使ってわかった!子育て世代に推薦したいHUAWEIのオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「FreeClip」
2024.10.10【コウチワタルのMONO ZAKKA 探訪】
子育て世代に大推薦したいオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン『FreeClip』実機レビュー
これまでアップル、SONY、BOSEのワイヤレスイヤホンを使用してきた筆者が、新しく購入したのがHUAWEIから発売されているオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン『FreeClip』である。きっかけは第2子が生まれたことで、子育ての最中にも外部の音を聞こえるようにしておく必要が生じたからである。これまで1ヶ月近く使用して、非常に満足している製品であるので、実際に使用して気が付いたことを交えて紹介しようと思う。
『FreeClip』とは
『FreeClip』はHUAWEIより2024年2月20日(ベージュ色のみ5月15日)に発売された製品である。意外と発売されてからの期間は経過しているものの、発売し当初は大人気により欠品が続いたこともあってか、家電量販店の店頭を覗くと現在も注目製品として扱われている印象だ。
詳細は後ほど紹介するが、本製品の特徴をひと言で述べると、耳の穴をふさがないオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンということになる。世の中にワイヤレスイヤホンか多く登場してきたものの、オープンイヤー型の製品の数はまだそこまで多くない。そうしたオープンイヤー型のワイヤレスイヤホンの中でも本製品はユーザー体験の高さの点(あとは値段の点でも)最上位に位置する製品という認識だ。
『FreeClip』の特徴
◆外観について
まずは充電ケースから。
『Airpods Pro』を使用していた筆者からすると、以前使用していたBOSE社の『Quiet Comfort Earbuds 2』のように充電ケースのサイズが大きくて煩わしいことを懸念したのだが、実物を手にするとそこまで『Airpods Pro』と変わらないことに驚いた。これは嬉しい誤算である。なお公式サイトによれば充電ケースのサイズは59.7×51.95×27.35mmとなっている。
充電ケースのデザインは非常にシンプルで、唯一のボタンであるペアリングボタンについても凹凸のないデザインとなっているのは抜かりが無いと感じる。
正面のLEDインジケーターは充電状況やペアリング状況を表示するものだ。
本体下部には充電用のコネクタがあり、給電はUSB Type-Cケーブルを介して行う。
付属するケーブルほか、一般的なUSB Type-Cケーブルでも充電は可能だ。なお、本製品はワイヤレス充電にも対応しているので、徹底的にケーブルを減らしたい筆者のような人間にとってはこの点も購入の際のポイントとなる。この点、BOSE社の『Quiet Comfort Earbuds 2』はワイヤレス充電に対応していなかったので、改めてワイヤレス充電のありがたみを感じることになった。
充電ケースを開けると『FreeClip』本体のお目見えである。
ご覧の通り『FreeClip』はスピーカーに当たる「アコースティックボール」、耳の裏側にあたる「コンフォートビーンズ」、それらを繋ぐ「C-Bridge」の3つのパートから構成されている。
特に「C-Bridge」はニッケルチタン形状記憶合金を素材にしているため柔軟性があり、おかげで耳に装着する際に軽く曲がり元に戻ることで、耳を優しく、それでいて確実にクリップしてくれる。
ケースから取り出す際、収納する際もこの「C-Bridge」を掴んで行うことになるが、一度掴んだらそのまま持ち替えることなく耳に着脱できるので、片手が塞がっていてもできる点が非常に便利である。特に子育てをしていると片手が塞がっている状況が多々あるので、これこそまさに自分が求めていた製品、と感じた。
装着した際の姿としてはピアスを着けているような見た目になるため、この辺りは好みの分かれるところかもしれない。
筆者としてはこの点含めてセンスがあって気に入っているものの、例えば仕事のWeb会議で相手の目に触れた際にカジュアルすぎる見た目がタブーな職種の場合には注意する必要があるだろう。なお、装着感はとても快適で長時間使用していても特段耳が痛くなることはなかった。もちろん耳に挟む構造である以上、全く圧力を感じないわけではないので、出来る事ならば店頭で試着させてもらうことを薦めたい。 皮膚炎など、肌が敏感な人も注意が必要だ。
◆音質と音漏れについて
