです。もしお店で使えなくても、代替商品を送ってくれるなら株主優待券も無駄にしにくいです。
そして、肝心な2点目は営業利益で、ゆるやかでも企業が成長しているかを見るべきです。売上高から原価や管理費などを引いた金額が営業利益で、年々、増えているなら、企業が成長していることもわかります。成熟企業だと、営業利益が前年度と比べてそこまで伸びていないこともありますが、毎年、コンスタントに営業利益が出ているかは見ておきましょう。
「近くにチェーン店が増えてきて出店が増えているのでは?」と肌で感じたら、株主優待券も使いやすくなるため、購入検討リストに入れ、その時に、合わせて営業利益を確認してみるのもよいでしょう。
そして、最後に考えておきたいのは、「株主優待」だけでなく、優待+配当利回りについてです。
実は、紹介した「ラーメン銘柄」の中には優待+配当利回りが2%~3%とあまりよくない銘柄もあることです。そして、個人投資家の間で「優待族」が揶揄されがちなのは、「高配当銘柄を買って配当金をもらい、配当金を使って飲食した方が効率がよい」ということで、たしかに、同じ額の高配当株を買って4~5%で運用した方が、もらえる配当金も税金がかかったとしても多く、言い分も、もっともです。
ただ、企業の成長を期待して応援として株を買い、株価の値上がりも期待する「キャピタルゲイン」狙いの方法で、いわゆる“推し活”に似た株の買い方もあるわけです。この場合、優待+配当利回りがそこまでよくなくても “推す理由がある”なら買ってよいという判断になることでしょう。
筆者の場合では、物語コーポレーションの株は買うタイミングがよかった銘柄で、現在は買った時より株価は1.5倍になっています。今後はどうなるかわかりませんが、将来的な株価上昇が見込めるなら、優待+配当利回りが少し悪くても、現物保有をしているだけで含み益が増えるような、期待を持てる銘柄もありそうなのではと感じます。
文/谷口久美子