ローランドが騒音を気にせず演奏に没頭できる静粛性を追求した電子ドラム「VQD106」を発売

2024.10.08

ローランドは同社電子ドラムのなかで最も打撃音と振動の発生を抑えるなど、静粛性を追求。自宅での演奏に最適な「Vドラム・クワイエット・デザイン」の電子ドラム『VQD106』を2024年10月5日より発売を開始した。

価格はオープン価格。実勢価格は約29万9200円（税込）。

外形寸法（必要空間容積）／幅1300×奥行き1200×高さ1200mm（音源、キック・パッド、キック・ペダル、椅子を含む）
質量／29.8kg
別売品／キック・ペダル、椅子

『VQD106』発売の背景

ローランドは、1985年の電子ドラム・キット発売以来、長年にわたり電子ドラムの開発に取り組んできた。

独自の技術とノウハウを活かし1997年に登場した電子ドラム「Vドラム・シリーズ」は、プロから一般ユーザーまで幅広い層から支持を得ており、世界の電子ドラム市場でも高いシェアを有している。

そんな「Vドラム・シリーズ」は、ヘッドホンを使用して演奏ができることに加えて、静粛性の高い構造を持った電子ドラムだ。

しかしながら、住環境や設置場所によっては、ドラム・スティックでパッドを叩く音やバス・ドラムのペダルを踏みこむ振動が床面に伝わることが要因となり、自宅で周囲を気にすることなく演奏することが難しい場合もあった。

今回発売する『VQD106』は、静粛性の追求をコンセプトとした新しい「Vドラム・クワイエット・デザイン」の電子ドラムになる。

クオリティの高いサウンドと演奏性を備えながら、打撃音と振動を従来の「Vドラム」より75％軽減(当社設定条件下の測定)。集合住宅などの居住者でも、周囲への騒音や階下への振動を気にせず存分にドラム演奏を楽しめるという。

ハニカム形状のソフト・ラバーを採用した新設計パッド（表／裏）

『VQD106』では、パッドやスタンドの設計を一新。パッドには、ハニカム形状のソフト・ラバーとメッシュ・ヘッドを組み合わせた打面を採用。また、バス・ドラムには多層クッションとメッシュ・ヘッドで構成された打面、半球形状のゴム足、ペダルの下にセットするボードを組み合わせることで、振動を軽減する。

音源モジュール「TD-07」

音源モジュールには「TD-07」を採用し、厳選された25種類のキット（音色の組み合わせ）を搭載。音色の編集も可能だ。また、独自のセンサー技術で演奏の繊細なニュアンスも余すところなく表現。自然な音色変化で、アコースティック・ドラムと遜色ない演奏感を実現している。

スマートフォンとワイヤレスで接続して、お気に入りの曲やレッスン動画に合わせて演奏することもできる。リズム感覚を鍛える基礎練習機能「コーチ・モード」も内蔵。自宅で楽しみながら演奏のテクニックを磨くことができる。

なお、音源モジュールが付属しないモデル「VQD106PADS」も2025年1月に発売予定となっている。

左／多孔構造を採用したシンバル「CYQ-12」（裏面）、右／スタンド用の防振性の高いゴム脚

『VQD106』には、静粛性を追求した新開発のパッドを採用。高いノイズ低減性能を備えながら、演奏時の自然な感触と反発力を実現している。

リム・ショットに対応するリム径が10 インチのスネア・パッド「PDQ-8S」、パッド径が8 インチのタム・パッド「PDQ-8」、エッジ・ショットとチョーク対応の12 インチ・シンバル「CYQ-12」は、ハニカム形状のソフト・ラバーとメッシュ・ヘッドを組み合わせた設計。

裏面を多孔構造とすることで、叩いた際の空気の圧力が分散され、シンバルやパッドのフレームが鳴ることを防ぎます。さらにシンバルにはフローティング構造を採用しており、演奏感を損なうことなく高い静粛性を実現している。

スタンドには、材料や形状、硬度などを試行錯誤して完成させた半球状の防振ゴム足をセットすることで、振動の伝わりを軽減。これらのパッドやスタンドに加え、ペダルの下にセットするボード（ノイズ・イーター）を組み合わせることで、床面への振動の響きを減少させ、階下への騒音を防止するのだ。

キック・ペダル用のノイズ・イーター「NEQ-K」

バス・ドラム(キック)用のパッド「KDQ-8」は、ドラマーが求める「ズドン」という心地よい打感を実現しながら、振動と打撃音を非常に小さく抑制する。

メッシュ・ヘッドと多層クッションの組み合わせに加えて、フローティング構造の多孔フレームを採用したキック・パッド、半球形状のゴム足、キック・ペダル用のノイズ・イーター「NEQ-K」、ボール・ビーター「KDB-Q」。

これらの形状、材質を最適化しバランスをとることで、演奏性や打感を損なうことなく、静粛性をさらに高めたキック・ドラムが生まれた。

「KDQ-8」は、ツイン・ペダルにも対応している(別途、「NEQ-K」と「KDB-Q」の用意が必要)。

構成／清水眞希