日本人の国民食とも言われるカレーに、新たなムーブメントを起こしているのが、水を一切使わずに調理する〝無水カレー〟だ。鋳物ホーロー鍋メーカーのバーミキュラが運営するレストランでは無水調理への関心の高まりを受け、8月から期間限定で無水カレーを提供。減量食として無水カレーを食べ続けるボディービルダー・無水カレーニキさんのレシピ動画が延べ332万回再生を記録するなど、注目を浴びている。
そんな無水カレーのトレンドはレトルトにも波及。ネットで買える商品が続々と登場中だ。中でも、パーソナル・トレーニングジム『トータル・ワークアウト』が、ファッションブランドディレクターや料理家として活躍する亜希さんをプロデューサーに迎えて商品化した『【亜希ちゃん印】無水でつくった満足カレー』が大ヒット。7月5日の発売日に初回出荷分の3000食が完売し、販売数は3か月弱で累計1万食に迫る勢いだ。
「トレーニングをする人が、継続しておいしく食べられる商品を目指して開発しました。家族ぐるみで付き合ってきた彼女の料理には、理論だけではない〝おいしく食べてもらう工夫〟が凝らされています。そのマインドこそが今回の商品には必要でした」
そう語るのは、トータル・ワークアウト代表の池澤智さん。無水カレーの提案は、亜希さんからだったという。
「野菜本来の旨味と水分がしっかり出て、栄養価を閉じ込められる絶好の調理法だと聞き、健康志向が高まっている現代のニーズにも応えられると確信しました」(池澤さん)
ほかにも、スパイスカレー専門店や人気ラーメン店による新製品が次々に誕生している。どれも1000円前後と、レトルトにしては高値の印象を抱くかもしれない。しかし、都内の有名店では1食1000円を軽く超える昨今の物価高を考えると、具沢山で栄養価も高ければ、割安と捉えることもできる。レトルトカレーの1ジャンルとして、こだわり派の無水カレーの需要は、今後も高まりそうだ。
鶏肉の程よい食感と濃厚なルーがたまらない
トータル・ワークアウト『【亜希ちゃん印】無水でつくった満足カレー』
950円
抗生物質不使用の南部どり、国産玉ネギ、青森県産のリンゴとニンニクなど、こだわりの厳選素材を使用した無添加カレー。体づくりにフォーカスし、オリジナルのホエイプロテインを配合。1食でタンパク質28.4gを摂取できる。
[栄養素]エネルギー:253kcal タンパク質:28.4g 脂質:7.2g 炭水化物:18.6g 食塩相当量:2.3g
2人の野球少年を育てた豪快で愛情たっぷりの料理が人気の亜希さん(右)。手がけたレシピ本も多数。
『トータル・ワークアウト』はアスリートや著名人が信頼を寄せるパーソナル・トレーニングジム。
野菜の旨味と甘味がギュッと詰まっていて、濃厚なのにどこか優しい味わい。亜希さんおすすめの梅干しのトッピングを試してみたら、程よくパンチが加わって美味!
トマトの酸味が絶妙なアクセント
らーめん芝浜『芝っ子カレー ポーク カレー』
630円
行列のできる群馬の人気ラーメン店『らーめん芝浜』が手がける冷凍カレー。地元産のやまと豚を一頭買いして、カレーに適した部位を厳選。1食あたり100gも贅沢に詰め込んだ食べ応え抜群の逸品だ。
[栄養素]エネルギー:418.3kcal タンパク質:24.2g 脂質:35.5g 炭水化物:25.5g 食塩相当量:3.2g
大ぶりの豚肉が満足感大! 玉ネギもクタクタで甘みが引き出されているのは無水ならでは。
ココナツの風味が食欲をそそる
順ちゃんち『TEGEUMA SPICE CURRY』
650円
宮崎のスパイスカレー専門店『順ちゃんち』が商品化。スパイス10種類以上を配合し、地元銘柄鶏を使った無水調理で旨味を引き出している。冷やしカレーとしても食べられ、保存食にもおすすめ。
[栄養素]エネルギー:286kcal タンパク質:9.4g 脂質:21.7g 炭水化物:12.9g 食塩相当量:2.7g
ココナツが効いていて爽やか。子供でも食べられる辛さに抑えられていてファミリー向き。
取材・文/坂本祥子 撮影/藤岡雅樹、武井義明(『【亜希ちゃん印】〜』の写真)
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年8月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。