5.今の疲労感に該当するのは、何かしたいがモチベーションがわかずに時間だけが過ぎていく「低モチベ疲労感」がトップに
中富先生監修の下、現代社会におけるミドル世代のライフスタイルの特徴を踏まえ、疲労感を10パターンに分類し、命名した。
その上で、Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q6で「あなたが感じている疲労感に該当するものをすべてお選びください」と聞いたところ、何かをやりたいが、モチベーションがわかず時間だけが過ぎていく「低モチベ疲労感」(39.5%)が最も多く、続いて、次から次へと問題や課題があらわれて、こなしきれない「終わらない疲労感」(34.5%)、仕事と家庭など時間が限られている中で複数のことを達成しなければならないことによる「逆説疲労感」(30.2%)という結果になった。
また、Q7で「低モチベ疲労感」を選んだ理由を自由記述で聞いたところ、やるべきことが多く、それに対してモチベーションが湧かないことが疲労感に影響していることが明らかになった。
【Q6】あなたが感じている疲労感に該当するものをすべてお選びください。(複数回答)n=800
【Q7】あなたが「低モチベ疲労感」を選んだ理由を具体的にお答えください。(自由記述)n=316 ※回答より一部抜粋
●女性 51歳 パートタイム勤務 既婚 子育て
「家の片付け等やる事は沢山あるのにやる気が起きずダラダラと時間だけが過ぎてしまうから。」
●男性 51歳 会社員 既婚 子育て中
「日頃思いついたことややらないといけないことに対して素直に行動できるが、たまにやらないといけないとは思っていることに動きだすことができないことがある。結果的にはやるが気分がのらない状態での作業を行なってしまう。」
●女性57歳 自由業(フリーランス) 既婚 子育て中
「子供の受験や姑の介護でいろいろ問題が起き、やることが多い。仕事の準備や研修会などやる事、やらなければいけない事があるが、お尻に火がつかないとやり始められない、家事が面倒に感じることしばしば……等です。」
●男性 49歳 自由業(フリーランス)未婚
「仕事はあって、締め切りもすぐ目の前(ときには今日)なのに、なかなかやる気がわかず、着手が遅れてしまうことがたまにある。気持ちが盛りあがらないせいなのだけど、体ではなく、心が疲労感を感じているのかな、と。」
6.疲労感の原因の一つである“細胞のサビ”について知っている人はわずか3割
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q8で「疲労感の原因の一つが細胞のサビ・抗酸化力の低下であることを知っていますか」と聞いたところ、「知っている」が4.9%、「なんとなく知っている」が26.1%と、 “細胞のサビ”について知っている人は31.0%という結果になった。
さらに、Q9で“細胞のサビ”への対策方法を知っているか聞いたところ、「あまり知らない」が35.5%、「まったく知らない」が15.3%と、50.8%が細胞のサビへの対策方法を知らないということわかった。
【Q8】あなたは疲労感の原因の一つが細胞のサビ・抗酸化力の低下であることを知っていますか。(単一回答)n=800
【Q9】あなたは細胞のサビ・抗酸化力の低下への対策方法を知っていますか。(単一回答)n=248
7.疲労感を感じる人の約7割が「20、30代の頃よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えた」と回答
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q10で「20代・30代の頃の自分よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えたか」聞いたところ、「とても増えた」が20.8%、「増えた」が48.9%と、69.7%が疲労感によってやりたいことを諦めることが増えたと回答した。
【Q10】あなたは20代・30代の頃の自分よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えましたか。(単一回答)n=800
8.疲労感を感じていなかったらやりたいことTOP3は1位「家族と旅行に行きたい」、2位「筋トレをしたい」、3位「スポーツをしたい」
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q11で「もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなにか」聞いたところ、「家族と旅行に行きたい」が最も高く31.0%、以下、「筋トレをしたい」が26.4%、「スポーツをしたい」が25.1%と続き、アクティブな行動に時間を費やしたいと思う傾向が見られた。
さらに、男女別に回答結果を見たところ、男性は「家族と旅行に行きたい」と「筋トレをしたい」が同率で30.6%、次いで「スポーツをしたい」が27.6%となった。女性は「家族と旅行に行きたい」が最も高く31.4%、次いで「髪のケアなど美容の時間に充てたい」が28.6%、「パートナーや友人と旅行に行きたい」が25.4%と続き、男女での結果に違いが見られた。
【Q11】もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなんですか。(複数回答)n=800
【Q11】もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなんですか。(複数回答)n=800
■監修者プロフィール
中富 康仁 先生(疲れと眠りのクリニック淀屋橋 院長)
福岡県出身。2002年京都府立医科大学医学部 卒業。
大阪市立大学・疲労クリニカルセンターにて疲労科学を研究したのち、日本で初めての疲労専門クリニックを開設。10年にわたり疲労や睡眠に悩む患者の診療を続けている。疲労の科学、コロナ後遺症による倦怠感、慢性疲労症候群について、YouTubeでの解説も行なっている。
■監修者コメント
長い猛暑を経てようやく来た今年の秋は、疲労感がとれないと感じている方も多いと思います。疲労感を回復させる力である「抗酸化力」が消耗しており、あらたな「細胞のサビ」に対抗できない状態になっていることが原因です。さらに寒暖差の影響も加わることで、朝にエンジンがかかりにくいと感じる方もおられるかと思います。
「抗酸化力」の低下は、忙しくて休息が取れず、ストレスにさらされ、睡眠不足である人が陥りやすい傾向にあります。また年齢とともに「細胞のサビ」に対抗する抗酸化能が低下するため、仕事が忙しく家庭を持つミドル世代の方々は特にケアが必要になります。
疲労感の影響からか、当院の患者さんでも特にミドル世代の方に「休日に出かけたいがゴロゴロしてしまう」、「運動不足を感じてジムに行こうと思うが足が向かない」などの訴えが多いです。終わりの見えない疲労感からか、何かやりたいけど、モチベーションがわかない、まさしく『低モチベ疲労感』に悩まれているのがミドル世代の特徴かと思います。
特に子育て期ではどうしても睡眠不足になってしまいます。「本当は早く寝たほうがいいのだろうけれども、ようやく自分の時間と思うとだらだらと動画をながめてしまって寝るのが遅くなる」ことで、さらなる睡眠不足を引き起こし、「細胞のサビ」がとれない状態が長く続くため、なかなか疲労感が抜けないと悩まれる方もいらっしゃいます。
仕事が忙しい方は、明確な原因がわからずなんとなくの疲労感を放っておいてしまう方がいらっしゃいますが、長引くと免疫力の低下や不調につながりますので注意が必要です。
疲労感の軽減には、日々の生活習慣の見直しと、適度な運動、十分な睡眠時間を確保し、「抗酸化力」を向上させる栄養成分を摂取することが重要です。
<調査概要>
調査主体 :サントリーウエルネス株式会社
調査名 :ミドル世代の疲労感に関する実態調査
対象者 :全国に住む40~50代の男女 1,000名
調査期間 :2024年8月30日(金)~2024年9月5日(木)
調査方法 :インターネットリサーチ
出典元:サントリーウエルネス株式会社
構成/こじへい