DIME MAGAZINE
2024年4月からDIMEにて連載が始まった「マンガでわかる生成AI」の原作を担当しており、アステリア株式会社、および生成AI協会（GAIS）でエバンジェリストを務めております森一弥です。
本コラムも6回目になりました。割と真面目な仕事関連のネタを書いてきたのですが、読者の皆さんの中には、週末はキャンプやDIY、旅行などのアウトドアを楽しんでいる方が多いのではないでしょうか。
ちょうど秋の行楽シーズンでもありますので、今回は生成AIで旅行の計画を立ててみようと思います。
4つの生成AIが提案してくれた旅行プランを比較
今回使うのは、
言わずと知れた生成AIの代名詞「ChatGPT」、検索に強いGoogleの生成AI「Google Gemini」、ChatGPTと性能に肩を並べながらも安全性に重点を置く「Anthropic Claude」、特にWeb検索で力を発揮する「Perplexity」、以上4つのサービスです。
これらを使って旅行の計画を立ててもらいましょう。各サービスの得手不得手などもありそうですが、条件としては、すべてのサービスを無料版で使ってみることです。
行き先は手軽な国内旅行。都心からのアクセスも良く、温泉や紅葉、エヴァンゲリオンまで楽しめる「箱根」をターゲットにしてみました。週末でも気軽にできる一泊旅行です。以下のプロンプトを各サービスに入力して考えてもらいましょう。
1泊2日の箱根の家族旅行を計画していますのでプランを考えてください。出発は新宿からで公共交通機関を利用します。景色を楽しみたいのと、ちょっとしたアクティビティもあると嬉しいです。宿泊は温泉宿であまり高級なところは予算的に難しいので、一泊ひとり15000円以下で考えてください。
ChatGPTの回答（全文は画像クリックで表示）
ChatGPTでは、わりとシンプルな回答が返ってきました。小田急ロマンスカーで「箱根湯本」駅に行き、商店街や強羅を散策。具体的なスポットとして「箱根美術館」という単語が出ています。
宿泊地としては、強羅温泉や仙石原温泉という地域の提案はあるものの、具体的な宿までは出ていません。
2日目は、大涌谷、芦ノ湖、箱根神社と箱根の有名どころを巡り、プランとしては王道な感じです。具体的な店名やグルメ情報については「黒たまご」の記載はあるものの、もう少し具体的な提案が欲しかったところ……。
もちろんチャットですので、追加で質問やリクエストをしていくことで情報を出してくれることもあるでしょう。ChatGPTはネット検索の代替というわけではないので、特定の日程で宿を探すといった際には向いていないと思われますが、欲を言えば、各エリアごとのグルメ情報などは欲しい気もします。
続いては、Google Geminiの回答です（全文は画像クリックで表示）
パッと見でも、サムネイル画像がたくさん出ているので気分も上がりますね。
1日目は箱根湯本で散策、大涌谷に向かうコース。大涌谷のテッパン、黒たまごに始まり、箱根湯本での湯葉料理を提案してくれました。2日目は芦ノ湖からの美術館巡りです。宿泊先については「条件に合わせて検索してみてください」とありました。温泉宿の具体的な提案はなかったものの、各観光施設のサムネイルは、参照しているリンクから詳細情報が掲載されたサイトに飛ぶことも出来たので、さすが「検索の老舗」という感じ。さらに、誤情報がないかのチェックも可能なので、なんとなく信頼ができます。
続いては、Anthropic Claudeの回答です。（全文は画像クリックで表示）
Anthropic Claude は一見シンプルな回答が返ってきました。ですが、なんと各行程の所要時間が入っています。移動時間の所要時間は多少の余裕があるのですが、乗り換えタイミングによっては待ち時間も発生するので、そこまでは考慮されていないようですね。
1日目は登山鉄道、強羅公園、大涌谷、芦ノ湖海賊船とだいぶ盛り沢山です。翌日は美術館巡りの日でしょうか。行き先は具体的なのですが、実際にこのスケジュール通りに行くのはハードそうです。宿泊先については2件の提案をしてくれました。どちらも素敵な宿ですが、予算はオーバーしているような……。
最後にPerplexityの回答です。（全文は画像クリックで表示）
こちらは回答自体はシンプルですが、最初にソース情報が記載されています。サムネイルも出ており、このあたりが検索に強いと言われる所以かも知れません。1日目のプランは「Claude」とほぼ同じく、やや詰め込み気味。所要時間についても同じですね。
強羅公園の足湯が提案されていますが、別途調べてみた感じだと強羅公園内に足湯は無いようなので、多少の誤情報が入っている可能性があります。
2日目はユネッサンへ行くことがメインイベントになっていますね。これは他のLLMではなかった回答です。プロンプト内に「アクティビティ」というリクエストを盛り込んだのが効いたのかと思われます。例えば旅行が子供連れならば、美術館巡りよりもコチラのほうが喜ばれそう。宿については1件提案がありました。こちらのリンク先は宿のページではなく、移動手段も含めたオトクなパックへのリンクでした。これはこれで嬉しいですね。また補足情報として、箱根フリーパスの案内のほか、ユネッサンには「水着持参」という重要な案内もありました。これはかなりポイントが高いですね。
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