AppleからA17 Proチップと、使いやすいパーソナルインテリジェンスシステムであるApple Intelligenceを搭載した新しいiPad miniが発表された。極めて持ち運びやすい人気のデザインを備えた新しいiPad miniはスペースグレイ、ブルー、パープル、スターライトの4色をラインアップ。
すでに予約は始まっており、2024年10月23日よりApple Store直営店とApple製品取扱店にて販売を開始する。価格はWi-Fiモデルが7万8800円(税込)から、Wi-Fi + Cellularモデルが10万4800円(税込)から。ストレージ容量は128、256、512GBが用意されている。
A17 Proがパワフルなパフォーマンスを実現
A17 Proは、前世代のiPad miniに搭載されたA15 Bionicよりも多くの点で向上したパワフルなチップだ。A17 Proは、2つの高性能コアと4つの高効率コアを備えた6コアCPUを搭載。CPUパフォーマンスが30%向上してい流という。
また、5コアGPUによってA17 Proのグラフィックス性能も大幅に向上、こちらも前世代よりも25%向上している。
A17 Proによって、デザイナー、パイロット、医師などが使うプロ向けアプリを含め、まったく新しい体験がもたらされ、ユーザーが写真を編集したり、より臨場感あふれるARアプリケーションを体験したりするのがこれまで以上に高速になる。
そして新しいiPad miniは、ソフトウェアベースのレイトレーシングよりも4倍高速なハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングのほか、Dynamic Cachingとハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングにも対応し、リアルなゲームプレイを実現する。
A17 Proチップにより、「ゼンレスゾーンゼロ」のような、高い処理能力を必要とし、グラフィックスを駆使するAAAゲームを外出先でプレイするのがかつてないほど簡単になる。
■Apple Intelligenceのために設計
A17 Proチップのパワーにより、新しいiPad miniはApple Intelligenceに対応している。
Apple Intelligenceは、iPadOS 18に深く組み込まれており、AppleシリコンのパワーとAppleが構築した生成モデルを活用して、言語や画像を理解して生成したり、複数のアプリにわたってアクションを実行したり、パーソナルコンテクストにもとづいて、日々のタスクをシンプルにしてよりすばやくこなせるようになる。
Apple Intelligenceを動かすモデルの多くは完全にデバイス上で実行され、Private Cloud Computeにより、デバイス上の処理から、専用のAppleシリコン搭載のサーバ上で実行する、より大規模なサーバベースのモデルまで、演算能力を柔軟に拡張できる。
Apple Intelligenceの初期機能は2024年10月、iPadOS 18.1で無料のソフトウェアアップデートによって米国英語で提供され、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPadで利用可能になる。
Apple Intelligenceは、楽しく直感的で使いやすく、ユーザーが最も重要なことをできるよう特別に設計された体験を提供していく。
・作文ツールにより、ユーザーは、メール、メモ、Pages、他社製アプリなど、ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約を通じて、言葉づかいに磨きをかけることができる。
システム全体で使える作文ツールは、iPadOS 18でApple Intelligenceの初期機能として提供され、ユーザーはほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約ができる。
・Siriはより緊密にシステム体験に統合され、iPadで作動している時は画面の縁を囲うようにエレガントに光り輝く、新しいデザインに。より豊かな言語理解の能力により、Siriとのコミュニケーションがより自然で文脈に即したものになる・
・写真アプリでは、メモリー機能により、ユーザーは説明を入力するだけで、見たいムービーを作成できるようになった。新しいクリーンアップツールでは、誤って被写体を改変することなく、写真の背景にある不要な対象物を特定して削除できる。
Apple Intelligenceの追加の機能は、今後数か月の間に提供される予定だ。
■より高速な接続性
5Gに対応したWi-Fi + Cellularモデルでは、ユーザーは外出先でも瞬時に自分のファイルにアクセスしたり、仲間と連絡を取り合ったり、自分のデータをバックアップできる。
新しいiPad miniのWi-Fi + Cellularモデルは、物理的なSIMカードよりもさらに安全なeSIMでアクティベートされ、ユーザーはデジタルで既存のプランにすばやく接続して移行できるほか、1台のデバイスに複数のデータ通信プランを保存できる。
ユーザーは、世界中の190以上の国と地域で、現地の通信事業者から物理的なSIMカードを入手する必要なく、新しいiPad miniを簡単に無線データプランに接続が可能。USB-Cポートは前世代より最大2倍高速になり、最大10Gbpsのデータ転送速度によって、サイズの大きな写真やビデオの読み込みがさらに速くなる。
■驚くようなカメラ体験
12MPの広角バックカメラは美しい写真を撮影でき、スマートHDR 4により、写真がさらに精細で鮮やかになる。
パワフルな16コアNeural Engineを活用して、新しいiPad miniは人工知能(AI)を使ってカメラアプリで直接書類を自動的に識別。新しいTrue Toneフラッシュを使って書類から影を取り除くことができる。
縦向きの12MPの超広角フロントカメラは、センターフレームに対応。ユーザーがiPad miniを使うあらゆる方法に最適なカメラとなっている。
■Apple Pencil Proによる魔法のような機能
Apple Pencil Proは、魔法のような機能とパワフルな操作を実現し、iPad miniをユーザーがどこにでも持って行けるスケッチブックへと変えてくれる。
Apple Pencil Proはユーザーのスクイーズ(指で強く押した状態)を感知してツールパレットを表示できるので、創作活動を妨げることなく、ツール、線の太さ、色のすべてをすばやく切り替えられる。
独自の触覚エンジンは、ユーザーがスクイーズしたり、ダブルタップしたり、図形認識でスナップしたりすると、確認として軽いタップを返し、驚くほど直感的な体験をもたらす。
ユーザーはApple Pencil Proを回転させて、使用しているツールを正確にコントロールできる。軸を回転させると、ペンと紙のように、形の異なるペンツールとブラシツールの向きを変えることができ、Apple Pencilのホバー機能を使うと、ユーザーはペン先がディスプレイに触れる前にツールの正確な向きを見ることができる。
Apple Pencil Proは「探す」に対応し、新しいマグネットのインターフェイスを通じて、iPad miniでペアリング、充電、保管が可能。
iPad miniは、メモを取ったり、スケッチをしたり、注釈を加えたり、日記をつけたりするのに最適な、身近な価格のApple Pencil(USB-C)にも対応している。
新しいiPad miniの主な仕様
ディスプレイ/8.3インチ Liquid Retinaディスプレイ、2266×1488ピクセル解像度、326ppi
チップ/A17 Proチップ
カメラ/12MP広角カメラ、f/1.8絞り値、最大5倍のデジタルズーム
フロントカメラ/12MP超広角フロントカメラ、f/2.4絞り値
オペレーティングシステム/iPadOS 18
電源とバッテリー/全モデル:19.3Whリチャージャブルリチウムポリマーバッテリー内蔵
Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生/最大10時間
Wi-Fi + Cellularモデル/携帯電話データネットワークでのインターネット利用:最大9時間
センサー/Touch ID、3軸ジャイロ、加速度センサー、気圧計、環境光センサー
スピーカー/ステレオスピーカー(横向き)
マイク/通話、ビデオ撮影、オーディオ録音のためのデュアルマイク
本体サイズ/幅134.8×奥行き195.4×厚さ6.3mm
質量/Wi-Fiモデル:293g、Wi-Fi + Cellularモデル:297g
構成/清水眞希