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現代のミラーレス一眼に「50年前のミノルタMDレンズ」を装着するとどんな写真を撮れるのか?

2024.10.15

2024年の現代、「カメラ」といえば殆どの場合デジタルカメラを指す。

筆者自身、ライターの仕事で活用している一眼レフカメラはAPS-Cサイズのセンサーを内蔵したデジタルカメラ、それもミラーレスである。フィルムカメラも持っているが、それらはあくまでも趣味の道具。実用性で言えば、フィルムカメラはデジタルカメラに敵わない。

しかし、これがレンズであればどうだろうか?

半世紀前に製造されたオールドレンズを現代のデジタル一眼レフカメラにどうにかして設置する、といういささか荒業のように聞こえるかもしれないが、やってみると案外実用的ということが分かる。この記事では、現代のデジタルカメラと70年代に製造されたレンズの組み合わせというテーマで筆を進めたい。

規格の差を乗り越える「マウントアダプター」

一眼レフカメラを購入する際、「レンズキット」と「ボディのみ」を選択することができる。

たとえば、これから富士フイルムのカメラを買うとしよう。その人が長年の富士フイルム製品の愛用者だった場合、当然Xマウントのレンズを持っているだろうから、より高価なレンズキットを買う必要はないはずだ。では、その人がNikon製品の愛用者だったらどうか。Nikonと富士フイルムとではマウントの規格が異なるため、ボディだけ購入しても適合しない……というわけでもないのだ。

決して気軽な手段ではないが、マウントアダプターを使うという方法がある。

マウント規格の異なるレンズをボディに装着する場合、それをつなぐマウントアダプターを挟ませることによってとりあえずは使用できるようになる。「とりあえず」というのは、組み合わせによってはピントが狂う、オートフォーカス等の電子制御の適合は基本的に望めないといったデメリットがあるためだ。

ただし、これがミラーレス一眼レフカメラであれば「ピントが狂う」という難点を克服できる場合がある。

これはミラーレス一眼レフカメラ特有のフランジバックの短さに端を発する現象で、ミラーを省いたことによりマウントアダプターを装着する構造的余裕ができた……と表現するべきか。

半世紀前のオールドレンズをくっつけてみよう!

さて、筆者が普段の仕事で活用する相棒は富士フイルムのX-A5。エントリーモデルのミラーレス一眼レフカメラである。

これにK&F ConceptのマウントアダプターMD-FXをくっつけてみる。「MD」とは、ミノルタMDマウントを指す。

筆者はミノルタ製のフィルムカメラを所有している関係で、MDマウントレンズも複数本用意している。今回は70年代に製造されたミノルタMD W.ROKKOR 28mm F2.8とX-A5を合体。カメラ側の設定を「レンズなしレリーズON」にすることで、50年前のオールドレンズを使用できるようになるのだ。

それにしても、APS-CサイズのX-A5に35mm向けレンズをくっつけると、ここまで異様な姿になってしまうとは……。

SDカードに記録されない「f値」

能書きはともかく、実際に撮影してみよう。

X-A5 f値f/2.8 ISO感度100 シャッター速度1/180秒

X-A5 f値不明 ISO感度100 シャッター速度1/60秒

X-A5 f値不明 ISO感度100 シャッター速度1/640秒

上の作例にはいずれも撮影条件を記載しているが、残念ながら「f値不明」とした写真もある。@DIMEが写真撮影メディアであれば、このような記載をすれば間違いなく編集部員に怒られるだろう。

これは、レンズなしレリーズONというボディ側の設定で撮影している以上、SDカードにf値が記録されない=その時のf値を記憶するしかないという理由から来ている。昔のフィルムカメラを知っている世代ならともかく、デジタルカメラネイティブの世代にとってこのあたりは煩わしさに直結してしまうのではないか。

マニュアルフォーカスを楽しもう!

また、当然ながら現代のミラーレス一眼レフカメラ×オールドレンズの組み合わせはオートフォーカスが使えない。

しかし、この点に関していえば「むしろ利点ではないか」と筆者は考えている。人間の目のような「マニュアルフォーカスの挙動」を楽しむことができるからだ。オートフォーカスが一機能として存在することが当たり前と考えている世代にとって、「レンズの外周を回してピントを合わせる」という作業自体が新鮮ではないか。

そしてフランジバックの短いミラーレス一眼レフカメラが、数十年前のオールドレンズに新たな息吹を与えたことは事実である。

マウントアダプターを活用した撮影術は、デメリットもあるとはいえ表現にさらなる多様性を与える有力な一手と言えるだろう。

取材・文/澤田真一

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