石破茂氏が9月27日、自民党総裁選で第28代総裁に選ばれ、10月1日には内閣総理大臣に指名されました。
株式市場での注目は、石破茂氏が首相になったことで株価が上がりそうな「石破銘柄」です。この「石破銘柄」が9月30日にどう動いたのか、今後、どう動いていくかにも期待してみましょう。※株価は2024年10月3日終値
石破新総裁が誕生
石破茂氏が9月27日、岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選で、第28代総裁に選ばれました。
金融所得課税を引き上げる考え、法人税や所得税の引き上げ余地があるとの考えを石破氏が示していたことから、市況は悲観的にとらえ、その日のPTS(夜間取引)では、通常取引の終値とくらべ上昇は31銘柄で下落は345銘柄と下落した銘柄が多い状況でした。
そして、2024年9月30日は「ブラックマンデーの再来か」と噂され、結果として日経平均株価の終値は前週末とくらべて1910円01銭(4.80%)安の3万7919円55銭で、大幅下落となりました。
そんな厳しい株式市場でも注目されているのが、いわゆる「石破銘柄(石破新総裁銘柄)」と呼ばれるもので、石破新首相の政策に関係する「地方創生」、「防災」、「防衛」、「再生エネルギー」、そして出身県の「鳥取県を本社とする企業」に注目が集まっています。
注目されているのは「石破銘柄」
「石破銘柄」で注目されているのは、「防災関連」、「防衛関連」、「地方創生」、そして出身県の「鳥取県を本社とする企業」です。企業情報をまとめました。
【防災関連】
2024年1月には「能登半島地震」が起こったこともあり、国をあげて防災対策をしていく予想もあり、関連銘柄にも注目が集まっています。
モリタホールディングス(6455)(株価2,171円、最低投資額21万7,100円)
消防車で国内シェアが約6割。消火器や消火設備なども手がける。自己資本比率が高く、2023年3月期は64.8%。
ベルテクス(5290)(株価2,033円、最低投資額20万3,300円)
ハネックス、日本ゼニスパイプ、羽田コンクリート工業3社が統合してできたゼニス羽田にホクコンが加わってできた。浸水対策製品をメインとしたコンクリート事業。
萩原工業(7856)(株価1,577円、最低投資額15万7,700円)
ビニールシートを中心とした化学繊維製品を製造・販売する。インドネシアや中国でも生産。
【防衛関連】
石破新総裁は、2002年に防衛庁長官をつとめたこともあるため、防衛関連銘柄も注目されています。
三菱重工業(7011)(株価2,204円、最低投資額22万400円)
三菱グループの重工業メーカー。防衛関連としては、特殊車両 · 艦艇・特殊機械 · 水上艦艇、戦闘機、ヘリコプタも企業ホームページの製品情報に掲載。
川崎重工業(7012)(株価6,195円、最低投資額61万9,500円)
総合重機大手メーカー。航空機メーカーとして、防衛省向けの数々の航空機の開発・製造も行う。
【地方創生銘柄】
石破氏は第2次安倍政権では地方創生相をつとめたこともあり、地方創生銘柄にも関心が高まっています。
みらいワークス(6563)(株価1,149円、最低投資額11万4,900円)
企業とコンサルタントのマッチングサービス。フリーランスの営業活動を代行するサービスも。
青山財産ネットワークス(8929)(株価1,382円、最低投資額13万8,200円)
富裕層への不動産コンサルティングを行う。自治体が保有する遊休地の活用業務「地域創生コンサルティング」も手がける。
【鳥取県が本社の企業】
石破新総裁は鳥取県出身のため、関係性が強いと思われる鳥取県本社の企業も「石破銘柄」に名前を連ねています。
日本セラミック(6929)(株価2,569円、最低投資額25万6,900円)
赤外線センサ、超音波センサの開発、設計、販売を行う。本社所在地は鳥取市広岡。
トミタ電機(6898)(株価1,626円、最低投資額16万2,600円)
磁性体の電子素材、フェライトを主力とする電子部品メーカー。本社所在地は鳥取市幸町。
寿スピリッツ(2222)(株価1,791円、最低投資額17万9,100円)
「ルタオ」などを手がける菓子メーカー。本社所在地は鳥取県米子市。
鳥取銀行(8383)(株価1,296円、最低投資額12万9,600円)
地銀。鳥取唯一の地銀で、シェアは山陰合同銀行の次にあたる。本社所在地は鳥取市永楽温泉町。
9月30日の鳥取銀行の株価を見てみると……
https://finance.yahoo.co.jp/quote/8383.T
このうち、「鳥取県が本社の企業」の鳥取銀行は、9月30日、チャートを見ると窓を開けて株高になっていることがわかります。9月27日終値1,257円から、9月30日終値は1,328円と、71円高。
石破新総裁が決定して「ブラックマンデー再来か」と言われ日経平均株価が大幅下落となった日でも株高になり、10月2日終値は1,326円でした。
もちろん、株には値下がりリスクもあり、今後、上がるとも下がるとも言うことはできないものの、「石破銘柄」の中には、このように株価が上がった例もあるため注目してみるのも面白そうです。
米大統領選もあり11月まで日本株も軟調傾向か
株価はリスク商品であるため上がることも下がることもあることが難しい点で、油断できないのは2024年11月5日に控えているアメリカ大統領選挙です。
アメリカ大統領選挙による影響として過去の「株価ジンクス」を見ると、アメリカ大統領選挙の日経平均株価を見てみると、アメリカ大統領の政策によっては、為替が大きく動く、アメリカの政策によって輸出制限で影響を受ける日本企業もありそうで、大統領が決まるまでは不透明感から日本株も全体的に弱くなると見られています。
一方、大統領選挙後は株価が好調と見るアナリストが多く、2024年の株価もこのアノマリーが当てはまるとすると、11月5日までは軟調ではあるものの、米大統領選後は、次第に株価も回復傾向になるのではないかと予測できます。
※特定の金融商品の売買の推奨を目的としたものではありません。
※購入手数料は含まれていません
文/谷口久美子