2024年10月1日に発足した石破茂新内閣の集合写真がSNSで話題になりました。Xでは「腹ぼよーん」や「だらし内閣」といったワードがトレンド入りする事態に。
集合写真で閣僚の方々が来ていたモーニングコートの着こなしは、格式高い場における男性の正装として、細部にわたるルールとマナーが存在します。結婚式くらいしか着る機会はないかもしれませんが、いざという時に恥をかかないために知っておくべき着こなしのポイントをまとめます!
主なポイントは以下の通りです。
1. モーニングコートの構成
モーニングコートは、以下のアイテムで構成されます。
- コート: 前裾が腰丈で、後ろ裾が膝丈まで伸びた独特の形状のコート。色は黒が基本です。
- ベスト: コートと同素材の黒のベスト、またはグレーのベストを着用します。慶事の場合は白襟を付けます。
- コールパンツ: 白と黒の縦縞模様のパンツです。
- シャツ: 白のウィングカラーシャツを着用します。
- ネクタイ: グレーのストライプ柄か、シルバーのネクタイを着用します。
- 靴: 黒のストレートチップシューズを着用します。
- アクセサリー: 白またはグレーの手袋、懐中時計、カフスボタンなどを着用します。
2. 着用のポイント
- コートのボタン: 慶事の場合は「拝み合わせ」と呼ばれる留め方でボタンを留めます。弔事の場合は、通常のシングルスーツのように留めます。
- ベストの襟: 慶事の場合は白襟を付け、弔事の場合は白襟を外します。
- コールパンツ: サスペンダーで吊り、ベルトは着用しません。
- シャツ: ウィングカラーシャツの襟は、コートの襟から少しだけ覗かせるようにします。
- ネクタイ: ネクタイは結び目を小さく、ディンプルを作らないようにします。
- 靴: 靴は鏡面磨きにして、埃や汚れがないようにします。
- アクセサリー: アクセサリーは控えめなものにし、派手なものは避けましょう。
3. 着用シーンと注意点
モーニングコートは、結婚式、葬儀、叙勲式、園遊会など、格式高い昼間の儀式に着用します。
- 結婚式: 新郎新婦の父親、媒酌人などが着用します。
- 葬儀: 喪主、遺族、近親者などが着用します。
- 叙勲式: 受章者が着用します。
- 園遊会: 招待者が着用します。
着用シーンに合わせて、ベストの襟やネクタイの色などを変えることで、失礼のない装いを心がけましょう。
ところで、モーニングコートの由来は?
モーニングコートの起源は18世紀のイギリス貴族の乗馬服にあります。
当時、貴族たちは乗馬の後にそのまま宮廷に上がることも多く、乗馬に適した服装であると同時に、宮廷でも失礼のない服装である必要がありました。そこで、乗馬の際に邪魔にならないよう前裾を短くカットしたフロックコートが考案されました。このフロックコートが、朝の乗馬後に着用されることから「モーニングコート」と呼ばれるようになり、次第に宮廷での正装として定着していきました。19世紀には、昼間の最上級礼装として、公式な場でも着用されるようになりました。
つまり、モーニングコートは乗馬服としての機能性と宮廷服としての格式を兼ね備えた、歴史と伝統のある服装と言えるのです。
ちなみに「モーニングコート」は和製英語で、英語では「morning coat」または「cutaway coat」と呼ばれます。
モーニングコートは、着慣れないと難しい場合もあるため、事前に練習しておくことをお勧めします。また、専門のレンタルショップで借りる場合は、スタッフに相談しながら選ぶと良いでしょう。
注意: 上記は一般的な情報です。具体的な着用方法やマナーについてはレンタルショップや仕立屋などで事前に確認することをお勧めします。
文/相原アイコ