眠気覚ましやリラックス効果を目的にコーヒーを愛飲している人は多いはず。では、ドリップコーヒー、エスプレッソ、カフェオレなど様々なメニューがある中で、特に人気が高いコーヒーはいったい何か?また、年代別でコーヒーの嗜好にはどのような違いが見られるのだろうか。
デロンギ・ジャパンはこのほど、20~60代の男女200人ずつ計400人の「自宅で週に1回以上コーヒーを飲む人」を対象に、「コーヒーの飲用調査 2024年度版」を行った。また、自宅で週に1回以上コーヒーを飲むアスリート1000人を対象にした実態調査も行い、併せて結果を発表した。
なお本調査における「アスリート」は、自身もしくは所属チームが競技団体(例:日本サッカー協会、日本バスケットボール協会など)に登録をしている人と定義する。
Ⅰ. 2024年度版 コーヒー飲用実態
■一番人気のコーヒーメニューは「ドリップコーヒー」!「ブラック派」が昨年度より増加
自宅で週に1回以上コーヒーを飲む人に「最も好きなコーヒー」のメニューを聞き、昨年度と比較した。1位は昨年度から引き続き「ドリップコーヒー」(45.8%)で、3.5ポイント増加と、人気が高まっている。上位4項目には大きな違いはないものの、「ソイラテなど植物性ミルクを使用したラテ」(3.5%)が昨年度9位からランクアップし5位という結果になった。
ドリップコーヒーやエスプレッソなどの「ブラックメニュー」の合計と、ミルクを入れるカフェオレやカフェラテなどの「ラテメニュー」の合計で分けてみると、昨年度より「ブラックメニュー派」が3.3ポイント増加して54.5%、「ラテメニュー派」は43.3%となった。「ブラックメニュー派」が半数以上となったが、「ラテメニュー派」も4割を超えており、その人気は拮抗(きっこう)しているようだ[表1、2]。
また「コールドブリュー・水出しコーヒー」「ラテメニュー計」について年代別および性年代別に見ると、「コールドブリュー・水出しコーヒー」は「最も好きなコーヒー」として挙げる40代男性が増加しており、働き盛りの男性からの注目が集まっている様子がうかがえた。また「今後飲みたいコーヒー」と答えた40代男性と20・30代女性も増えている[表3A]。
「ラテメニュー計」については、20代で「最も好きなコーヒー」の割合が増加している。加えて「今後飲みたいコーヒー」として答えた40代男性と50・60代女性が増えている[表3B]。
■約4人に3人が自宅でコーヒーを「1日1杯以上飲む」
(調査対象者のうち)自宅でコーヒーを「1日1杯以上飲む」と回答した人の割合は、今年は74.8%で、昨年(74.6%)と同水準となった。
コロナ禍において実施された2020年・2021年の調査では6割となったが、リモートワークの定着や行動制限の緩和なども見られるようになった2022年以降からは、7割以上の人にとって自宅で毎日コーヒーを飲むことが習慣になっている様子がうかがえる[グラフ1]。
■自宅で飲む「おうちコーヒー」にかける平均金額は2年連続で上昇
自宅で1杯のコーヒーにかける金額が平均何円くらいかを聞いたところ、全体の平均金額は「112円」となった。同項目を聴取している3年間での経年変化を見ると上昇傾向であることがわかり、2022年度の95円からは17円も上昇している。
近年、気候変動による収穫高の減少や円安などの影響を受け、コーヒー豆の価格も高騰しているが、「おうちコーヒー」はしっかりと飲みたい人が多いということがうかがえる[グラフ2]。
■最も多くコーヒーを飲む場所は「自宅」の人が6割!「カフェ・喫茶店」も増加
一番多くコーヒーを飲んでいる場所を聞いたところ、圧倒的に多いのは「自宅」(60.3%)で、3年間同水準となった。「おうちコーヒー」が最も好まれていることがわかった。2位の「職場や学校」(18.8%)は微減しているが、約2割が回答し、仕事や勉強のパートナーとしてもコーヒーが選ばれている様子がうかがえる。
2022・2023年度は4位だった「カフェ・喫茶店」(9.5%)は、昨年度から4.9ポイント増加して3位にランクアップ。長きにわたったコロナ禍から日常を取り戻し、カフェなど店舗ならではのコーヒー体験を楽しむ人が増えていることが考えられる[グラフ3]。
■20・30代は半数以上が「コーヒーを趣味として楽しむ」!美味しさや淹れる過程をより楽しむ
「コーヒーを趣味として楽しんでいる」人の割合は全体では45.5%で、特に20代(55.0%)、30代(57.5%)で多いことがわかった。若い世代では半数以上がコーヒーを趣味として捉えている[グラフ4]。
そのメリットについて聞くと、「美味しいコーヒーが飲める」(65.9%)、「自分に合ったコーヒーが飲める」(44.5%)、「コーヒーを淹れる過程を楽しめる」(31.9%)がトップ3項目となり、自分好みのおいしさを求めて趣味としても楽しんでいる様子がうかがえる。4位の「家族や友人にコーヒーを振る舞える」からは、親しい人とコーヒー時間を共有することを楽しむ様子も伝わってくる[グラフ5]。
Ⅱ. アスリートのコーヒー飲用実態
■「運動(トレーニングや試合)にあたってコーヒーを飲む」 アスリートは63.9%!
