他人と比較して嫌な気持ちになるのは「渇望による嫉妬」。克服するには「自分軸」で生きること。自分が真に大切にすべきものを決め、他人のレベルに左右されず、誰からも謙虚に学ぶ姿勢を持つことが重要。
大人になって気づく、子ども頃にはなかった「新しいギモン」。
人間関係であったり、仕事関係だったり、生き方そのものだったり、あらためて「なぜ?」「何が正解?」と考え込んでしまった経験はありませんか?そして、ギモンと向き合うのが面倒だからと、スルーしてストレスを抱えてはいませんか?
今回は、事業成長の専門家で 「絆徳の経営スクール」を主宰する清水康一朗氏による著書『おとなのギモン 心のギモンは賢く手放そう』から一部を抜粋・編集し、人生を圧倒的に生きやすくするギモン解消のヒントを紹介します。
比較からくる嫌な気持ちが消えない。どうしたらいい?
《A》『大切にすべきものを決めてしまう』
人との比較によって嫌な気持ちを感じるのは「渇望による嫉妬」の証拠です。この「渇望」とは、欲しいけれど得られていない対象に対して起きるネガティブな感情です。いつまでも満たされることがない、もしくは手に入れても、もっと欲しいと際限なく求め続ける衝動的な感情。つまり、自分が得られていないけど、他人が得ていることへの渇望的でネガティブな意味づけが、嫌な気持ちを生んでいるのです。残念ながら、これでは成長につながりません。
これまでお伝えしたように、ここでの答えは、比較した対象者を、自分の「進化・成長」の機会、または「単なる目標」と意味づけることです。
その実践方法は、「自分は自分、他人は他人」と割り切って「自分軸」で生きていくこと、です。何より、真に「自分が大切にすべきもの」を決めて、それ以外の余分なことは考えない、と決めること。自分が決めた目標の達成だけに集中し、その他のノイズを気にしないことです。
人は、売上や学歴などの分かりやすい比較の対象を、自分が実現できていないと、嫌な気持ちになりがちです。一般的には、同じレベルの人とは、つながりや仲間意識が生まれますが、自分より高いレベルの人といると劣等感、自分より低いレベルの人といると優越感を感じやすいものです。
本来は、人のレベルに高いも低いもないのですが、人間とはそういうものなのだ、と最初から分かっていれば、その感情を効果的に使うことができるようになります。つまり、同じレベルの人といて、安心領域だからと満足するのではなく、切磋琢磨して自分を高める意識を持ち続けること。
自分より低いとか、高いと感じるのであれば、どちらからでも謙虚に学ぶ姿勢をもち続けることです。「自分軸」で生きていけば、人は誰からでも、どんな相手からでも学び、成長することができるのです。
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『おとなのギモン 心のギモンは賢く手放そう』
著者:清水康一朗
発行:株式会社日本経営センター(フローラル出版)
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清水 康一朗 しみず・こういちろう
ラーニングエッジ株式会社の代表取締役社長。Forbes オフィシャルコラムニスト。2022年1月発刊『絆徳経営のすゝめ 100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?』の著者。「絆徳の経営スクール」代表。会員1.3万人のコミュニティ「社長の教養」を主宰。セミナーズの創始者。鮎川義介氏などの日本的経営の研究のみならず、アンソニーロビンズ日本事務局長、ブライアントレーシージャパン株式会社の代表取締役会長、ジェイエイブラハムジャパン株式会社の代表取締役会長、ドラッカー学会推進員などを歴任。日本人の経済教育、歴史教育、道徳教育をライフワークとして力を注いでいる。これまでにギリシャ哲学、インド哲学、東洋思想など探求し、西洋と東洋を融合した和魂洋才の経営哲学を確立。「精神的にも経済的にも豊かな日本に向けての貢献したい」という想いから、「絆徳の経営スクール」を立ち上げ、経営教育の流通に努めている。Apple 創業者スティーヴ・ウォズニアック、YouTube創業者チャド・ハーリー、Twitter 創業者ビズ・ストーンなど日本に招聘し、世界トップクラス経営者によるビジネスセミナーのイベント規模において最大規模の実績を持つ。
構成/DIME編集部
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