パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下パナソニック)は、大阪大学大学院歯学研究科 村上 伸也特任教授の監修の下、歯ブラシでのブラッシングに加えて、水流洗浄器を用いることが、より簡便な歯間部のプラークコントロールに対して有用である可能性を確認した。
研究実施の背景と目的
令和4年歯科疾患実態調査によると、8020運動(「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動)の達成状況は51.6%と高齢者の残存歯数は増加傾向にある一方で、残存歯のトラブルの増加が問題となっている。
口腔の健康維持には、日常的なセルフケアに加えて歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることが大切。自身の口腔状態を正しく理解し、毎日のセルフケアの質を向上させることが、より良い口腔ケアにつながるからだ。
通常は、プラークコントロールの改善を目的にデンタルフロスの使用が推奨されているが、一方で使い慣れるまでに時間がかかる、奥歯への操作が難しいなどという声も聞かれ、一度使い始めても使用中止してしまう人がいることが課題とされている。
■研究の概要
そこで本研究は、セルフプラークコントロールにおける水流洗浄器の有用性を評価することを目的に実施された。歯ブラシを用いたブラッシングに加えて、歯間部の清掃のための補助器具としてデンタルフロスおよび水流洗浄器(ジェットウォッシャー ナノクレンズEW-NJ80)を1か月間併用。
プラーク付着量検査を含む臨床検査を行なった結果、歯ブラシでのブラッシングに加えて水流洗浄器を用いることでより簡便に歯間部のプラークを除去できる可能性が示唆された。
高齢者や歯間部の清掃に慣れていない人でも容易にセルフプラークコントロールが可能になることが期待される。
同社では今回の発表に際して、「ドルツブランドは、これまで培ってきたテクノロジーでオーラルセルフケアをサポートするとともに、電動歯ブラシや水流洗浄器の可能性を追求し続け、世界中の人々の口腔の健康増進と文化向上に貢献していきます」とコメントしている。
関連情報
https://panasonic.jp/teeth/
https://news.panasonic.com/jp/
構成/清水眞希