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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
今回は不倫裁判を解説します。
みなさんが一度はヒヤリハットしたであろう【LINE誤爆】がテーマです。
愛人にLINEを送るつもりが……妻に送っちゃったんです。合掌。
そこから夫の不倫が発覚。裁判沙汰に。認められた慰謝料は!?
(東京地裁 R4.6.17)
以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
登場人物
・妻
・夫
・A子(夫の浮気相手)
夫妻の間には2人の子どもがいます(どちらも成人)
夫妻は平成3年に結婚して、令和元年9月に別居をスタートさせました。
LINE誤爆事件
別居をスタートさせて4か月後……。妻が夫の浮気を疑い始めたきっかけは、夫のLINE誤爆です。
――旦那さん、どんな誤爆をしちゃったんですか?
夫
「愛人にLINEするつもりが、妻に『A子ちゃん、ホース届いたよ』と送ってしまったんdeath(てへっ)」
御愁傷さまdeath。
ラブラブ散歩を目撃
その半年後、妻は、夫とA子がお互いの犬を連れて散歩している場面を目撃します。妻はこれで「この2人はデキている」と確信しました。その後、妻は探偵事務所に依頼します。
約2か月後、探偵はA子が夫の自宅に泊まった証拠を押さえました。探偵が押さえたお泊まりの経緯は以下のとおりです。
11.7 夕方、A子が夫の自宅に行く
11.8 朝、夫が犬を連れて散歩。A子は夫宅にとどまる。
夕方、A子が夫宅を出る。★前日とは違う服装で。
これで妻の勝ちです。
調停
妻はまず婚姻費用分担調停を起こします。カンタンにいうと「生活費を払ってほしい」という申し立てです。調停では「夫が妻に対して月額8万円を払う」という内容の和解が成立しました。
夫はこの調停の中で「離婚したい」と申し入れましたが、妻は離婚に応じませんでした。夫とやり直したかったのか、それとも生活費(婚姻費用)をもらい続けたかったのか、真意は定かではありません。
・マメ知識
後者のことを男性サイドは「婚費地獄」と呼んでいます。妻が離婚に応じてくれない限り延々と生活費を支払い続けなければならないからdeath。
妻は、さらに今回の夫の浮気について、夫に対して慰謝料請求する訴訟を起こしました。