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生活者の7割以上が加齢による目の健康状態の低下を実感、8割が「低下するとQOLも下がる」

2024.10.10

ロート製薬は、10月10日の「目の愛護デー」を前に、近年注目されている加齢による目の機能低下「アイフレイル」に関するアンケート調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

目の健康とQOL

加齢による目の健康状態の低下を感じている人は全体の75.1%だった。年代別で見ると、20代で38.3%、30代で52.2%、40代では78.2%に達しており、40代で目の健康状態の低下を感じる人が大幅に増加していることがわかる。

また、目の健康状態の低下によって生活に変化があったと回答した人は79.5%に達した、その内容は1位「パソコンやスマートフォンが使いにくい」39.7%、2位「新聞や本を読むなど、字を読むことが楽しめない」31.8%と、生活や仕事に支障をきたすような変化が上位にランクインしている。

さらに3位「頭痛や肩こりがする」30.9%、4位「ストレスを感じる」25.2%と、心身の健康に影響をおよぼす変化も見受けられる。

目の健康状態が低下することで生活の質(QOL)が下がると感じる人は全体で83.1%、40代で83.8%と、目の健康が生活全般における重要な要素であることがわかった。

QOLが下がると思う理由については、「できないことが増えて、ストレスが溜まって、何もやりたくないと思うことが増えそうだから(40代女性)」、「目が見えないと外出することが大変になったり身の回りのことに不安が生じるため(40代女性)」、「全てのことへの意欲がなくなる(40代男性)」といった声が寄せられた。

■アイフレイルの可能性がある割合

近年注目されている「アイフレイル」とは、「加齢に伴って目が衰えてきたうえに、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態」とされている。

放置すると目の機能がさらに低下し、重篤な目の疾患に進行するリスクがあるため、早期に対策を取ることが重要。日本眼科啓発会議の「アイフレイルチェックリスト」のうち2つ以上の症状にチェックがついた場合、アイフレイルの可能性がある。

今回の調査において、「アイフレイルのチェックリスト」であることは伝えずにリストと同じ項目を提示して、自身にあてはまるものをチェックする形で調査を行ない、2つ以上チェックがつく方を、アイフレイルの可能性がある方と判定している。

その結果、全体の半数以上にあたる50.7%が、2つ以上の項目にチェックがつき、アイフレイルの可能性があることが判明した。年代別に見ると、30代以下では3割以下でしたが、40代は52%と、40代から急激に増加している。特に40代以上の人はアイフレイルの可能性を疑ってみた方がいいかもしれない。

また、アイフレイルの可能性がある人のうち、その症状に対処している人は46.2%にとどまっており、半数以上の人が適切な対策を講じていないことが明らかになった。

対処しない理由としては、1位「仕方ないことと諦めている」39.6%、2位「対処法がわからない」34.1%といった理由が多くなっている。現在1年に1回以上眼科を受診している割合は43.1%に留まっているが、同社では目の不調を感じた際は早めの眼科受診を勧めている。

■アイフレイルの認知率

「アイフレイル」の認知率はわずか18.9%で、老眼の認知率96.8%と比べると1/5以下であることがわかった。また、アイフレイルの可能性がある人でも自分がアイフレイルの可能性があることを認識していなかった人は94.1%に達しており、多くの人が目の健康リスクを認識していないことも判明した。

順天堂大学医学部眼科 先任准教授・平塚義宗先生の解説

順天堂大学医学部眼科 先任准教授
国立保健医療科学院 客員研究官
平塚 義宗(ひらつか よしむね)先生

アイフレイルとは、分かりやすく言うと「加齢による目の機能低下」の総称です。加齢に伴う目の変化に、糖尿病や高血圧、遺伝などの内的な要因や、生活習慣、喫煙、薬剤などの外的な要因が加わることで、アイフレイルの状態となります。

今回の調査では、目の健康状態の低下およびアイフレイルの可能性がある人が、ともに40代で急増していました。40代は多くの方が老眼(老視)を自覚しはじめる年代です。いままで目の病気を意識したことがなかった方でも、初めて目の問題と向き合うことになるのが40代です。

老視は加齢による調節力の低下のことであり、アイフレイルのひとつです。また、多くの方が老視から初めて目の機能低下(アイフレイル)を感じるため、アイフレイルを自分ごととして感じられる疾患です。

アイフレイルが進行すると、さまざまな病気のリスクがあります。水晶体の濁りが増えれば白内障、網膜の神経細胞が減少すれば緑内障、血管が脆弱化したところに糖尿病が加われば糖尿病網膜症、網膜の黄斑部の機能が低下すれば加齢黄斑変性が起こります。

アイフレイルを予防するには、目の問題を自分ごととしてとらえ情報収集し、早めにできることから行動することをおすすめします。例えば老眼は急に起こるものではありません。不自由を感じたら、早めに対策することが重要です。健康的な生活を心がけ、喫煙はしない、強い紫外線は避ける、必要の無い薬剤はとらない、栄養の偏りがないようにする。

また、社会参加し、世の中の人々と交流し、正しい情報を得てください。

もしアイフレイルになってしまったら、加齢による目の不具合を、年のせいだから仕方がないと諦めずに、改善するためにできることから対処していくことが重要です。予防できる習慣を取り入れ、適切な眼鏡やコンタクトを装用し、治療できるものがあれば対応する。アイフレイルアドバイスドクター(※)に相談すると良いと思います。
※アイフレイルの診療・研究・啓発活動を行っている眼科医のこと。

見え方とQOLには強い関連があることは多くの研究から明らかになっています。目の健康寿命を延ばすにはアイフレイル対策が大切ですので、多くの方にアイフレイルを知っていただき、早めに目のケアへ取り組むきっかけにしてほしいと思います。

調査概要
調査対象/20〜80代の男女1000名(人口構成比割付)
調査方法/インターネット調査
調査機関/自社調査
調査期間/2024年9月13日~9月16日
出典/ロート製薬調べ

関連情報
https://www.rohto.co.jp/

構成/清水眞希

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