自宅で週に1回以上コーヒーを飲み、かつ月1回以上競技を実施している競技団体登録選手1,000人に、トレーニングや試合など、運動にあたってコーヒーを飲むことがあるかを尋ねると、63.9%のアスリートが「飲むことがある」と回答した。
飲む場面としては「運動(トレーニング)前、試合前」(36.3%)、「運動(トレーニング)後、試合後」(35.7%)が多く、3人に1人以上が回答している。「運動(トレーニング)中・試合中」に飲む人も22.2%で2割以上となっている[グラフ6]。
■コーヒーによる運動への効果は「リラックス」と「リフレッシュ」
運動にあたってコーヒーを飲むアスリートに、どのような効果を感じているかを聞いたところ、1位は「リラックスできる」(35.4%)、2位「リフレッシュできる」(32.1%)と、気持ちの切り替え効果を感じているアスリートが多いことがわかった。3位「集中力が上がる」(26.9%)、4位「緊張がほぐれる」(25.2%)と、トレーニングや試合に臨む状態への影響もあるようだ[グラフ7]。
また、「コーヒーを趣味として楽しんでいる」と回答したアスリートも57.2%と、一般生活者(45.5%)よりも高く、コーヒーを飲むこと自体を楽しんでいる様子もうかがえた[グラフ8]。
■アスリートは「低脂肪乳」「無脂肪乳」「豆乳」など、選ぶミルクへのこだわりも強い
アスリートが自宅で飲むコーヒーのラテメニューに使用するミルクの種類を一般生活者と比較すると、「牛乳」は3.6ポイント低く、「豆乳」は5.6ポイント、「低脂肪乳」は9.5ポイント、「無脂肪乳」は7.0ポイント、「アーモンドミルク」は5.6ポイントそれぞれ高くなっており、脂肪分が少ないものや植物性のミルクを使用している人が多いことがわかった[表4]。
■アスリートのほうが一般生活者よりも1日あたりの飲む量が多く、平均金額も高い
1日あたりのコーヒーの飲用量を尋ねると、アスリートは平均「2.52杯」で、一般生活者(1.95杯)の1.29倍多く、より頻繁にコーヒーを飲んでいることが明らかになった。
過去1カ月以内の出場大会のレベル別に見ると、「国際大会相当」出場者は3.64杯(一般生活者の1.87倍)で特に高い割合となり、「全国大会相当」出場者では2.97杯、「地区大会相当」出場者では2.83杯と、出場する大会のレベルが上がるほど、1日あたりに飲むコーヒーの量が多くなることがわかった。
また自宅で飲むコーヒーにかける平均金額を聞いたところ、アスリート全体では177円で、一般生活者の112円より65円高いことがわかった。出場大会のレベル別に見ると、「国際大会相当」出場者の385円が最も高くなっており、活躍する舞台が大きいほど1杯あたりに高い金額を払っているアスリートが多い傾向がうかがえる[グラフ9]。
■健康のためにコーヒーを飲むアスリートは61.1%
「健康のためにコーヒーを飲みたい」かを聞くと、アスリート全体では61.1%と一般生活者(48.3%)より12.8ポイント高く、健康のためにコーヒーを取り入れる意向が高いことがわかった。
過去1カ月以内の出場大会のレベル別に見ると、「国際大会相当」出場者は76.1%、「全国大会相当」出場者では76.4%で特に高い割合となり、出場する大会のレベルが上がるほど、「健康のためにコーヒーを飲みたい」と考えるアスリートの割合が高くなる傾向があることがわかった[グラフ10]。
<調査概要>
●調査時期:2024年8月6日(火)~8月7日(水) ●調査手法:インターネット調査
●デロンギ・ジャパン株式会社調べ【実務委託先:楽天インサイト(2024年8月)】
●調査対象:
(1)「自宅で週に1回以上コーヒーを飲む」20~60代男女200人、計400人 性年代均等割付
(2)「自宅で週に1回以上コーヒーを飲む」人で、月1回以上競技を実施しているアスリート1000人*
*本調査における「アスリート」の定義:自身もしくは所属チームが競技団体(例:日本サッカー協会、日本バスケットボール協会など)に登録をしている人
※本調査では、小数第2位を四捨五入している。そのため、数字の合計が100%とならない場合がある。
構成/こじへい