Dメール
ブロックチェーン技術を活用したWeb3.0電子メールサービス「Dメール」は、コミュニケーションツールにとどまらない可能性を秘めている。Solana Japanなど複数の暗号資産コミュニティを統括し、同技術に精通する毛利元優さんが解説する。
「技術的な一番のメリットは、ブロックチェーンネットワークを介在して『DApps』という様々なアプリケーションと相互接続できることです。例えば、作成したDメールアカウントを、暗号資産の一種であるNFTとして送受信できたりします。この〝アカウントNFT〟を受け取った人は、そのアカウントと紐づいた様々なシステム・サービスを利用できるわけです。ブロックチェーンネットワーク上で共同管理されており、ひとつの企業に依存しないので、従来のメールのようなサービス終了もありません。
見た目は従来どおりのメールサービスですが、中身は最新の分散型認証機能があります。企業でのID管理や権限コントロールをスムーズにできる可能性を秘めています。加えて、古くさい見た目が、Web3.0に慣れていないユーザーに親近感を与え、普及を後押しするかもしれません」(毛利さん)
【DIMEの読み】
他にも、ブロックチェーン技術を生かした決済などへの活用が見込まれている。ITが苦手な人でもDメールにログインするだけで様々なソリューションが利用できる時代がやってきそうだ。
メールプロバイダーに依存せず暗号資産ウォレットがアカウントになる
メールアカウントはDメール提供元ではなく、暗号資産を保管する〝ウォレット〟内に作り、データはブロックチェーンネットワーク上にセキュアに保管される。
DメールとGmailやOutlookなどの従来型メールとの違い
メール送受信の基本機能は両者変わらず。Dメールには分散管理されたデータの主権が利用者に帰属し、またアカウントが暗号資産として譲渡可能な特長がある。
取材・文/久我吉史