関東地方で起こっている一連の強盗の報道を受け、自宅の防犯について見直しをしている人も多いのではないだろうか。
三井住友海上火災保険は、30歳~49歳までの子持ち家庭の男女500人を対象に、防犯アドバイザー京師 美佳さん監修のもと、住宅防犯における意識や各家庭の防犯状況など、最新の住宅防犯に関する『令和の住宅防犯実態調査』を実施した。
7割以上の人に住宅侵入に遭いやすくなる習慣があるが、6割以上が防犯対策していない
「玄関先が掃除されていない」、「自宅の敷地内で周囲から死角になる場所がある」、「ゴミ出しなどの際に鍵を開けたままにすることがある」等の住宅侵入に遭いやすい家の特徴※1に当てはまる家庭を調査したところ、「はい」と回答した家庭は75.6%となった。
その中で防犯対策ができていない人は64.6%とできている人の割合を上回る結果に。多くの人が無意識の内に住宅侵入に遭いやすい状況を作り出していることが分かった。
※1:以下のような特徴。
・自宅の植木/枯れ木の手入れがされていない ・玄関先が掃除されていない
・ポストにチラシなどが溜まりがち ・夜の時間帯に自宅周辺が薄暗く人目につきづらい
・自宅の敷地内で周囲から死角になる場所がある
・コンビニなど5分以内の外出やゴミ出しなどの際に鍵を閉めないことがある
・置き配を夜まで放置していることがある
・外に干した洗濯物を仕事などで夜遅くまで取り込まないことがある
・自宅にいる際に玄関や窓の鍵を開けたままにすることがある(夏場や換気の際に開放している場合は除く)
・リモートワーク中に玄関や窓の鍵を開けたままにすることがある(夏場や換気の際に開放している場合は除く)
「住宅侵入は開始から完了までどれくらいの時間で犯行が行われると思いますか」という質問に対しては「10分未満」が1番多く回答が集まった。
多くの住宅侵入は侵入~完了までに約5~10分間で完了してしまうと言われており、多くの人が正しく認識をしていることが分かった。
しかし、ゴミ出し等の短時間の外出であれば鍵を閉めない人が約2人に1人もいることが判明。また、在宅勤務をする人が増える中、調査では約半数の人がドア・窓の鍵を開けたままにすることがあると分かった。
警察庁「住まいる防犯110番」※2より侵入窃盗の侵入手口は無締まりがガラス破りを上回り1番となっていることから、ドア・窓の鍵を開けたままにすると、家に人がいるとき侵入して、金品を盗む居空きの危険も高まるため在宅時も鍵を閉めることが重要だ。
月額の防犯予算は7割の人が2,000円以下、約2人に1人が防犯対策をしていてもイタズラや住宅侵入に遭っている
防犯対策をしていると回答した168名に、「置き配の窃盗」「住宅への落書き」などのイタズラや住宅侵入の被害に遭ったことがあるかの調査を行ったところ、約2人に1人が被害に遭っていることが判明。
特に住宅侵入の被害に遭ったと回答した人の内6割の人が「当時、自分の家は防犯対策ができており被害に遭わないと思っていた」と回答した。大切な家や家族を自ら守れるように自宅の状況をいつでも確認できるような対策が必要かもしれない。
現在、防犯対策している人の月額費用について調査したところ平均が3,833円と判明。一方で、これから防犯対策を検討している人の7割が2,000円以下と低コストでの防犯を求めていることが分かった。
このことから、これから防犯対策を検討している人は性能だけでなく、コスト面も非常に重要視しており、防犯対策にも一定のコスパが求められていることがうかがえる。
最近ではホームセキュリティの価格引き上げも続く中、AIカメラ等2,000円以下からはじめることができる防犯サービスや防犯グッズも増えてきているので、ぜひチェックしてみてほしい。
京師 美佳 氏(防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト)のコメント
調査の結果には日本人の危機意識の薄さが出ております。住宅に侵入されやすい家の特徴に当てはまる人が75.6%もいて、大半の64.6%も対策ができていない。どう対策したらよいのかわからないという意見も昔からありますが、多くは「自分は大丈夫だろう」という気持ちから対策の実行につながっていません。
昨年は、一般住宅も標的にした広域強盗がメディアでも頻繁に取り上げられ、防犯グッズが前年の20倍売れた店舗もあると聞きます。被害を身近に感じて、初めて対策するのが今の日本の現状です。
また、2023年は、車両盗難の約4割が住宅の駐車場で発生※3しています。空港の駐車場に停めてある車にGPSを設置することによって、防犯対策ができていない住居まで追跡し、「ゲームボーイ」と呼ばれる車両盗難ツールで盗む事例もあります。
住居・車の防犯のポイントは、犯罪者が嫌がる4原則(音・光・時間・人の目)で対策することです。AIやIoTを使用した防犯カメラなどで、侵入者に対して即時にアクションすることが今後の防犯 対策には有効です。
※3:警視庁 生活安全企画課 令和6年「自動車盗難の駐車場所別認知件数の推移」
調査概要
調査名:令和の住宅防犯実態調査
調査目的:住宅防犯における意識や、各家庭の防犯状況について明らかにする
調査期間:2024年8月9日~8月20日
調査方法:インターネット調査
調査対象:
・30歳~49歳で、子を持つ男女500名
・持ち家戸建てを所有しており、同居する子どもがいる人
監修:京師 美佳 氏(防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト)
関連情報
https://www.ms-ins.com/solution/ms-lifeconnect/ai-smart-camera/
構成/Ara