『フォトジェニックリカ』は今年度の「日本おもちゃ大賞」のキダルト部門にて、大賞を受賞。キダルトをターゲットにした玩具は今後も要注目。玩具業界の新たなトレンドとなりそうだ。
1967年に誕生し、半世紀以上にわたって愛される『リカちゃん』。幼い頃に手に取って遊んだことがある人も大勢いるはずだが、近年は大人になってからリカちゃんで遊ぶ「リカ活」がSNSで注目されている。なぜ令和の時代にこのような現象が盛り上がっているのか?
大人のリカ活とは?
「〝リカ活〟はSNSでユーザーの方々から自然発生した言葉です。2020年からコロナ禍でお家時間が増えたことをきっかけに、大人が自分好みのリカちゃんを想像して洋服を手作りし、さらに撮影してSNSにアップすることが盛り上がりました。まさに大人になったからこそできる、今の時代ならではの楽しみ方だと思います」(タカラトミー・柳寺薫乃さん)
その一方で、玩具業界では子どもの心を持った大人を意味する『キダルト(キッズ+アダルトの造語)』が注目されているという。その背景には昨今の推し活ブームなども影響しており、玩具全体で大人の需要が高まっているのだ。
そんなリカ活の盛り上がりを受けてタカラトミーでは、可動式関節ボディで自然なポージングができる『フォトジェニックリカ』を9月21日にリリース。理想的なポージングでSNSにアップする、大人のニーズを強く意識した企画といえるだろう。
さらに興味深いのは、大人の女性をターゲットにした商品のPRにリカちゃんを起用する企業が増えていること。例えばミツカンから発売されているビネガードリンク『フルーティス™』のPR動画では、働く女性に扮したリカちゃんが帰宅後にちらかった部屋を掃除したり、フルーティス™を飲んで一休みしている。描かれているのは少女時代に憧れたリカちゃんとは一味違う、大人になった等身大のリカちゃんだ。
子どもの頃にリカちゃんで遊んでいた世代が、大人になってリカちゃんと再会する。現代のリカちゃんは、幼少期のあたたかい思い出が湧き上がると当時に、大人の女性に親近感も与えてくれる。そんな存在となっているのだ。
特に肩と腰の動きにこだわり
『フォトジェニックリカ』
希望小売価格 5500円
関節が動く可動式の「ネオリカボディ」を採用。リーズナブルな価格設定で、リカちゃんにまだ馴染みのない人でも手に取りやすいよう意識した。
肩や膝など関節が動いて自然なポージングが可能
タカラトミーが培った人形作りの経験と技術を結集し、美しい可動式ボディを実現。
着せたい服を手作りする
昨年10月末にはリアルクローズの着せかえ服と小物のレシピ本『今すぐ作りたいリカちゃんの着せかえ服』(ブティック社)もリリース。
リカちゃんが働く女性に!企業コラボも多数
ミツカン『フルーティス™』のほか、ファンケル『マイルドクレンジング オイル』など、大人がターゲットの商品とのコラボが続々!
取材・文/高山 惠
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。