10月1日より牛丼チェーンの松屋の一部店舗で「ニンニク野菜牛めし」が販売されている。
野菜とニンニクが山のように盛られた牛めしの画像、「野菜多め」「超味濃いめ」「にんにく強め」のキャッチコピー、そして「インスパイア系松郎牛めし」の文字。いわゆる‶二郎系牛めし〟の登場にSNSで大きな話題を呼んでいる。
一方、ファミリーマートが9月17日より発売している「背徳のコンビニ飯」シリーズも好調だ。ニンニクやチーズ、背脂などを大量に使用した高カロリー商品で、発売から一週間(9月17日~23日)で〝総カロリー約9.7億kcal〟分を売り上げたという。
なぜ、高カロリー商品が人気なのか。その秘密を探りたい。
松屋の全国68店舗限定で販売されている「ニンニク野菜牛めし」
ファミリーマートの「背徳のコンビニ飯」シリーズ
高カロリー商品が異例のヒット
ファミリーマートの「背徳のコンビニ飯」シリーズは、〝本能にあらがえない、禁断のウマさ。〟をテーマに、おむすびやサンドイッチ、丼やパスタなどに、欲望を駆り立てる7種類の‶背徳食材〟(背脂、バターソース、にんにく、から揚げ、玉子、マヨソース、チーズ)を使用した商品だ。
ファミリーマートでは、これまでも「40%増量作戦」キャンペーンなどを始め、ボリューム感のある商品を展開しており、そのインパクトはSNS上で頻繁に話題になっている。
特に‶背徳食材〟を使用した昨年9月に発売した「唐揚げとにんにく背脂醤油パスタ」は、「中毒性がエグい」、「味も見た目もインパクト大」、「隅から隅まで背徳感」など多くの反響があったという。
そうした経験からヒットを狙ったのが「背徳のコンビニ飯」シリーズだ。ファミリーマートは発売開始わずか一週間で「『背徳のコンビニ飯』販売好調のお知らせ」というリリースを配信しており、見事、その戦略が成功を収めたと言えるだろう。
松屋の一部店舗で販売を開始された「ニンニク野菜牛めし」は初日で完売をした店舗も出ているという。売り上げなどの数字は出ていないが、日ごろから松屋を利用しているユーザーからすると異例の売れ行きであるということが推察できるだろう。
1000円以内で満足できるランチを求められている
あらゆるものの物価上昇は私たちの生活に大きな影響を与えている。特に、食料品や外食は顕著に感じるところだろう。
帝国データバンクの調査によると今年10月の食品値上げは2911品目にもなり、今年最大の値上げラッシュとなっている。
高カロリー商品のヒットの背景にはこうした物価上昇が一因にあるのは間違いない。
「背徳のコンビニ飯」シリーズの「大盛ごはん!タルタルから揚げ&にんにく豚焼肉丼」は税込み638円ながら800kcalを超えている。松屋の「ニンニク野菜牛めし」も並盛り(790円)で922kcalだ。
「大盛ごはん!タルタルから揚げ&にんにく豚焼肉丼」591円(税込638円)
ランチが1000円を超えることが当たり前になってきた現在、安くて、ボリューム感があり、満足感を感じられる高カロリー商品は私たちの強い味方である。このトレンドは今後さらに求められてくるに違いない。
文/DIME編集部