音質については申し分ない印象である。オープンイヤー型のイヤホンということで音質が犠牲にされているかというとそんなことはなく、低価格(1万円未満)、中程度の価格(2万円未満)のオープンイヤー型イヤホンと比べると間違いなく高音質のイヤホンとなる。外部の音も耳に入ってくるということでイヤホンの音が聴こえないのではないか、と心配する人もいるかもしれないが、例えるならば耳元で誰かが語りかけてくれるようなもので、イヤホンの音が手前にあるため外部の音と聴き分けることに何ら問題はないのでその点は安心してもらい。ただし、ノイズキャンセリング機能の付いているイヤホンと比較するとやはり外部の音の影響は受けてしまうため、交通量の多い幹線通り沿い、地下鉄の中やホーム、工事現場の近くなどでは極端にイヤホンの音は聴き取りづらくなるのでその点は注意が必要である。筆者は地下鉄で通勤しており、基本的には難なく使用できているものの、一部の区間では線路と車輪の接触音が大きく、イヤホンの音が聴き取れないことも経験している。
音漏れについては若干生じる点には留意する必要がある。やはりイヤホンと耳の間に隙間があるデザインのため、近くに人がいる場合は音量を大きくしている場合には音が漏れ聞こえてしまう可能性がある。印象としては音量を50%以上にすると何らかの音は漏れ聞こえてしまう印象である。なお、『FreeClip』では音漏れへの一定の対策は講じられていて、逆位層の音波を出すことによって外部に出る音を打ち消す仕組みとなっているため、そうしたものがない製品と比べるとまだましな可能性がある。
◆操作性について
操作性については良い点と悪い点が混在しており、おおむね満足できるが一部で改善を期待したい、というのが筆者の感想である。まず良い点としては『FreeClip』ではタッチセンサーが搭載されているので、耳に装着した本体をタップするだけで音楽の再生・停止や曲送り・曲戻しを行うことができる。「タッチ」ではなく「タップ」の動作で作動する仕組みであるため、少なくとも筆者の場合は誤って触ってしまって誤作動を起こす、ということは経験していない。また、本製品では試験的な機能の扱いではあるものの、タッチセンサーにより音量調整(一度の操作につき3段階まで)も可能になっている。こちらは発売当初には搭載されておらず、その後のアップデートにより搭載された機能であるが、やはり聴く場所に応じて音量を調整したい場面は多いので、この機能は大変ありがたい。筆者としてはこの点も購入の決め手となった。
一方の悪い点としてはこのタッチセンサーの反応性が若干悪い点が挙げられる。特に音量調節の際は強めにタップしてそのまま長押しする操作を求められるのだが、感知されないことも多く、感知される場合もタイムラグがあるので押し続けてしまい音量を上げすぎてしまう、という誤作動もよく起こっている。この点は今後のアップデートや新製品では是非改善を期待したい。
なお、本製品は最大2製品までマルチ接続に対応しており、一度設定すれば機器側で何ら操作することなく、どちらの製品の音も『FreeClip』から流すことができる。筆者の場合は仕事用のPCとスマホの2台に接続しているため、音を流すデバイスを変えると、イヤホン側が自動でそちらの音声に切り換えて流してくれるので、これは本当に便利である。欲を言えば3製品までマルチ接続ができるとより便利なのだが、それでもマルチ接続に対応しているだけで他の製品よりアドバンテージがある印象だ。
また、『FreeClip』は左右識別機能を搭載しているため、左右の区別なく耳に装着できる。この機能は非常に有用で、例えば片耳のみ装着したい場合でも2台のイヤホンを左右に付け替えることなく、同じ側の耳に順番に使用することも可能になっている。筆者のように片側のみ使用する場合は左耳に装着したいという場合でも、2台のイヤホンを順番に左耳に使用することで2倍のバッテリー駆動時間を活用することができるわけだ。
◆その他
これは『FreeClip』に限った話ではないのだが、耳を塞がないオープンイヤー型のイヤホンを使用して良かったと思ったことの一つが食事の時の咀嚼音が気にならなくなった、ということだ。耳を塞ぐタイプの場合、装着したまま食事をすると自分の咀嚼音が大きく聴こえてしまう。その点、オープンイヤー型にはそのようなデメリットはないので実際に使用して気が付いた嬉しい発見であった。
『FreeClip』を購入するには
『FreeClip』のカラーラインナップはブラックとパープル、ベージュの3種類で今回紹介したのはブラックとなる。なあおブラックと言っても完全な黒というよりはスペースグレーなどの色の方が正確かもしれない。価格は税込み27,800円で、全国の家電量販店の他、Amazon等からも購入することが可能だ。
■関連情報
https://consumer.huawei.com/jp/audio/freeclip/
文/Wataru KOUCHI
趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc…。日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介!