連載/山田美保子の「ギョーカイ裏トレンド図鑑」
各地の猛暑日や酷暑日の連続記録が9月に入ってもニュースになっていた今夏がやっと終わってくれたようで、いっきに秋めいてきた昨今、「着るモノ、どうしよう」と慌ててクローゼットの中をチェックしている方も多いことだろう。
女子アナが愛してやまないアパレルブランドとは?
今回は、女性アナウンサーやキャスターが愛してやまない日本のアパレルブランドをご紹介したい。
2019年4月、『Live News イット!』(フジテレビ系)が立ち上がった際、メインキャスターの加藤綾子さんが度々着ていたのも、いまや同局のアナウンサーを取りまとめる存在となっている佐々木恭子アナが『ワイドナショー』などで着ているのも、『news 23』(TBS系)で小川彩佳キャスターが本番や取材先でジャケットの下に着ているのも、その多くは『kay me』(ケイミ―)というブランドのジャージーワンピース。そういえばスタッフロールの【衣装協力】の項にこのブランド名を見たこともある。
番組なので、担当スタイリストが用意することが多いものの、『kay me』は、女性アナウンサーやキャスターが“買い取り”(=スタイリストが用意した衣装を、それを着用した演者がそのまま自前のアイテムにするため代金を支払う)したり、その後、指名買いをしたりするというのが最大の特徴だ。
なぜスタイリストに『kay me』が選ばれるのか
スタイリストさんが『kay me』を選ぶ理由は、キャスターは着席でニュースを伝えることが多く、バストアップが長時間放送されるから。また、帯番組を担当するキャスターには、華やかな色柄のオプションが多いため、日々、異なる印象を付けやすい。膝下丈が多く、立体的で美しいので、老若男女の視聴者から好感をもたれやすいとのことだ。
そして着用する女性キャスターやアナウンサーにとっては、ファスナーを上げ下げするだけで脱ぎ着できるうえ、着心地がラクで長丁場でもストレスが少ないことなどが『kay me』を指名する理由だという。
画像を見ていただければ、「あぁ、あの服」とおわかりになる方も多いだろう。華やかな柄もあれば、いかにも画面の中で引き立つような鮮やかな色モノもある。
著名なエグゼクティブキャリアウーマンの一人であり、同社の代表兼リードデザイナーの毛見純子氏がイメージしたのは、自らも課題に思っていた「役職者として、エレガントだけど、服選びにも服のケアにも時間を使わなくてよい、1日中ラクでいられる仕事服」。
ここまで読んだだけで、働く女性たちは「そう、そう」「これ、これ」と膝を打つに違いない。働いている時間に女性らしく、しかもラクでいられるうえ、発想が豊かになる服のブランドが『kay me』なのである。
同社のHPを開いてみると、秋の新商品と共に、さらに魅力的なコピーが並んでいて、さらに膝を連打してしまうことに……。
「今買って長く使える。秋の人気アイテム」
「その日の気分でカラーを選んで。快適で美しいカラーワンピース」
「体型もシーンも気にしない。万能ワンピース」
「プラスするだけで華やかにあたたかく。ペプラムカーディガン」
「制電ペチコート付! あったかワンピース」
さらには、
「ストレッチ性抜群。洗えるライダース」
そして、
「クローゼットの必需品。パーフェクトブラックフォーマル」
……まで、働く女性なら全て、今すぐ欲しくなってしまうようなアイテムが豊富に揃っている。
忙しい女性にとって助かるのは、「配送料&返送料 弊社負担」の“どこでも試着”なるサイズ比較サービス。人目を気にせず、自宅の見慣れた鏡の前でゆっくり試着できたり、他のアイテムと組み合わせたり、履き慣れたパンプスと合わせてみたりできるのは、“失敗”を防げるに違いない。
ワンピースが目立つブランドではあるが、実は機能性素材でできているストレッチジャケットは「基本アイテムとしてオススメ」(毛見氏)とか。体型補正ストレッチのアンダードレスも売れ筋だという。
『kay me』(ケイミ―)、覚えておいて損はないブランドだ。
文/山田美保子
1957年、東京生まれ。初等部から大学まで青山学院に学ぶ。ラジオ局のリポーターを経て放送作家として『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)他を担当。コラムニストとして月間40本の連載。テレビのコメンテーターや企業のマーケティングアドバイザーなども務めている。