世界中の航空会社・旅行会社・ホテルなど約1200のウェブサイトから最適な旅行プランを検索できるグローバル旅行アプリ「スカイスキャナー」を運営するSkyscanner Japanは「スカイスキャナー·トラベルトレンド·レポート2025」を発表した。
このレポートは、スカイスキャナーが保有する検索ビッグデータと1000人の日本人を含め全世界20000人を対象に実施した調査データから、今後の旅行者インサイトやトレンド予測を紹介するものである。
2025年では、大きく7つの分野における旅行体験が重視されると予測
スカイスキャナーが予測する7つのトラベルトレンドに共通するキーワードは「コミュニティや集団での共有できる体験」だ。
画像:Skyscanner Japan
その中からスカイスキャナーによる3トピック、スカイスキャナーによる分析を紹介したい。
アクティブな旅:スポーツイベントが旅の主役に!
アスリートの舞台裏に密着したドキュメンタリー番組やパリオリンピックの影響などにより、スポーツに対する興味関心が高まっている傾向も見られています。スカイスキャナー上の検索数データでは、日本からパリ向けの航空券の検索数がパリオリンピックの期間に47%も増加が見られた結果となりました(※)。また調査でも同様の傾向が見られており、日本人旅行者全体の37%が「2025年にスポーツイベントを観戦するために旅行する予定がある」と回答する結果が出ており、プレゼンスの高まりが見えます。
更にスポーツへの情熱は、旅行のスタイルの変化にも影響を与えています。25~34歳の旅行者の45%が「ランニングやサイクリングで新しい場所を探索したい」と回答しており、スポーツを通じて観戦だけでなく自らも体を動かしていくアクティブなスタイルが、特に若者の間で人気を集めていると言えます。
(※) 2024年における、パリオリンピックの期間とそれ以外の期間による比較。
リセット旅行:心と体をリフレッシュ!
ここ数年でのサウナ人気からも見られるように、旅行を通じて心身のリフレッシュを図り、より豊かな人生と健康的な生活を送りたいといったニーズも高まりを見せています。 日本人旅行者の40%が「以前よりも自身の健康と幸せについて意識するようになった」と回答しています。また、52%は「休暇を取ることが回復力と強さを養い、日常生活のストレスに対処するのに役立つ」と考えていることが判明しました。 この傾向は特に若い世代で顕著に見られており、「休暇中に健康的な活動を取り入れる」と回答したユーザーが45〜54歳だと33%であるのに対して、18~24歳では41%にものぼる結果となりました。
アートな旅:創造性を刺激するアドベンチャー!
旅行の魅力のうちの1つとして「非日常感」が挙げられますが、なかでもアート・文化に触れるといったことは日本人旅行者の中でも、目的の上位にランクインしています。今回のレポートでは、日本人旅行者の42%が旅行先選びにおいて文化を最も重視していることが明らかになっています。
ますますこのアートに対する需要が高まっていることに加えて、コロナ禍を経てデジタルアートが一般的になってきたことから、人気が上昇しているのが「没入型アート」です。没入型アートとは作品がシームレスにつながっており、来場者自
身もアート作品の一部に溶け込む形で圧倒的な没入感を体験できる展示です。特に若者においてこの傾向は顕著になっており、25~34歳の31%が「来年、没入型アートを体験する予定」であると回答しています。
旅行者が没入型アート体験に魅力を感じる理由は、「遊び心があると感じられるから」(31%)、「共有体験になるから」(27%)、「アートを見るだけでなく実際に体験できるから」(17%)などが挙げられています。これらの結果から、旅行者がアートを通して創造性を刺激し、他者との繋がりを求めていることが分かります。
スカイスキャナーの検索データから見る2025年にブレイクが予想される旅行先
スカイスキャナーでは毎日、数百件以上のフライト検索が行なわれている。今回はこの独自の検索データから導いた2つのランキングをご紹介したい。
画像:Skyscanner Japan
検索数が増加している旅行先10選では、アンコールワットで有名なカンボジアのシェムリアップや文化遺産や自然が豊かなマレーシアのミリ、そしてサッカー人気も関連するスペインのサン・セバスティアンなど、2025年に来ると想定されるトレンドトピックスに関連する場所が複数ノミネートしている。
また、航空運賃が値下がりを見せている旅行先の中においても文化・自然遺産が豊かな地名やリラックス出来るリゾート地がリストアップされている。「旅行先を選ぶ際に費用面で重視するのは?」といった質問にて、ホテル代(49%)、航空券代 (43%)、飲食費 (32%)、お得な通貨/為替レート (32%)といった結果になったことからも分かるように、航空券のコストは旅行先の意思決定に大きな影響を与える可能性が高いため、これらの旅行先は観光客の増加が見込まれる。
取材・文/峯亮佑